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群馬 高校野球 東京農大二高応援団 “大根踊り” 60年目の夏

  • 2022年07月12日

夏の全国高校野球群馬大会が9日、開幕しました。

熱い夏を戦うのは、選手たちであることはもちろんですが、スタンドの応援団も同じ思いで戦っています。

夏の甲子園に5回出場している東京農大二高の応援の名物は、大根を持って踊る「大根踊り」。ことしは、応援団設立から60年目の夏です。

(前橋放送局記者 田村華子/2022年7月取材)

応援がやりがい

大会の開幕を2日後に控えた今月7日。

東京農大二高の応援団は、吹奏楽部と最後の合同練習を行いました。

大根を高く掲げて踊る伝統の「大根踊り」に、いっそう力が入っていました。

東京農大二高 応援団団長 飯島理紗さん
「自分の応援で目の前にいる人が笑顔になってくれるのはうれしいし、やりがいを感じます」

大根踊り 初代団長の思い

甲子園でも披露された大根踊りは、系列の大学発祥。「青山ほとり」が正式名称です。得点をあげるたびに大根が掲げられます。

その歴史を知る人に出会いました。
東京農大二高応援団の初代団長、竹内健さんです。

竹内健さん

「つらい、楽しい、いっぱいありました」

ことし創立60年目の応援団。竹内さんは、大根を手に取るとよみがえる記憶と共に、今の団員たちにエールを送ります。

東京農大二高 応援団初代団長 竹内健さん
「おでんで食べることはありますけどね、大根を持つのは本当に久しぶりですよ。(応援団の)リーダーが出てきたら大根を持って“押忍!”と言って持つ。私たちの気持ちがここにあるんだよということを表しながら応援すべきだと思っています」

団員ゼロの危機乗り越えて

60年後の今、時代とともに応援団のあり方も変化しています。

新型コロナの感染拡大が始まった、おととし春には「団員ゼロ」の危機も迎えました。

その危機を救ったのが今の団長の飯島さん。東京農大二高の応援団が「大ファン」という父の後押しがあったからでした。

東京農大二高 応援団団長 飯島理紗さん
「先輩方が誰もいなかったので、何を学べばいいのかわからなかった」

ふだんは「口下手」だという飯島さん。それでも、その体をいっぱいに動かし、出せるかぎりの声を出して応援を続けました。

そんな、ひたむきな姿を見て、仲間が増え、今では8人になったのです。

3年生の団員 須藤唯名さん

「(飯島さんは)ふだんはすごい抜けているというか、でも、応援を始めるとすごいちゃんと一生懸命やるのですごく頼りがいのある子です」

1年生の団員 清水毬妃さん

「入学前からユーチューブで農二(東京農大二高)の応援団を見ていて、かっこいいなと思っていたんです。大変なこともあるけど、ほかの人たちを応援できていいなって思っています」

一体となって戦う

飯島さんたちの応援を受けて戦う野球部は13年ぶりの甲子園を目指しています。

東京農大二高 野球部主将 北本駿介選手
「農二の応援というのは、すごく大きいもので力になっています。ひとつひとつ勝って絶対優勝して甲子園に行きたいと思います」

東京農大二高は11日の1回戦に8対2で勝ちました。次は、15日、第2シードの高崎健康福祉大高崎との“強豪対決”となります。

選手が多くの得点を奪い、応援団が何度も大根を掲げ、グラウンドとスタンドが一体となった時。東京農大二高、久々の夢の舞台が現実に近づきます。

東京農大二高 応援団団長 飯島理紗さん
「野球部のみなさんが精一杯練習をしているので、力を発揮できるように、盛り上げるようにするためにも、応援団の自分たちが頑張って支えたいと思います」

「農大二高!ファイトー!」
  • 田村華子

    前橋放送局記者

    田村華子

    2021年入局。県警・司法を担当。通学路の安全や特殊詐欺の防止など視聴者に身近な話題を発信していきます。

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