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【解説】宮崎市役所の新庁舎はどこに?議論が再スタート

  • 2022年05月17日

宮崎市は新庁舎建設の具体的な候補地3つを5月16日に初めて示しました。市長選の争点にもなった新庁舎の建設。これまでの経緯や具体的な候補地、今後のスケジュールについて詳しく解説します。

新庁舎建設のこれまでの経緯

宮崎市は新庁舎の候補地について、現在地とJR宮崎駅東口の合わせて3つのエリアを示し、いずれかで建設する方針を5月16日に発表しました。昭和38年に建設され60年近くがたった宮崎市役所。老朽化に加えて、川沿いという災害のリスクもあり5年前から本格的に建て替えが検討されています。新庁舎の建設についてこれまでの経緯を振り返ります。

2021年3月、学識経験者や商工団体の代表などで作る検討会が大淀川沿いにある今の場所ではなく、災害リスクが低く交通の便もよい「宮崎駅周辺」での建て替えが望ましいとする意見をまとめました。

これを受けて宮崎市も「宮崎駅周辺」での建て替えを発表。議論はまとまったかのように見えました。しかし、市議会から異論が出ます。「現在地を推す意見も多い」などとして市議会の検討委員会が「現在地」を加えて、再検討することを求める提言書を提出したのです。これにより駅周辺での建て替えの決定は白紙となり、現在地を含めて再検討が行われていました。

具体的な3候補地のメリット・デメリットは?

こうした議論を踏まえ清山市長就任後、初めて具体的な候補地が示されました。3つの候補地は▼現在の場所と▼宮崎駅東側にある宮崎中央公園のエリアです。

現在の場所のメリットは
(1)新たな用地を取得する必要がない
(2)市民にとって慣れ親しんだ場所であること
(3)県庁に近く利便性が高いこと  などがあげられます。

一方でデメリットは
(1)建て替えのため工期が長期化する可能性がある
(2)建て替え中の仮庁舎をどこに設置するのか などがあげられます。

次に宮崎中央公園の案です。上の写真は宮崎中央公園の2つの候補地です。1つはテニスコートがある場所などを想定しています。もう1つが公園の広場などを使う案です。いずれも国有地を含んでいて、国から取得する必要があります。

メリットは
(1)解体する建物がなく撤去費用などを抑えられること
(2)津波や洪水などの浸水想定区域ではないこと などがあげられます。

一方でデメリットは
(1)国有地の取得に費用がかかること
(2)公園やテニスコートの利用が制限されること などがあげられます。

初めて示された宮崎中央公園の案について、公園の利用者からは「散歩で癒されていたから壊したくない」や「今テニスをする人が増えているから、テニスコートが無くなるともったいない」という声も聞かれました。駅の近くで利便性は向上しますが、公園を利用する人としては複雑な気持ちのようです。

具体的な新庁舎の建物はどうなる?

16日の市議会の全員協議会では具体的な新庁舎像も見えてきました。
議員から建物の高さに関する質問に対して、宮崎市の担当者は「現在の場所でも駅周辺でも高さは約60m、建物の階数だと12階から13階程度」とし、今も課題となっている駐車場の確保については「立体駐車場を建設するなどして必要な駐車場を確保したいと考えている」と答えました。

議論が始まった新庁舎の建て替えについて、清山市長はこのように話しています。

清山市長
秋口の9月10月くらいにはコストや防災面での判断材料もしっかり市民のみなさんに示したい。責任の所在を明らかにして市民のみなさんから声を聞く。そして議会とは議論して意見も聴取する。最終決定はわれわれ市役所でさせていただく。

気になる今後のスケジュールは、建築や街づくりなどの専門家や市民アンケートの意見をもとに、2022年12月までに基本構想案を作成し、2023年3月までに具体的な建設場所を決定するとしています。着工は4年後の2026年を目指しているということです。

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