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高崎出身 元Jリーガー・青木剛選手 フットゴルフで再びプロに

  • 2023年03月20日

サッカーJリーグの鹿島アントラーズを中心に通算400試合に出場した青木剛選手は、高崎市出身。前橋育英高校を卒業後にプロになり、日本代表も経験しました。

20年あまりの現役生活に別れを告げた40歳は、去年、再びプロの世界に新たな一歩を踏み出しました。そこで使うのは同じサッカーボール、ただ、競技は異なるフットゴルフへの転身でした。

(前橋放送局 記者 中藤貴常/2022年12月、2023年2月取材)

サッカーとは別物?フットゴルフとは

南葛SC所属 青木剛選手
「サッカーとフットゴルフはボールを蹴るので似ている部分はあるんですけど僕の中では別物だと思っています」

サッカーボールを蹴るのはゴルフ場。

そして、大きく空いたカップにカップイン。

これが、青木選手が取り組むフットゴルフです。
ゴルフと同じホールを回り打数の少なさを競います。

青い服の男性は右奥のカップにイン!

日本フットゴルフ協会によりますと、欧米を中心に40か国以上で親しまれ、ワールドカップも開催されています。
そのフットゴルフを、青木選手は第2の人生の舞台に選びました。

青木剛 選手
「もともとゴルフの世界観が好きだったんですけど、そのゴルフをサッカーボールを使ってできるというところで、すごくおもしろいスポーツだなと感じました」

フットゴルフで不可欠①地形を読む力

競技を始めて、まだ1年あまりの40歳。ただ、ほかの選手と比べてもそのキック力は大きな武器です。

勢いよくキック
ボールは高く舞い上がった

日本初のプロ選手となり歩み始めた新たな道。
そこならでは、という戦い方も必要です。

そのひとつが「地形」です。
サッカーと異なり起伏が多く、地形の特徴を踏まえたキックの正確性が求められます。

青木剛選手

「地形や傾斜を見たうえで、どんな蹴り方や球筋で蹴ったほうがいいのかを、自分の中で判断しながらやっています」

例えばこの場面。

ピンに向かってまっすぐ蹴らず、あえて右の斜面を狙って蹴りました。

ボールは右方向に
傾斜によってボールは徐々に左に
結果、グリーンに乗った

青木剛選手
「まっすぐ行くと(左に)流れて行ってしまうので、ここはあえて右から出すことによって、最善のプレーを選ぶということも、おもしろさかなと思います」

フットゴルフで不可欠②繊細なパット

さらにパットも課題の1つです。サッカー以上に繊細なボールコントロールが重要だと感じています。

青木剛選手

「サッカーはパスを受け取る相手がいるので、多少ずれてもミスにはならない。ただ、フットゴルフでは、ちょっとでもずれたらミスになってしまいます」

青木剛選手

「ここまで弱い力でボールを蹴ることはサッカーではないですよ。“線”ではなく、ボールが止まる“点”で考えないといけない。始めたばかりのときは、パットの時も軸足を固定せずにちょっと助走してボールを蹴っていました」

そこで、この競技に合ったフォームを磨きました。

助走せずに、蹴らない方の軸足を固定して慎重にキックし確実性を高めます。

軸足は固定

青木剛 選手
「まだまだ経験値を上げていかなければいけないなと思っています」

競技は違えど…

それでも、Jリーガーとして長年貫いてきた「競技に真摯に向き合う姿勢」は変わりません。

空気圧も戦略の1つ 転がりやすさも変わってくるという

競技前には、ボールの空気圧を入念にチェック。

日によって芝の転がりやすさも変わってくる

そして、競技直前まで1人、ボールの転がりを繰り返し確認する姿がありました。

結果がすべて 再びトップへ

迎えた国内ツアーの大会。目標とするワールドカップの代表入りに向けた重要な大会を前に、笑顔は一切ありません。

青木剛 選手
「最善を尽くすだけだと思います」

前半は好調でした。

バーディー4つを奪いツーアンダーで後半へ。

パーフォーの13番ホール。

第1打は、キック力を生かし、狙い通りの位置につけました。

第2打は、カップを直接狙う勝負に出ますが、その奥は下りの傾斜が、きつくなっていました。

青木剛選手

「感じ取れないようなフォローの風が吹いていたと思う。(それを)感じ取れなかった自分の力不足」

風でボールが少し動く
大きな傾斜でバンカーへ

ボールはグリーンを大きく越えてバンカーへ。
後半、スコアを崩した青木選手はこの大会、フォーオーバーで76人中39位でした。
結果がすべてのプロの世界。これまで同様、課題にしっかり向き合い、再び、トップの世界で輝く決意です。

青木剛 選手
「うまくいかなかったことに対して、次に修正する、改善するというところが大事だと思います。とにかく高みを目指し、志を高くしてフットゴルフを取り組んでいきたい」

現在ランキングトップ W杯日本代表へ

取材した大会では残念な結果に終わった青木選手ですが、その後は2つの大会で優勝して、国内ツアーのポイントのランキングでは現在トップです。
このランキングを元に、ことし5月のワールドカップの日本代表が選ばれるということですので、残りの大会での活躍に期待しましょう!

  • 中藤貴常

    前橋放送局 記者

    中藤貴常

    警察・司法を担当後、現在は両毛広域支局で行政・スポーツなどを幅広く取材

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