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"酪農危機" 過去最悪 牛乳が飲めなくなる!?【インスタ画像でわかりやすく解説】

去年11月から値上げされた牛乳。 原因の1つが、牛のエサの高騰です。 トウモロコシの多くを輸入に依存する中、 世界的な飼料高騰でかつてない危機に…

日本の生乳の半分以上を生産している北海道では、 去年200戸近くの酪農家が廃業したとみられます。 深刻な現状を取材しました。

(NHK「クローズアップ現代」より)

※サムネイルの画像を矢印に沿ってスワイプすると、インスタグラム「地球のミライ」で投稿した画像の続きを見ることができます。

牛乳が当たり前に飲めなくなる?

相次ぐ乳製品の値上げ
相次ぐ乳製品の値上げ

牛乳の価格は、2022年11月から10円値上げ。生クリームやバターなどの加工品も4月から値上げされることが決まりました。実は、この値上げの舞台裏で史上最悪と言われる酪農の危機が起きています。

約3,900頭の乳牛を抱える全国最大規模の牧場では生乳の増産を促す国の方針もあり、最新機器を導入し、規模拡大に奔走してきました。そこを襲ったのが、エサ代の高騰。いま、年間のエサ代は経営コストの8割に上っています。

ドリームヒル 小椋幸男社長

「われわれの段階だと手の打ちようがない状況」

酪農家を悩ませるエサの高騰
酪農家を悩ませるエサの高騰

日本の酪農では、生産量を増やすため、牧草だけでなく栄養価の高いトウモロコシなどの穀物も食べさせるのが主流になっています。トウモロコシはほぼ全てを輸入に頼っていますが、いま国際価格が急激に上がっています。

さまざまな要因が重なり、トウモロコシの国際価格はこの2年で倍以上になりました。

ウクライナ…
トウモロコシの主要輸出国だが、戦闘が拡大
中国…
食肉需要が増加。自国ではエサを全てまかなえず、トウモロコシ輸入がこの2年で約6倍に急増。
アメリカ…
世界最大の生産国だが、トウモロコシはバイオエタノールの原料にも使われるため需要が増加

生乳は通常、地域別に農協などで作る指定団体が集め、乳業メーカーに販売する一元集荷体制が組まれています。酪農家たちが受け取る価格は自分たちでは決められず、指定団体と乳業メーカーの交渉で決まります。2022年から値上げされたものの、多くの酪農家にとって赤字を解消するにはほど遠い状況です。

飼料高騰でこんな影響も。

子牛の価格崩壊…
重要な収入源だった子牛。元は1頭10万円ほどでしたが、最低価格の500円でも売れない事態に。買い手の畜産農家も飼料の高騰で経営が苦しいためです。

相次ぐ廃業…
2022年、北海道だけでも200戸近くの酪農家が廃業したとみられます。

東京大学大学院教授 鈴木 宣弘さん

「アンケートでは、北海道・千葉の酪農家107戸のうち98%が赤字に。社会的にも許容できない問題だ。牛乳は価格が安定している“物価の優等生”のため、小売りはそう簡単に値段を上げられない。しわ寄せが生産者にいってしまう。構造を打破しなければいけない」

もしかしたら将来、牛乳が当たり前に飲めなくなるかも…?

インスタグラムでも画像を公開中

インスタグラム「地球のミライ」では、環境問題や気候変動のほかSDGsの達成に向け、いま課題になっていることを写真やグラフィックで紹介しています。こちらも合わせてご覧ください。
インスタグラム「地球のミライ」※NHKサイトを離れます

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