高齢化で急増!「心不全パンデミック」ストレスも引き金に

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心不全100万人 さらに増加 「心不全パンデミックとは」

心不全パンデミック

日本の心不全の患者数は約100万人と推定されています。しかも高齢化に伴って2035年までさらに増加するとみられています。心不全の増加は世界的な問題で「心不全パンデミック」と呼ばれています。パンデミックとは「爆発的な流行」という意味です。

心不全のわかりやすい定義

心不全の定義

心不全は「心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気」です。心不全は深刻ですが十分理解されていないため、日本循環器学会と日本心不全学会がこのわかりやすい定義を2017年10月に新しく発表しました。

高齢化が影響 拡張不全が多数

心不全の観察研究から

東北地方で心不全の患者および予備群1万人以上を最長10年間にわたって観察してきた研究(第二次東北慢性心不全登録研究)があります。それをみても、高齢者の増加とともに心不全は明らかに増えています。

心不全が増加する理由としては、そもそも高齢者では心不全の原因になる心臓病が増えること、また、最近では心筋梗塞などを起こしても治療法の進歩によって救命され、のちに心不全で亡くなるケースが増えたことなどが考えられます。

さらに思いがけない事実も明らかになりました。心不全には、心臓の収縮が低下するタイプと拡張が不全になるタイプの2つがありますが、この研究で心不全と診断された人の約7割は拡張不全のタイプだったのです。また、拡張不全と診断された人には女性が多いことや高血圧の合併が多いこともわかりました。なお、拡張不全の心不全は、ちょっとした運動や興奮でも息切れなどの症状が起こりやすいことや、薬による治療が難しいことも知られています。

東日本大震災のストレスも心不全増加の引き金に

宮城県 7年前 心不全が急増

東日本大震災の後に心不全がおよそ3か月にわたって増えたことが、東北大学循環器内科が行った、宮城県における救急車の搬送記録などから報告されています。しかも、ストレスが心不全の引き金になったことも明らかになりました。心不全の人のアンケート調査から、PTSDと呼ばれるストレス障害を訴える人の割合が震災後に増えたことや、それが地震の揺れの激しかった地域などに特に目立つことがわかったのです。しかも、PTSDは心不全をはじめとする心臓病に明らかに影響していました。

(Eur Heart J. 2012;33:2796-803.  Circ J. 2013;77:490-93.  Circ J. 2015;79:664-7.)

『Q&A心不全』はこちら

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2018年4月号に詳しく掲載されています。

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