新潟 耕作放棄地再生:加工用野菜の生産で農地再生へ挑戦!
- 2023年07月31日
日本有数のコメどころ・新潟県の農業でも高齢化などによる担い手不足から耕作放棄地が増え続けています。 そうした中、ある生産者による農地の再生の取り組みを取材しました。
■上越市での農地の再生
長野との県境にほど近い、標高800メートル付近に位置する光ケ原高原です。
17年ほど放置されたかつての牧草地で始まったのは、畑に再生させる取り組みです。
農機メーカーらと連携し、この先2年間でおよそ4ヘクタールの農地を蘇らせる予定です。
発起人は、地元で農業法人を経営する丸田洋さんです。
これだけの広いスペースで土質がいい場所なのに、何も利用されていないのはすごくもったいないなと思う。ここにすごく大きな価値があるかなと思います。
■水稲だけに頼らない 加工用野菜に見いだした可能性
実は丸田さん、元々は稲作の農業法人を経営していました。
19年前から作り手がいない水田を借り、180ヘクタールの田んぼを耕すまでになりました。
しかし近年、米の値段がなかなか上がらず、経営が厳しくなっていました。
そこで3年前から、水田を畑に転用し、加工用の野菜に活路を見出そうとしています。
丸田さんが育て始めたのは加工用のトマト。
実は今、ジュースやペーストなどとして「健康」や「手軽さ」の面から需要が増しています。
水田じゃない何かができないかなって。 加工向けの野菜はこの先の需要がすごく見込まれているので、ますますマーケットがあるかなと思って始めることにしました。
しかし、元水田ならではの難しさにも直面しています。
水はけが場所によって違い、生育に差が出ています。
排水路を作るなどの対策をしながら、模索が続いています。
■加工用野菜の生産で地域活性化も見据える
光ヶ原高原の農地の一部でも、3年前から試験的にトマト栽培を始めていた丸田さん。
広大な土地を活用して大型機械を使った効率の良い生産を目指しています。
成功すれば地元の人を雇用できるなど、地域の活性化にもつながると考えています。
農地という資産をどう利用していくのかが重要。新潟って言うと水田や水稲が中心だと思われるけど、加工向け野菜の産地として認知されるようになったらいいなと思っています。
丸田さんはすでに加工用トマトのほか、にんじんやダイコン、そばなどの生産に取り組んでいて、 今後は農地の拡大に伴い、そのほかの野菜生産への挑戦も視野に入れています。
「耕作放棄地を有効活用することで、ふるさと新潟を盛り上げたい」という、丸田さんの挑戦は続きます。