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新潟 東京学館新潟「甲子園を戦い終えて」インタビュー動画他

旅川佑介監督、八幡キャプテンに聞く
  • 2023年08月31日

※インタビュー動画は記事の後半に記載しています。
高校野球2023 夏の甲子園 1回戦 市立和歌山 vs 東京学館新潟

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 合計
市立和歌山 1 0 4 0 0 0 0 0 0 5
東京学館新潟 1 0 0 0 0 2 0 0 1 4

ことしの夏の全国高校野球は神奈川県代表の慶應高校が宮城県代表の仙台育英高校を破り、107年ぶりの優勝で幕を閉じました。

新潟県では、東京学館新潟高校が甲子園初出場を果たし、市立和歌山高校と対戦。
大接戦となり9回には逆転か?と思わせるシーンもありましたが、4対5で惜しくも敗れました。
過去10年間、新潟の代表として日本文理高校と中越高校のみが甲子園に出場していた中、その2校を予選で破り、初めての甲子園出場を決めたことは多くの野球ファンに衝撃を与えました。

今回のインタビューでは、東京学館新潟を率いた旅川佑介監督、八幡キャプテンに「甲子園を戦い終えたいま」をテーマに、甲子園で感じたこと、東京学館新潟のこれから、応援してくれた方々へのメッセージなどをうかがいました。
※旅川監督は、スケジュールの都合上電話でのインタビューとなりました。

東京学館新潟 旅川監督に聞く「甲子園を戦い終えて」

旅川佑介 監督

改めて甲子園を戦い終えての感想を聞かせてください。

旅川監督

甲子園は、選手たちの憧れの場所でもありました。
新潟県でトップになることを目標にやってきたので、努力が形になって選手たちも喜んでいました。
また甲子園という憧れの舞台でゲームできたことが、今後の学館の財産になると思っています。

甲子園初出場を果たした瞬間の心境は?

旅川監督

新潟県大会の最後、中越高等学校戦はサヨナラで決めたこともあり、最後9回の攻撃をどう回していくかということで精いっぱいでした。
これで甲子園だという気持ちよりは、最後ヒットが出てホッとしたというのが正直なところです。

接戦となった市立和歌山戦で特に印象に残っている場面や瞬間を教えてください。

旅川監督

ところどころ私の采配のミスがありました。
もう少し落ち着いてやれればよかったという気持ちはあります。
そういったミスも含めて、選手たちがカバーしてくれました。
気が付けば、いつも通りの展開に持ち込めていました。
あと一本届くか届かないかはさまざまな要素もあり簡単な話ではないですが、選手たちが粘りに粘って、最後逆転するかしないかという展開にまで持ち込みました。
そこに選手たちの成長、そして練習してきたことが形になっているんだなという嬉しさを感じました。
大きな1プレーというよりは、そうした学館の流れを引き寄せる一つ一つの小さな積み重ねが印象に残っています。

”采配のミス”というお話がありましたが、具体的に聞かせていただけますか?

旅川監督

それは3回の4失点を許したシーンです。
1アウト 2塁3塁のシーンで前進守備を敷き、そのシーンでセカンドの右を抜かれて2点を取られました。
学館の持ち味は“最少失点で後半勝負”。
前進守備を敷かず、1点覚悟で3塁ランナーを消して、2アウト 2塁でディフェンスをするのがいつもの学館の野球でした。
防戦一方になるのが嫌で、攻めた采配を意識して前進守備を敷いてしまった。
いま考えれば、いつもの野球じゃなかったなという思いはあります。
3回は2失点で防げました…。

監督のおっしゃる"いつも通りの展開"とは、前半の失点を抑え、後半にかけて尻上がりに調子を上げていく野球ということでしょうか。

旅川監督

はい、前半のイニングを重ねる中で、少しずつ潮目が変わってくるその瞬間を逃さないことです。
それを甲子園でも意識していました。
ピッチャーに関して言えば、2番手の杉山(選手)が、粘り強いピッチングを続けて、じわじわと学館に流れを引き寄せていました。
その流れに乗って涌井(選手)が6回からマウンドに上がってきちっと抑えてくれたという感じです。
正直あそこまで抑えられたのは嬉しい驚きでしたが(笑)

今大会からクーリングタイム(暑さ対策で導入された5回と6回の間の休憩時間)には、監督から選手にはどういった指導・話があったのでしょうか?

旅川監督

(この時点で1-5で追う展開だったが)この展開が、いつもの学館の流れだということを信じて疑わないように声がけをしました。
やられてるとか、やっぱり駄目だとか、きついなとか、そういう気持ちにならないようにと。
後半に必ず学館の流れが来るから、ということを伝えました。
技術的にどうこうという話はこの時点ではしませんでしたね。

試合の結果をどのように受け止めましたか?

旅川監督

昨年、日本文理さんが田中晴也選手を連れて(新潟代表として)甲子園に出て、長崎海星に負けたことが本当に悔しくて…。
新潟県は甲子園で勝てないと言われ続けてますし、いいゲームをするではなく、勝つという気持ちでいたので、その点は悔しい思いです。
いい試合だったと言っていただけるのは本当にありがたいですし、選手たちは最高の野球をしてくれたという思いはありますが、わたし自身もっと成長しないといけないと痛感しています。

この結果を受けて、今後の課題や取り組みたいことを教えてください。

旅川監督

攻守交替の入れ替えのスピードであったり、ゲーム中のテンポであったり、甲子園のスピードはとても速いです。
そういったスピード感を初出場の中で実感してきたので、今後の練習にも活かしていきたいですね。
このスピード感というのはとても重要で、野球というのは1プレー1プレーもちろん頭を使って行うのですが、”より短い時間の中でもしっかり考える”クセをつけるというか、そういった意識が必要だなと感じました。

新潟県大会から甲子園を通じての選手・チームの成長や変化について教えてください。

旅川監督

主力の選手は多くが3年生です。
今のチームは立ち上げ当初から八幡(キャプテン)と宮島(副キャプテン)が中心に部活を回していました。
県大会が始まる頃にはベンチメンバーに入っていない仲間たちも、積極的にサポートに回ってくれました。
月並みかもしれませんが、みんなが役割をもって集団として活動できたことが、一番成長した部分だと思います。

応援してくれたファン、学校、地域、新潟の人へのメッセージをお願いします。

旅川監督

なかなか野球部が勝てない時期が続いていました。
そんな中OBや後援会の方がいつも支援して下さるので、恩返しをしたいと思っていました。
また学校にも野球部のために様々動いていただきました。
その点も感謝したいです。
さらには新潟県のみなさんから沢山の応援、励ましのメッセージ、ねぎらいの言葉を頂きました。
我々の試合を見て、少しでも新潟県の誇りに思っていただけたのであれば、これ以上の幸せはありません。
本当にありがとうございました。

今後の目標、意気込みを教えてください。
今回の甲子園大会には2年生も3人出場していました。
こうした経験値が東京学館新潟にどう影響してくるでしょうか。

旅川監督

たしかに2年生も出場していました。
とは言え、引っ張ってきたのは八幡キャプテンを中心とした3年生です。
(3年生卒業後の)新たなチーム体制がスタートしましたが、甲子園に出場した2年生に関してもまだまだです。
そうした選手たちが自分のことだけじゃなく、チーム全体を見て考えて動けるように成長していくことがまずは大切だと思っています。
3年生が背中で見せてくれたもの、チームを作る過程であるとか、そういったことを見られたことが彼らの財産になるのではないでしょうか。

ありがとうございました。

あらためて高校野球の魅力を感じさせてくれる旅川監督のインタビューでした。

東京学館新潟 八幡キャプテンに聞く「甲子園を戦い終えて」

「一試合一試合ごとに成長していた」という言葉が印象的な八幡キャプテン。
新潟県大会そして甲子園出場を通じて、野球の実力はもちろん、チームの絆、そして人間的にも大きく成長できたと語っていました。

八幡キャプテン 素敵な笑顔です

高校野球 秋季大会2023での活躍に期待

この夏感動を届けてくれた、東京学館新潟。
3年生が卒業し、新メンバーで迎える 高校野球 秋季大会 2023 はもうすぐそこ。
今後の活躍に注目です。

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