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宮崎 ガソリンが高い!いつまで続く?経済への影響は?

  • 2022年05月11日

1リットル170円台という状況が4か月にわたり、通勤や行楽にも影響が出ています。県内のドライバーからは「ガソリンが高い。どんどん家計が厳しくなる」という声も聞こえてきます。石油元売り会社への補助金の効果は?県内経済への影響は?詳しく解説します。

大型連休明けのレギュラーガソリンの小売価格は、県内平均で1リットルあたり174.7円と連休前の4月25日と比べて1.8円値下がりしましたが、1月から4か月にわたって170円台が続いています。

宮崎市のガソリンスタンドに来た人からは「毎回、価格が安い店を探している」「燃費効率が少しでもあがるよう運転に気を遣うようになった」などといった声が聞かれました。

図は県内のガソリン価格の推移です。2021年の1月4日は今よりも40円近く安い137円でした。そこからほぼ一本調子に上昇を続け、2021年10月に13年ぶりに170円台を超えました。年明けに再び上昇し、3月に177円にまで上がるなど高止まりが続いています。

連休前と比べて2円近く値段が下がった理由は、政府による石油元売り会社への補助金があげられます。小売価格をおよそ28円抑える効果があったということです。

しかし、依然として高値が続くガソリン価格。宮崎県内の産業への影響を調べたところ、宮崎大学の杉山智行教授は県内に多い中小企業が特に打撃を受けていると指摘します。

杉山智行教授(宮崎大学 地域資源創成学部)
私が聞いている範囲だと中小企業と言われる規模の小さな企業は空の雑巾を絞るようなコストダウンをしてきている。ただでさえ、コロナで売り上げが落ちているなかでのコストアップ。そういった意味で産業がというよりも規模が小さい所がより大きな影響を受けていると感じる

なかでも宮崎は比較的、価格の安い商品を都市部に運んでいることが小売り価格への転嫁を難しくしているといいます。

杉山智行教授
生鮮野菜とか機械工業品とかを運んでいるが、1個1個が高単価なマンゴーみたいなものばかりを運んでいるわけではない。コストを吸収できる余力が少ないということ。なので1円でも上がるとなかなかコストを吸収できない。こうしたコストアップ分を「今から値上げします」と言えるのか言えないのか。みんなで我慢するみたいな雰囲気が出てしまうと怖い。

ではどうすればいいのか。杉山教授は「県内企業が我慢を続けるだけでは道は開けない」と指摘します。

杉山智行教授
勇気を持って価格転嫁を打診するしかないのかなと思います。もちろん相手企業も苦しいのは山々だと思うが、どこかが我慢するとそのしわ寄せが必ず地方に来るという社会になっていると思う。地方だけが苦労するようなことはやめたほうがよい。勇気を持って価格転嫁をお願いしないと、まだ予断を許さない状況が続いている。一過性のものとは考えない対応が必要だ。

商品の値上げは現在も続いていますし、消費者としては家計に響きますが、価格に転嫁できない企業の苦境にも目を向けることが重要だと感じます。

  • 佐藤翔

    宮崎局・記者

    佐藤翔

    2015年入局

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