健大高崎 センバツ高校野球 ミーティングと心の耐力で初戦へ
- 2023年03月16日
センバツ高校野球が今月18日に甲子園球場で開幕します。
群馬から出場する高崎健康福祉大高崎高校は、去年夏の群馬大会では決勝で敗れて、あと一歩、甲子園に届きませんでした。
新チーム、最大の特徴は「歴代で最も統率力がある」というキャプテンを中心としたチーム力の高さです。
(前橋放送局 記者 長谷川将万/2023年2月取材)
夏の悔しさ胸に
練習前のグラウンドに最後に現れたのはキャプテンの森田光希選手です。新チーム発足以来、特に重視してきたのがミーティングでした。
健大高崎 キャプテン 森田光希 選手
「1球1球丁寧に、1回1回丁寧に。絶対に日本一を取るんだという思いで全員でやっていこう」
去年夏の群馬大会決勝で健大高崎は1回に一挙5点を奪われて敗れました。「個」の能力を高めるだけでなく「試合までの準備」と「チーム力アップ」が不可欠。そのことを痛感させられた試合だったといいます。
健大高崎 キャプテン 森田光希選手
「試合に入る準備や自信がなかったので、初回に5点を先制されて慌ててしまい、甲子園を逃してしまった」
新チームには、ずばぬけた才能を持つ選手はいない。
それでも、甲子園への切符をつかむために重ねてきたのがミーティングでした。
練習の合間には選手が主体的に集まり、練習の目的や狙いを共有します。そして、選手68人すべてが「夏の悔しさ」を忘れず戦い、2年ぶり6回目のセンバツ大会出場を決めたのです。
バッテリーの“信頼”
1点を守り抜く野球を目指す新チーム。
投手陣の中心は、去年の夏も経験した左右の2枚看板です。
エースナンバーは小玉湧斗投手。最速147キロのキレのあるストレートが武器です。
ただ、何より大切にしているのがバッテリー間での「信頼」。女房役は1学年下ですが、忌憚のない意見交換を心がけています。
小玉湧斗 投手
「キャッチャーの箱山から『きょう、こういうところがダメだったよ』って言ってもらって(いることが役立っている)」
箱山遥人 選手
「一番近くで見て、よいときも悪いときも正確に評価してあげられたら、信頼関係ができてくると思っている」
打率は低くても、全員でつなぐ
一方の打撃陣。
チーム打率は2割6分あまりと、出場校の中で決して高くありませんが、重視するのが「打線のつながり」です。
半田真太郎 選手
「チーム力、個人個人が本当にチームのためにやっている。そういうところが本当によかったなと思っている」
こだわりの「走塁」
少ないチャンスを生かして1点をもぎとるために。
伝統の機動力、「機動破壊」は健在です。
1つでも先の塁を奪うための走塁を改めて徹底しています。
こちらの練習はベースを踏む位置が重要。一般的に言われるベースの「角」ではなく、「側面」を踏むような指導を受けています。
より直線的にベースに入って方向転換し、直線的に次の塁へ向かう。タイムロスを少なくできますが、高い技術が求められます。
“心の耐力”を磨く
日が暮れたあと、室内練習場で行われていたのは、やはりミーティングでした。
キャプテン 森田光希選手
「チームのピースになるために自分が何をできるのかというのを考えて、あした全員がよい練習をできるようにしよう」
全体でのミーティングが終わっても、さらに、最上級生の2年生だけが集まりました。
キャプテン 森田光希選手
「2年だけに言えることは、健大(高崎)のよい伝統を引き継いでいく過渡期だから、そのためには人間性も求められているので、ちゃんとやっていこう」
ミーティングや試合、練習で浮き彫りになった課題や反省点は、ノートで全員に共有しています。
「秋の関東大会の山梨学院戦に負けた後に書いたノートです。『心の耐力』、これは印象に残っています」
コーチからの返信にあった「心の耐力」ということば。
そのことばを支えに、甲子園初戦のプレーボールのその時まで、最高の準備をして臨みます。
森田光希 選手
「自分たちが今、100%できるところを、準備としてやっているので、一戦必勝で、頑張っていきたい」
青栁博文 監督
「(夏の)悔しさを非常に感じながら、この春の大会を関東大会を勝つために準備をしてきたので、まずは(甲子園)初戦に向けて、しっかり準備をして、初戦に力を発揮できるように頑張っていきたいと思います」
いざ、初戦へ
健大高崎の初戦は6日目の第1試合、兵庫の報徳学園と対戦します。春2回、夏1回の優勝経験がある伝統校相手に、チームが心1つになって戦って欲しいと思います。