なくそう!ねこの殺処分~獣医と協力し野良猫の不妊化を促進~
- 2023年04月12日
【新たな飼い主探す譲渡会】
大村市の団体が開いたねこの譲渡会。団体は、毎月、譲渡会を開いてシェルターで預かるねこの飼い主を探しています。
主催した団体の理事長を務める田崎直美さん。
「いったん見てもらってまたシェルターのねこたちも見たいっておっしゃる方もいらっしゃったので、手応え的には譲渡会してよかったなと思います」。
【保護したねこが暮らすシェルター】
田崎さんの団体が運営する大村市のシェルター。
ここで暮らしているのは、「多頭飼育崩壊」によって保護されたねこたちです。「多頭飼育崩壊」とは、家庭で繁殖を繰り返して増えすぎたために飼えなくなることで、大きな問題になっています。
こちらが、田崎さんがこのシェルターを設置するきっかけとなった「多頭飼育崩壊」の現場です。
相談を受けて訪れたのは、高齢女性が暮らしていた部屋。
この家では、最初は女性が保護した野良猫や捨て猫20匹が暮らしていましたが、不妊化手術が追いつかず、繁殖を繰り返しました。
その結果、田崎さんが訪れた時には実に57匹に。
すでに家庭では手に負えない状況になっていたといいます。
田崎さん
「もともとは個人でご高齢のお母さんが拾ったり保護したりでねこがいたんですけども、元気なうちはちゃんと手術ができて管理ができていたんですけど、不妊手術をするような経済力もなくなっちゃったので、どんどん増えていった」。
【獣医と協力して野良猫を不妊化手術】
団体が取り組むのは、飼い主探しだけではありません。
殺処分0を目指して、野良猫の「不妊化手術」の促進に取り組んでいます。
野良猫の不妊化手術は、動物病院ではあまり受け入れられていないのが実情です。
団体では県内の獣医師と連携。定期的にシェルターで野良猫限定の「手術会」を開いています。
特徴は手術費用の安さです。一般の動物病院での不妊化手術では、検査や宿泊込みでオスが1万円程度、メスは2万円から3万円程度の費用がかかります。この手術会では、日帰りが可能な野良猫に特化した手術を施すため、費用は半分以下におさえられています。
手術を終えた野良猫は、手術を受けた証として耳をカットされています。
「きょうは4頭連れてきました。安く、そして野良猫が動物病院ではなかなか理解をしていない中で受け入れてもらえるっていうのが一番助かっている」
さらに、単に手術をするだけでなく、野良猫との向き合い方の相談にも応じられることがこの手術会の強みだといいます。
田崎さん
「”身の回りのねこをどうしていいか分かんない”、
”増えちゃったねこをどうしていいか分かんない”、”引き取ってほしい”という相談から”じゃあこうい う方法がありますよ”って手術して、地域猫として見守っていくっという流れの中での手術なので、
知らない所に伝えてから広げていくっていうところが大切なのかなと思います」
【殺処分0の先、野良猫を0へ】
団体がめざすのは、殺処分0の社会です。
田崎さんは、ねこが安心して幸せに暮らせることを願っています。
田崎さん
「殺処分ゼロもそうですけど野良猫であったり捨て猫だったり、そういうのはもう、ゼロになってそういった小さな命にも思いやりを持っているような優しい街であってほしいな/みんなねこは家の中でこう安全に飼われているような状態になったらいいなと思います」
「めざせ殺処分ゼロ!」