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第1276回
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平成29年2月17日(金)公表

日本放送協会第1276回経営委員会議事録
(平成29年1月31日開催分)

第1276回 経 営 委 員 会 議 事 録

<会 議 の 名 称>

第1276回経営委員会

 

<会 議 日 時>

平成29年1月31日(火)午後1時30分から午後4時15分まで

 

<出 席 者>

〔委  員〕

  石 原  進 本 田 勝 彦 井 伊 雅 子
    小 林 いずみ   佐 藤 友美子 堰 八 義 博
    中 島 尚 正   長谷川 三千子 宮 原 秀 夫
    森 下 俊 三   渡 邊 博 美  
  ◎委員長 ○委員長職務代行者(以下、「代行」という。)

 

〔役  員〕

  上 田 会 長 堂 元 副会長 木 田 専務理事
  森 永 技師長 今 井 専務理事 坂 本 理 事
  安 齋 理 事 根 本 理 事 松 原 理 事
  荒 木 理 事 黄 木 理 事 大 橋 理 事

 

 

<場   所>
放送センター  22階経営委員会室  21階役員会議室

 

<議   題>

 

付議事項

 

○ 副会長の任命の同意について

 

○ 監査委員会報告

 

1 委員長報告

 

2 視聴者のみなさまと語る会(近畿大学)開催報告(資料)

 

3 監査委員会報告

 

4 会長報告(資料)

 

5 報告事項

 (1) 平成28年度第3四半期業務報告(資料1)(資料2)

 (2) 視聴者対応報告(平成28年10〜12月)について(資料1)(資料2)

 (3) 平成29年度国内放送番組編成計画について(資料1)(資料2)

 (4) 平成29年度国際放送番組編成計画について(資料1)(資料2)

 (5) 平成29年度インターネットサービス実施計画について(資料1)(資料2)(資料3)

 (6) 平成28年度子会社の決算見通しについて(資料)

 (7) 契約・収納活動の状況(平成28年12月末)(資料)

 

6 その他事項

 (1) 営業関係データ(都道府県別12月末)について

 

 

議事経過

 

 石原委員長が開会を宣言し、経営委員会を開催。

 

○ 副会長の任命の同意について
 (石原委員長)
 本日は副会長の任命の同意についての議案を執行部より預かっていますので、上田会長より説明を受け、審議したいと思います。

 

<上田会長入室>

 

 (上田会長)
 それでは、私のほうから副会長の任命につきまして説明させていただきます。
 定款第38条3項の規定により、2月12日付で堂元光氏を副会長として任命いたしたく、ご同意を頂戴いたしたいと思います。
 現副会長も務めておりますので、堂元氏のことはご存じと思います。簡単に経歴に触れますと、昭和49年に早稲田大学法学部を卒業してNHKに入局すると同時に、北九州を振り出しに政治部を主に経験されています。平成17年4月に報道局長、それから18年に大阪放送局長に異動され、5年間、大阪の局長をやっております。その後、NHKの子会社であるNHKプラネットの最大の規模を誇っている組織が近畿にあるのですが、そこの支社長をお務めでした。皆さまご存じのように、平成26年2月から日本放送協会の副会長であります。
 私が堂元氏を副会長に再任したいという決断をしたのは、この3年間、私は経営委員、監査委員という立場で、堂元氏といろんな形でコミュニケーションする場があり、そういったコミュニケーションを通じて強み、弱みも含めてよく理解させてもらって、信頼をおけるということで、今後3年間会長をやる上で補佐していただくには一番適任だということで、任命したいという希望を持ったわけです。経営委員の皆さまにご理解いただいて、ご同意を頂戴できればと思います。よろしくお願いいたします。

 (石原委員長)

 本議案につきまして、上田会長から提案された副会長の任命について、同意するということでよろしいでしょうか。

 −異議なし−

 

 (石原委員長)

 本件は、原案どおり議決されました。

 

 (上田会長)
 この場を借りて報告させていただきます。
 1週間前に会長に就任したばかりなのですが、その間、随分時間がたったような気がしています。毎日時間に追われながら、何とかここまでやってきているわけですが、とりあえず短期、中期目標としましては、短期的には、ことしは何としてでも予算の全会一致での承認というものを国会でいただいて流れを変えたいというのがあり、すでに与党の自民党、公明党、それから衆議院の総務委員会でも答弁をしています。4月の役員人事でまたご同意を頂戴する必要があるのですけれども、現時点では、最低限担務を変更して、布陣を適材適所の形に変えたいと思います。
 現在、今井専務理事が経営企画統括とネット展開統括を担当されているのですが、やはりコンプライアンスというのはNHKで第一に考えなくてはいけない課題なので、今井さんの強みを生かし、コンプライアンス担当統括をやっていただいて、坂本理事に経営企画統括、ネット展開統括をやっていただくということで、体制を組み直したいと思います。
 短期的には予算の全会一致を求めるわけですが、ことしの課題の一つは来年度以降の経営計画を策定することです。この経営計画は環境の変化といいますか、通信と放送の融合の中で相当思い切ったいろんな手を打っていかなくてはいけない。したがって、そのためにはいろんな準備をしなくてはいけないということで、その準備の一つが民放との二元体制といいますか、民放とのチャネルづくりです。私が会長に就任してすぐ分かったことは、民放とのチャネルが途絶えていて、放送法の改正等に関して民放側から大変な反対意見が出ているということです。したがって、ここを修復したいと思っています。そういうことから、この担務の変更をご報告させていただきました。

 

<上田会長退室>

 

○ 監査委員会報告
 前回の経営委員会で報告を受けた「職員の不祥事」の処分および再発防止策等について、森下監査委員より報告がなされた。

 

<会長、副会長、専務理事、技師長、理事入室>

 

1 委員長報告

 (石原委員長)

 本日、合同会議の前に開催した経営委員会において、2月12日付での副会長の任命の同意について上田会長から提案があり、審議した結果、全会一致で堂元氏を副会長に任命することに同意いたしました。
 以上、ご報告いたします。
 次に、1月25日付で就任した上田会長よりご挨拶をいただきたいと思います。
 (上田会長)
 先週水曜日、1月25日に会長に就任いたしました。引き続き、経営委員の皆さまにはご指導賜りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 1月25日に就任すると同時に、職員に対して、地方の職員にはテレビを通じてメッセージを伝えると同時に、関連の子会社の社長、それから記者会見、夜のNHKの総合テレビの2分間時間を頂戴して視聴者の皆さまにもご挨拶させていただきました。先ほど同意をしていただきました堂元副会長、それから専務理事、理事と一丸となって、特に私は冒頭から申し上げているのですが、コンセンサス経営といいますか、最終的には独任制をとっていますので私が責任をとって決めていきたいと思いますが、まずはコミュニケーションを密にして役員12人が一体となってNHKの経営に当たっていきたいと考えています。
 経営委員、監査委員としての3年半の経験の優位性を生かして、初日から全力疾走というお話をさせていただいたのですが、まさにこの1週間は分刻み、というと大げさかもしれませんが、与党内等での予算審議も開始され、慌ただしい毎日を送っております。
 そのような忙しい毎日でありますが、その中でやらなくてはいけないことはしっかりとやっていくということで、まずは3月末までにNHK予算の全会一致での承認を求めるべく、与野党の皆さまに説明責任をしっかり果たしていきたいということで、国会議員の先生方にご挨拶に伺いました。そういうことで、まずは全会一致での予算の承認を目指します。
 それから、ことしは経営計画の見直し時期に当たっています。その経営計画も、通常の経営計画というよりも、私の認識では通信と放送の融合という本当に大きくパラダイムシフトといいますか、世の中が変わってしまう時期であります。この前、アメリカに行ってABC Newsやワシントンポストを訪ねてもそう思ったのですが、通信の世界になりますと、放送のように限られた電波ではなく大海原での競争ということになります。その中で受信料を頂戴するというのは、私は役員のみんなにも危機感を共有するように初日から言っているのですが、視聴者の方々に本当にそれを理解してもらうということは、そうたやすいものじゃないと思っています。無料の情報が飛び交っています。その中でわれわれの情報は受信料を頂戴するのだということを、本当に心から理解していただくということは並大抵なことではない。そのあたりをしっかりと対応していきたいと思っています。そのためにはNHKの中で独断と偏見に陥ることなく、外のご意見をしっかりと聞くということで、ずっとペンディングになっていたのですが、NHK受信料制度等検討委員会というものを立ち上げます。第三者の意見も聞きながら、かつやはり今までの放送業界が民放キー局5社とNHK、それと地方の民放があるわけですが、この体制の中で日本の場合はやってきた。今後、通信の世界に入っていくときに放送業界からどういう形で通信に入っていくかというのは極めて難しい問題です。
 その中で、民放はNHK以上にこの通信との融合の危機感を共有しているわけです。デジタル化が進み、4K・8Kがあって、次にインターネットと、どうやってビジネスモデルを構築して経営として成り立つようにしていったらいいのかということを非常に悩んでいます。したがって、NHKの一挙手一投足といいますか、例えばネットフリックス等で「東京裁判」を流す。吉本でつくった「火花」をNHKで放送するということも注目されています。
 したがって、やはりお互いがどういう戦略でいくのかということを、コミュニケーションを通じて一緒にやれるところはないのか、私はこの二元体制はしっかりとリスクペクトしながらやっていきたいと思っています。どうやったら通信と放送の融合の中に放送業界が民放も含めてうまく足場を築き、相互にしっかりとした日本独特の放送・通信の体系を築いていくかということをしっかりと議論し、そういうことを踏まえて経営計画を秋から暮れにかけて皆さまにお示しして、皆さまのご意見を伺いながら、しっかり向こう3年、オリンピック、その先を見据えたNHKの方向感というものを示していきたいと思っています。またいろいろご指導、ご鞭撻賜りたいと思います。よろしくお願いします。
 (石原委員長)
 ありがとうございました。経営委員会としても会長以下、執行部の皆さんとコミュニケーションを図りながら職責を果たしていきたいと思います。よろしくお願いします。

 

 本日の付議事項および日程について説明。第1275回(平成29年1月17日開催)の議事録および第1271回(平成28年11月8日開催)から第1274回(平成28年12月20日開催分)までの「平成29年度収支予算、事業計画及び資金計画」関連の議事録を承認し、所要の手続きを経て、平成29年2月3日に公表することを決定した。

 

 

2 視聴者のみなさまと語る会(近畿大学)開催報告(資料)

 (歌川経営委員会事務局長)
 平成28年度、6回目の実施となりました「語る会」は、12月2日金曜日、対象を大学生、大学院生に限定した企画型の会として、大阪府東大阪市の近畿大学で開催しました。
 登壇は、経営委員会から上田委員、佐藤委員、森下委員の3名。執行部から坂本理事、黄木理事、大橋理事の3名を加えた合計6名で、司会は、住田功一アナウンサーでした。
 公募の結果、ホームページなどを通じて74名の方から参加の申し込みがあり、そのうち70名の方が参加されました。
 「語る会」終了後には、「スポーツ中継の舞台裏」と題して、三瓶宏志アナウンサーによる講演会を開催しました。
 概要や反響等については、報告書の1〜2ページに記載しています。
 冒頭、協会の基本方針や重要事項の説明として、佐藤委員から経営委員会の役割などを説明後、「インターネットサービスの取り組み」について説明しました。その内容は3〜6ページに記載しています。
 意見聴取は、参加者を3つのグループに分けたグループディスカッションを中心に行い、「公共放送NHKはどうあるべきか」「公共放送の財源『受信料』について」などをテーマに実施しました。
 参加者からは、「若い世代の接触率向上に向けた取り組み」「公共放送の役割」「受信料制度の理解促進」「インターネット配信の拡充」など、多岐にわたる意見や提言が寄せられました。これらは7ページ以降に掲載しています。
 終了後の参加者当日アンケートの結果とアンケートに記された具体的内容は54ページ以降に記載しています。

 

 

3 監査委員会報告

 (森下委員)

 放送法に規定されている監査委員会が選定する選定監査委員について報告します。
 1月17日開催の経営委員会におきまして、新たに本田委員が監査委員に任命されましたので、1月30日開催の監査委員会において、放送法に規定されている調査権、報告徴収権、並びに経営委員会への報告義務を持つ選定監査委員として本田委員を選定しました。その結果、これまでの佐藤委員、森下に加え、本田委員の3名が選定監査委員となります。

 

 

4 会長報告(資料)

 (上田会長)
 前回の経営委員会で職員不祥事事案2件の概要と今後の対応について報告しましたが、その後決定した処分と再発防止策につきまして、コンプライアンス担当の坂本理事から報告します。
 (坂本理事)
 横浜局および福島局で起きました2件の不祥事につきましては、それぞれの事案で本人および関係者を処分するとともに再発防止策を策定し、今月20日に公表しております。
 まず、横浜局の職員による着服についてです。横浜局営業部の40代の男性職員が前払いの受信契約を解約した際、支払い済みの受信料を返金する受信料の返戻手続きを悪用し、51万円余りを着服していた件です。当該職員は去年10月に死亡しております。不正が行われていたのは、おととし5月から去年8月までの間で、被害額は11件、合わせて51万224円です。すべて架空の伝票を使った不正だったため、お客さまに返すべきものが返されなかったというものではありませんでした。NHKは職員を懲戒処分する際に、公金の不正に関するものは公表すると定めておりますが、今回は職員が死亡したため調査が進まなくなったこと、また死亡の場合は懲戒処分を行うことができないことから、不正が発覚した10月の時点では公表には至りませんでした。しかし、本人が死亡していなければ懲戒処分に該当する案件であり、視聴者の皆さまへの説明の観点などから今月10日に概要を公表したところであります。
 去年10月に本件を把握していながら公表しなかったことは、国民、視聴者の信頼を損なうものだというご指摘は真摯に受け止めております。今後、悪質な事案につきましては、懲戒処分を行う前の段階や懲戒処分を行えない場合であっても公表することがあるものとするということを明文化し、今月25日にホームページ上で公表しております。今後、規程として整備します。
 次に処分についてであります。管理・監督責任による処分を10人に対して行いました。訓告が横浜局営業部長など、厳重注意が本部営業局長や横浜局長などです。
 続いて、福島局の記者によるタクシー券の不正使用等についてです。福島局の20代の男性記者がおととし7月から去年9月までの間、緊急性がなくタクシー使用が認められていないのに、150回にわたり不正にタクシーを使用したほか、おととし4月から去年9月にかけて、勤務実態がない早朝深夜の手当を申請するなど、不正な勤務処理を24件行っていました。不正なタクシー使用額は17万4,180円、不正に受給した手当は7万2,660円、合わせて24万6,840円です。記者は全額を戻入しております。
 処分についてです。この記者は停職2か月の処分。また、管理・監督を行っていた上司の処分も行いました。さいたま局記者のタクシー券不正使用を受けて去年2月以降実施した全国調査の際、福島局はマニュアルどおり局内調査を行わず不正を発見できないなど、業務プロセスの統制が極めて不十分でありました。管理職の責任は重く、10人について出勤停止や減給、譴責などの処分にしています。
 続いて、再発防止策です。まず、横浜局の職員による着服を受けた対応であります。今回の着服では受信料の返戻処理が悪用されたことから、過去2年間の全国の返金データおよそ190万件を調査しました。この調査結果ですけれども、この事案以外には不正な返戻処理はありませんでした。この結果につきましては、本日、ホームページ上で公表しております。
 次に再発防止策です。まず、返金処理のルールを変更いたします。これまでお客さまの指定する口座に振り込んでいましたが、返金先を契約者本人か振替実績のある家族などの口座名義に限定します。返金手続きの審査も強化します。返金伝票の様式を変更し、確認する項目ごとにチェック欄を設け審査を徹底するようにします。また、返金の妥当性を証明する書類の審査体制を強化し、複数の管理者が確認する仕組みとします。さらに本部一括して定期的に不正をチェックする仕組みを新たに設けます。
 次のページです。福島局のタクシー不正使用を受けた対応です。福島局以外の全国52の放送局につきまして、去年行った全国調査が適切に行われていたのか、また、現在、タクシー券のチェックが適正に行われているか緊急に調査をしました。その結果、ほかの放送局では不正な使用がなかったことを確認しました。
 再発防止策です。まずはタクシー券をチェックするための具体的なマニュアルを全国共通で整備して、すべてのタクシー券を対象にチェックを徹底します。そして、チェックの実施記録も作成します。ダブルチェック機能を強化します。地域局に対しては拠点局が、拠点局に対しては本部がタクシーの使用管理状況を検査する新たな定期検査を実施します。さらに職員全員への再発防止策の徹底です。緊急の勉強会、研修に加え、個別の指導も各職場で繰り返し全員に徹底を図ります。また、新たにタクシー問題適正化推進委員会を設置し、再発防止に向けた具体的な施策を継続的に推進します。また、現在、一部の部局で導入しておりますタクシー券にかわるカードを使った電子決済システムの利用についても早急に検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上のような施策を打ちまして、再発防止に努めていきたいと考えております。なお、横浜局の職員による着服につきましては、総務省から厳重注意を受けており、きのう、原因および経緯と再発防止策について報告をしたところです。
 それから、もう一つ別な案件ですけれども、大津局の職員が元妻との訴訟に関連して、元妻の代理人の弁護士を脅した脅迫の疑いで、きのう、京都府警の伏見警察署に逮捕されています。業務外とはいえ、職員が逮捕されたことは遺憾であります。今後、調査した上で、適切に対処いたします。以上、ご報告申し上げます。

 (長谷川委員)

 再発防止についてお伺いします。タクシー券のほうについてはチェック機能ということと、それから職員の意識をしっかり徹底させるという、2本柱でしっかりとなさっていらっしゃるということで、非常にいいと思います。一方、横浜局のケースに関しては、チェック機能の強化という話が主体で、職員の側に関連した取り組みについては語られていませんね。こういう不祥事というのは、システムの問題であると同時に、やはり職員のメンタルケア、あるいは人生相談、法律相談と言いますか、そういったケアによって、少しは防げる部分もあるのではないかと思うのですが。過去の不祥事のケースを分析して、それに対処できるような相談システムを作るという方法を考えてもいいのではないかという気がしますが、それはもうすでにいろいろなさっていらっしゃるのでしょうか。

 (坂本理事)

 メンタルの相談ということですか。

 (長谷川委員)

 メンタルあるいはファイナンシャルの両方、いろいろ総合的によろず相談ができるようなところ、と考えているのですが。再発防止としてはこうなる前にここに来てくださいというような窓口があったらいいかなという気がするのです。

 (坂本理事)

 さまざまな相談窓口は設けておりますけれども、今回の横浜の事案は不正を行った者が対処すべきと理解しています。

 (根本理事)

 1つの人事、労務施策でもあるのですが、ふだんからストレスチェックを定期的に行えるように、ネットを通じての相談、診療所でも委託契約で2名の精神科医の方に来ていただいて、相談の日を設けています。ですので、ふだん何か心的に疲れがあるとか、ちょっと行動がおかしいときにはそこに相談に行ったり、自分でチェックしたりするというシステムは入れております。ただ、今回の事案でこういう方がそういうところを受けてくれるのかどうかはわかりません。

 それからもう一つは、処分をした方についても今、弁護士意見などを入れ、場合によってはやはりメンタルの面で問題があるのではないかと思われる人については、相談に行くように勧めたりとかということはしようと試みております。

 (長谷川委員)

 わかりました。そのあたりもできることはすべてやっている状況なわけですね。ありがとうございます。

 (松原理事)

 横浜の案件について、チェックの強化がすべてといったご指摘がありましたが、この再発防止の中で、一番のポイントは返金手続きのルールを変更するということです。お客さまには若干不便をかける部分があるかもしれないのですが、返金口座を契約者本人名義あるいは、従来の振替口座の名義等に限定するというところで、他人に返金することがないようにするというのが一番大きな仕組みの変更になっています。それと毎月、返金データをシステム的にチェックをするということと含めて、トータルとしての再発防止に努めていきます。チェック体制も当然強化しますが、それ以外の再発防止策も実施するとご理解いただきたいと思います。

 (長谷川委員)

 はい、そこのところは、抜本的な改革をなさって、非常によかったと思います。

 (中島委員)

 ストレスチェックですが、学校では、ストレスが教職員はもちろん、生徒、それから保護者にも影響を及ぼすことから、相当な実施率で運用されています。強制はできないかもしれませんが、勧めることを考えてもいいと思います。

 (根本理事)

 先ほど言いましたように、ストレスチェックにつきましては、職員に対して一斉にメールで受けるようにというお知らせは出しておりまして、それにおいてなるべく皆さんにやっていただくという形はとっております。

 (中島委員)

 受診率は何パーセントくらいですか。

 (根本理事)

 受診率については、ちょっと今はわかりません。

 (中島委員)

 そういうことは把握しておく必要があるのではないでしょうか。

 (根本理事)

 ほとんどの職員にやってもらっているはずなのですが、ちょっと今手もとに資料がなくて申しわけございません。

 (中島委員)

 問題の対象者がそういうところを受けないで、敬遠するという風潮があるかもしれません。

 (根本理事)

 ご指摘のところは確認してみます。

 (堰八委員)

 きょうの会長説明、坂本理事から説明のあった、この報告の中に直接書いてあることではないのですが、記者発表で処分の発表を坂本理事が実施されたときに、記者とのやりとりの中で退職金はどうするのですかという質問があったときに、坂本理事が、死亡した場合は懲戒処分は行うことができないが、NHKの規程では死亡退職金は支払うこととなっていますと、こういうお答えをされています。そのことについて聞きたいのですが、お亡くなりになられた背景は残念なことだしお気の毒なのですが、この間も申し上げましたが、金額の多寡ではなく、今回51万円ですけれども、これが仮に5,000万円というか、数千万や億単位のものであってもそうなのでしょうか。これは51万円であろうが金額に関係なく、残念ながら業務上横領、犯罪です。当該者が11件51万円を着服したところは確定しているわけですから、そういう方に対して退職金をそのまま払っていいかという議論はあると思うのです。最終的にそれを吟味しないで、そのまま規程に基づいて満額の退職金をお支払いするということは、私はいかがなものかなと思います。そこは少し検討の余地があるのではないでしょうか。今回は該当者が亡くなっているのでそうはなりませんが、一般的にこのような公金横領事件は、場合によっては会社側が刑事告発するというケースもあります。この場合、最終的に弁済されたりする場合には、その情状酌量とか刑が軽減されるのかもしれませんが、やはり金額によっては弁済しようとしまいと刑事告発をしなければならないという判断も起きる場合もあるわけです。その辺も含めて、退職金をそのままストレートに、残念ながら業務上横領した人に払っていいものかどうかという考え方について、今の規程も含めてお答えください。

 (坂本理事)

 ご指摘の点ですが、現行制度上、退職手当については支給せざるを得ないという形に今なっているわけです。しかし今回の事態を踏まえて、今後どういうことを見直しできるかということをわれわれとしても今検討に入ったところです。その他の組織の例がどうなっているのか、ご指摘のような制度があるとも聞いていますので、参考にしながら対処していきたいと思っています。いずれにしても懲戒制度の見直しは喫緊の課題だと受け止めていますので、具体的に取り組んでまいりたいと考えています。

 (堰八委員)

 よろしくお願いします。

 (森下委員)

 監査委員会として今後の対応について申し上げます。2つの不祥事案の再発防止策については、全放送局、全職員にきちんと理解をさせる。それを実際に機能させていくということが課題であります。管理を厳格にするとともに、コンプライアンスの徹底を職員一人一人の意識に浸透させていかなければなりません。特にタクシー券の不正使用については、さいたま局記者の事案後、全国で適正使用の強化の取り組みを進めていた最中の出来事だけに、監査委員会としても重く受け止めています。打ち出した再発防止策が日常の業務プロセスにきちんと組み込まれ実行されていくのか、執行部の今後の対応を厳しく注視していきます。不祥事等の公表については、公表の遅れが視聴者、国民の信頼を著しく損なうものであることを重く受け止め、執行部が新たに定めた公表方針に従って適時適切に事案の公表について判断していくことを注視していきます。

 (上田会長)

 今、監査委員会からご指摘いただいたことを重く受け止めて、私のほうでもコンプライアンス第一ということで、今もう一度実効性の上がるような形でのコンプライアンスのあり方というものを考えていきたいと思います。そのルール、チェックもそうですし、それから長谷川委員からご指摘がありましたが、やはり職業倫理。それから、私は就任の当日もお話ししたのですが、やはり周りで働いている人に対して関心を持つというか、やはりそういうのも非常に小さなことですけれども、やはり周りで働いている人が何か変だったら気づくという、そういったことも含めて、基本的なNHKの職員としての意識が重要です。先ほど大津の話が出ましたけれども、やはりNHKの職員であるがためにそういうプライベートというか離婚上のいろんなやりとりの中のこともきょうも大きく報道されたわけでして、そういった点でやはりNHK職員としての自覚というのが非常に大切だと思います。今後、根絶はなかなか難しいかもしれませんけれども、少しでもそのあたり不祥事の発生を抑えるべく最善の工夫をしながら努力していきたいと思いますので、またアドバイスを頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。

 (小林委員)

 福島のタクシーの不正使用に関してお伺いします。タクシー券の不正使用については対応策等も策定していただいているのですが、この報告書を読みますと、さらっと「勤務実態がないのに早朝深夜の手当を申請するなど不正の勤務処理を24件行っていた」とあるのですが、これに関しては説明をいただいていないかと思うのですが、このあたりはどういうことだったのでしょうか。

 (坂本理事)

 例えば、午前7時前に早目に出てきて仕事をするという場合は早朝という形になりますけど、実際はもう少し後の時間だったけれども、それを7時前に早朝から仕事をしたという形を装っていたということです。それぞれの職場での勤務の設定の仕方、それから入力のところも含めて、管理職によるチェックというところを、まずは徹底すると。もちろん記者といいますか、職員一人一人がまず自覚を持って自分の働く時間についてはきちんと自己管理するのが大原則であります。管理も含めてトータルとして進めていくということをさらに徹底していきたいと思います。

 (石原委員長)

 4ページの最後のところに、「タクシー券に代わるカードを使った電子決済システム利用拡大に向けた検討を想定」とあります。これは早くやったらいいと思います。他メディアでも実績があり、不正防止に有効だと思います。

 (坂本理事)

 できるだけ新年度中にきちんと着手できるように進めているところです。

 (石原委員長)

 それでは、私のほうからコメントを申し上げます。

 ただいま執行部より、今回の不祥事に関する報告と新たな公表方針を伺いましたが、それらを実効あるものとすることが大切です。監査委員会とも連携しながら、その状況を注視していきたいと思います。以上です。

 

 

5 報告事項

 (1) 平成28年度第3四半期業務報告(資料1)(資料2)

 (今井専務理事)

 それでは、平成28年度第3四半期の業務報告をいたします。
 今期の特徴は、2020年を見据えたNHKビジョンの実現に向けて4K・8K放送やインターネットの活用、あるいはまた東京オリンピック・パラリンピックに向けた取り組みなど具体的な取り組みを大きく前進させたということです。それでは、お手もとの冊子を使って主なポイントについてご説明いたします。
 まず、3ページ上段網かけの部分、今期の総括をご覧いただきたいと思います。10月に、総務省に対しまして4Kおよび8Kによる実用放送を2018年に開始するための業務の認定申請を実施しました。11月から12月にかけては、総合テレビと教育テレビのインターネット同時配信の実験を行いました。その際には、番組を放送後にも視聴できる見逃し配信実験を実施して課題の検証を行いました。また、10月には、「2020東京オリンピック・パラリンピック実施本部」を設置して、2020年東京に向けた推進体制の強化に着手しました。放送では、アメリカ大統領選挙やパナマ文書の実態など世界や日本の課題を伝える際に、データジャーナリズムや調査報道の手法を活用して、独自の分析やわかりやすい解説を加えた報道に努めました。多くの番組で幅広い視聴者層に見てもらう工夫を行っており、一定の成果も出てきております。引き続き、59歳以下の現役世代を中心に関心を持っていただけるような編成や番組を開発してまいります。国際放送のNHKワールドTVでは、熊本地震から半年となる10月、九州の関連番組を集中編成したほか、ニュース番組では九州各地の放送局と連携してキャスターが現地から中継を実施し、現地の最新情報や復興に向けた取り組みなどを世界に発信しました。受信料収入ですが、第3四半期までで契約総数と衛星契約がともに進捗率90%を超え、支払率80%、衛星契約割合50%の目標達成に向け堅調に推移しております。グループ経営の推進に関しては、関連団体の業務の把握を進め、NHK取引や自主事業に関する課題解決に向けて検討を行っているところです。
 次に、今期の主な取り組みの中から幾つかのポイントについてご説明します。
 まず、「重点方針1. 判断のよりどころとなる正確な報道、豊かで多彩なコンテンツを充実」についてです。大河ドラマ「真田丸」は、年間の平均世帯視聴率が、総合テレビで16.6%、日曜日午後6時から放送しているBSプレミアムで4.7%でした。BSプレミアムの放送は、これまで同時間帯で放送した大河ドラマの中では最もよく見られました。「NHK紅白歌合戦」は、伝統を踏襲しながら美術セットや番組演出に新しい試みを行い、例年に比べて女性40代によく見てもらいました。
 次に、その下、「重点方針2. 日本を世界に積極的に発信」についてです。国際発信は、北米とアジアを重点地域と位置づけて充実強化を図っております。今期は日本とシンガポールの国交樹立50周年に関連したイベントなどの機会に、どーもくんのステージショーや広告などによりNHKワールドTVの大規模なプロモーションを行いました。
 「重点方針3. 新たな可能性を開く放送・サービスを創造」についてです。インターネットでは、国民生活や社会全体に大きな影響を及ぼす内容のニュースをテレビ放送と同時に随時発信しています。第3四半期の間には鳥取で震度6弱、アメリカ大統領選、福島など震度5弱、日露首脳会談、総理大臣真珠湾訪問、茨城県の震度6弱などでニュースを配信しました。
 「重点方針4. 受信料の公平負担の徹底に向け、最大限努力」についてです。11月末に衛星契約数が2,000万件を突破し、平成元年の衛星放送有料化から28年かけて積み上げてきた活動の節目となりました。訪問要員の対応、品質向上に向けた教育用DVDの製作や大規模な集合研修などを実施して、営業活動の質の向上にも取り組んでいるところです。
 「重点方針5. 創造と効率を追求する、最適な組織に改革」についてです。ダイバーシティ推進に向けたさまざまな研修を実施しました。先進的な取り組みを行う事業から講師を招いて経営研修を行ったり、女性職員を対象とした異業種交流研修やキャリアデザイン研修を実施したりして、よりよい職場環境の実現に向けて取り組みを進めました。
 収支状況についてです。12月末の収支の状況は、事業収入が5,306億円、予算に対する進捗率は75.6%でした。事業支出は5,007億円、進捗率は72.2%となっております。以上が概況です。
 続きまして、5ページと6ページですが、今期は5つの重点方針の達成状況を図る世論調査は行っていません。参考までに7月に実施した世論調査の結果を掲載しております。
 7ページから22ページまでは、5つの重点方針ごとの達成状況についてさらに詳しく掲載をしています。後ほどご覧いただければと思います。
 それから、24、25ページに放送、インターネット、録画視聴などさまざまな形でのNHKのコンテンツへの接触の状況、質や量の評価、いわゆるトータルリーチについて記載しています。総合テレビなどの質的10指標は、ご覧のように前期とほぼ変わりません。一方で、週間リーチや世帯視聴率は、オリンピック等のあった前期までを下回っております。59歳以下の接触の減少を食い止めるためにも、若年層に効果的にリーチできるコンテンツや手法を採択して視聴者層を拡大することが課題だと考えております。
 26ページ、国際放送の状況です。今回はワシントンD.C.、ニューヨーク市、タイ、インドネシア、シンガポール、イギリス、フランスの7カ所で調査を実施しました。まず、3か月以内に国際放送への接触があり、NHKのテレビチャンネルにおける視聴経験のある人、これを国際放送リーチ者と言っておりますが、この国際放送リーチ者については、ご覧のように大きな変化はございません。リーチ者のほうが日本についての理解度が高い傾向もこれまでどおりです。なお、フランスでは赤丸がついておりますが、認知率が低下しており、今後も各種施策を進めることで認知率の向上を目指していきたいと考えております。

 

 (2) 視聴者対応報告(平成28年10〜12月)について(資料1)(資料2)

 (坂本理事)

 放送法第27条に定める視聴者対応の状況について、平成28年度10月から12月分、3か月分を取りまとめています。放送法第39条第3項の規定に基づき報告をいたします。
 この期間の視聴者の総数は、10月が33万2,967件、11月が32万6,893件、12月が31万9,732件です。前年の同時期と比べて全体として5%多くなっております。紅白歌合戦あるいは大河ドラマ「真田丸」に大きな反響が寄せられております。
 それでは、視聴者対応報告の資料で、まず10月分のところをお開きください。2ページです。
 まず最初は、NHKスペシャル「マネー・ワールド 資本主義の未来」です。これは3回にわたって放送しています。資本主義経済に異変が相次ぎました。世界の未来を探るシリーズで、司会は爆笑問題のお二人でした。500件を超える反響をいただいております。右下の棒グラフをご覧ください。男性60代、70代からの反響が目立ち、56%に上っています。司会者につきましては、「難しい問題に関心の持てるよう伝えていた」というお声がある一方で、「経済番組にお笑い芸人は合わない」という意見も寄せられております。また、「国ごとに経済状況をもっと比較して伝えてほしい」という要望もありました。それから、隣の3ページの下の番組担当者の声というところです。今回から、視聴者から寄せられたさまざまなご意見、ご要望を担当の者に返しまして、それを今後、説明責任も果たしながらどう番組に生かすかというところを記載しています。ご意見をいただいた爆笑問題の司会につきましては、意外性や形式にとらわれない大胆な視点ということで、資本主義という難しい経済問題のことをわかりやすく考えてもらいたいという、そういうきっかけにしたいということで起用したということです。種々いただいたご意見につきましては、貴重なご意見として今後の番組制作に反映させていただくということで、双方向のやりとりを行っております。
 11月分の20ページ、アメリカ大統領選挙です。11月9日が投開票でしたけれども、ご覧のように、9日の開票速報が最も反響が寄せられております。選挙後もトランプショックという形でのNHKスペシャルを放送しております。総理大臣との会談などのニュースも伝えています。全体としての反響は3,035件であります。最も多かったのが9日の開票速報で、「クリントンのほうが優勢で、トランプ氏が劣勢のように報道したことを反省すべきではないか」という厳しい声が寄せられております。また、「開票速報の中で選挙人の獲得のところについては、画面下の表示が非常にわかりやすかった」という声もいただいております。12日の「NHKスペシャル」には267件のお声が寄せられました。「国際情勢の激動ぶりがわかった」というお声も寄せられております。
 26ページに進んでいただければと思います。非常に若者に反響のあった番組でして、「シンフォニック・ゲーマーズ〜僕らを駆り立てる冒険の調べ〜」ということで、ゲーム音楽を伝えた番組です。BSプレミアムで放送しました。この円グラフにありますとおり、20代以下からの反響が54.6%で、NHKの番組でこれだけ若い人が見ていただけるというのは極めて珍しく、これまでにない手応えというか反響をいただいております。ゲーム音楽をテーマに、専門のオーケストラの迫力ある演奏で、ゲーム映像を交えて放送しております。229件の反響があり、20代以下が過半数、30代と合わせますと7割が若い人たちの反響ということです。再放送の希望、あるいは総合テレビの放送等非常に反響をいただいております。要望を受けて、年末にBSで再放送しております。
 12月にまいります。36ページ「紅白歌合戦」です。当日大みそかは、ふれあいセンターの受付時間を午前0時まで延長して視聴者の対応を行っております。一番下の棒グラフをご覧ください。全体として6,098件ということで、6,000件を超える反響がありました。好評意見は前回よりも31%増加していますが、一方、厳しい意見のほうも倍増しまして、ほとんどが審査方法についてで2,700件という厳しい声が寄せられました。「放送で出ているところでは白組有利ではないか」。結果は赤組が優勝したわけですが、それについての問い合わせ等が寄せられたということです。37ページをご覧ください。メールの反響は、前回に比べて4倍に増えております。視聴者の声としては、「演出も目新しく、最後まで見た」という声や、先ほど言いましたように「審査がわかりづらかった」というようなことで、「投票に本当に意味があるのか」というようなことも寄せられております。それから、「タモリさんとマツコさんがとてもよい味を出していた」、「武田アナウンサーの登場はよかった」ということ、あるいは「シン・ゴジラのところでL字の表示が出て、本当に緊急ニュースがあるんじゃないかと驚いた」というご指摘も受けております。12月はもう一つ、大河ドラマ「真田丸」、39ページをご覧ください。1年間通して1万7,172件と大変大きな反響をいただきました。幅広い世代から、特に女性の好評意見が目立ちました。40ページの上の棒グラフです。最近の大河ドラマと比較したデータであります。好評意見は4,800件ということで、非常に多くいただいております。好評意見のうちメールが大半を占めております。39ページのところにありますが、最初のころは、演出等で厳しい意見がありましたけれども、徐々に好評意見が増えてきて、2月末あたりからネットで非常に反響があり、好評意見が全体として増えてきております。それから41ページ、ツイート数の件数をまとめたものですけれども、5万件を超え前の作品に比べて圧倒的にツイート数が増えているということです。この辺は、番組あるいは広報担当のネットを意識した情報発信の成果が出ているのではないかと見ております。
 前に戻っていただきまして、13ページです。視聴者の指摘、ご意見、要望にどう対応したかということです。最初は、新潟県の柏崎市で起きた交通死亡事故ですが、視聴者の指摘で警察の発表が間違いであったということがわかり、最初は警察の発表では、軽ワゴン車が国道を逆走して乗用車と正面衝突し、運転手2人が死亡したということでしたが、県内の視聴者からふれあいセンターに電話が入り、「9時ごろ現場にいたけど、逆走したのは軽ワゴン車ではない」という情報がありました。それを受けて新潟局で改めて警察に取材、情報を確認したところ、逆走したのは乗用車という逆の発表内容に警察が訂正しました。こうした視聴者との情報のやりとりで正しいニュースを迅速に伝えることができたということであります。
 47ページです。スポーツ中継でサービスを拡充しております。2019年のラグビーのワールドカップの開催を控え、ラグビーのルールやプレーがよくわからないという問い合わせも増えております。そういった中で、現役の選手あるいはOBの方がメールやツイッターでさまざまな疑問を解く「“もっと”ラグビー」というのを去年から始めております。つい先日のラグビー日本選手権でも行っているところです。また、高校駅伝、都道府県対抗の男子・女子の駅伝などでもホームページあるいはスマートフォンで現地の映像をさらに増やしてライブストリームを実施したということです。多角的あるいは多彩な演出ということで、それぞれのスポーツの魅力を伝えております。
 46ページ、国際放送への反響であります。アメリカの大統領選挙につきましては、選挙後も多くの反響が寄せられております。さらに、12月の安倍総理の真珠湾訪問、プーチン大統領との日露首脳会談、トランプ次期大統領の関連ニュースということが注目されていますが、随時詳しい内容を伝えていたということを評価する意見が出ております。それから、番組のほうですが、去年の7月から幕内の取組をダイジェストで紹介する「GRAND SUMO Highlights」を放送しており、これについても内外から相当の意見が寄せられているところです。
 48ページ、誤記・誤読の対応です。誤読、テロップのミスなどをまとめたものでありますけど、この期間は249件です。いつも指摘を受けることでありますが、真ん中に「鶴瓶の家族に乾杯」があります。「ひとだんらく」ではなくて「いちだんらく」、それから、その下のほうの「たにんごと」ではなく「ひとごと」と、こういうところの誤読があるということです。こういったところについては、正しい用語を徹底するように課題を確認しているところであります。
 もう一つ最後に、経営に寄せられたふれあいセンターの意見、問い合わせです。10月が180件、11月が160件、12月は387件となっております。12月の件数が多かったのは、会長選考、新会長に関連した意見や問い合わせなどです。以上、ご報告申し上げます。

 (長谷川委員)

 43ページに、具体的に東京裁判の番組についての好評意見、厳しい意見があって、そこに20代男性の「オリジナルの音声をお願いしたい」の次に「英語の放送を望む声7件」とあるのですが、これは恐らく国際放送でもやってくれという意味合いを込めているのではないかという気がするのですが、これはすでに国際放送でも放映しているのでしょうか。

 (木田専務理事)

 国際放送では放映していません。

 (長谷川委員)

 計画はあるのでしょうか。

 (木田専務理事)

 この番組は国際共同制作で、カナダとオランダのプロダクションと共同制作しているのですが、カナダのプロダクションを通じてネットフリックスが全世界に配信しております。

 (長谷川委員)

 もうすでに配信されているのでしょうか。

 (木田専務理事)

 それはもちろんです。英語で、あるいは現地に合わせた言語で配信しているのですが、その関係もあり、国際放送で放送するというのは今のところ考えていません。

 (長谷川委員)

 なるほど、もうすでに実質的に海外発信されているわけですね。了解です。

 (森下委員)

 47ページのスポーツ中継での視聴者参加、副音声の使い方です。私はネットとの連携を非常に関心を持って見ているのですが、やはり若い人たちにできるだけテレビを見てもらおうとすると、こういった連携が大事だと思います。そういった意味では、こういった副音声の使い方というのは非常におもしろいと思います。ラグビーの試合の放送中にメールやツイッターで入ってきた質問を、すぐそこで解説するというときに、画面上には「これについての質問はメールでください」という表示が出るのですか。テレビ中継を見ていて、質問があったらすぐメールを送ろうと思ったとき、すぐにわかるのでしょうか。

 (坂本理事)

 最初に告知ということで表示しております。

 (森下委員)

 放送中、常に下にテロップ等は出ていないのですか。

 (坂本理事)

 そうです。

 (森下委員)

 そうですか。できるだけわかりやすくお願いします。これは、ラグビーだけではなくて、やはりネットとの連携という意味では、こういう副音声の使い方というのは非常にいいと思います。いろいろなところで挑戦をされたらいいのではないでしょうか。ドラマなんかでもいいと思います。

 (坂本理事)

 そうですね。特にスポーツは効果的で、若者への訴求力もあります。2019年にラグビーワールドカップもありますし、2020年に東京オリンピックもありますから、それぞれのアマチュアスポーツも含めてネットとの連携をいい形でできるように、これは権利の問題もありますが、そういうことを踏まえて対応していければと思います。

 (森下委員)

 そういうことをまたネットでも情報発信して、ネットで見ている人がテレビで見ようという雰囲気を作っていくことが大事だと思います。どうぞお願いします。

 

 (3) 平成29年度国内放送番組編成計画について(資料1)(資料2)

 (木田専務理事)

 それでは、編成計画についてご報告します。この編成計画は、今月17日の経営委員会で議決していただいた平成29年度国内放送番組編集の基本計画を踏まえ、来年度にどのような番組を放送するのか時刻表を作成し、具体的な放送計画としてまとめたものです。資料3には2種類資料がありますが、厚いほうの冊子が編成計画で、薄いほうの別表とありますのは時刻表です。本日は、編成計画を中心にご説明します。時刻表は、適宜参照していただければと思います。来年度番組改定に関する部外発表は来月の15日の総局長会見で行う予定です。
 それでは、1ページ目の一番下をご覧ください。平成29年度の番組改定の実施期日が記載されています。来年度は、4月3日月曜日からといたします。
 続いて、2ページからは、波ごとの編成計画の要点を示しています。
 まずは、総合テレビです。編集のポイントの1番目は、「生放送の時間を増やし、関心の高いビビットな情報や地域の魅力の発信の場とするとともに、緊急対応力を強化」です。来年度、総合テレビでは、平日午後1時台から3時間にわたる生放送、「ごごナマ」を新設します。その日視聴者が一番知りたい情報を現場からの中継や、旬の人を招いたトークなどを交えて多角的に視聴者に届けます。毎週水曜日は大阪府のスタジオから生放送し、NHKのネットワークを生かして地域の情報を全国に発信します。さらに、「ニュースシブ5時」も拡大し、午後4時からスタートします。午後の時間帯は生放送中心になることで、公共放送として緊急対応力を高めます。続いて、「より幅広い世代の視聴者から支持されるよう、ゴールデン・プライムタイムの番組を充実」です。木曜日午後7時台は、名前をめぐる不思議なルーツに迫る「人名探求バラエティー・日本人のおなまえ!」を新設します。家族そろって楽しめる教養バラエティー番組です。
 3ページです。土曜ドラマを午後8時台に移設し、より話題性に富むキャスティング、演出に挑みます。次に、「ダーウィンが来た」「NHKスペシャル」などの主要な番組で、スーパーハイビジョン一体制作を推進し、より高画質・高品質の放送サービスを提供します。さらに、東京2020への課題を検証し、期待に応える多様な番組を編成していきます。「NHKスペシャル」のシリーズ「TOKYO REBORN」では、オリンピック開催で変わる東京の姿を4Kで記録していきます。また、国際放送と連携し、日本の魅力を伝える番組を制作し、「ごごナマ」などの枠を使って展開します。
 4ページからは、教育テレビジョンです。教育・福祉などの重要課題に加え、多彩な番組を編成し、幅広い世代の知りたい・学びたいに応えます。編集のポイントの1番目は、「子ども向けにデータ放送、アプリ等と連携した体験するテレビを提供」です。インターネットの連携をより充実させ、子どもや若者の視聴拡大を図ります。アプリと連動した新番組「オトッペ」では、音の波形で生まれるキャラクター「オトッペ」たちを取り巻く物語をCGアニメで描きます。また、「えいごであそぼ with Orton」では、データ放送を使って楽しく遊びながら英語に親しむことができます。次のページ、5ページの一番下をご覧ください。「人々の知的好奇心に応える多彩な番組と、人生を豊かにする教養番組を開発」です。日曜日午後6時台に「やまと尼寺精進日記」を編成します。奈良の山深い寺に暮らす2人の尼僧のスローライフを、四季折々の美しい4K映像で描きます。
 7ページにまいります。BS1です。BS1は、2018年のピョンチャン、2020年の東京大会に向けて高まるスポーツ熱や関心に応える幅広いオリンピック・パラリンピックの関連番組を編成します。2020年に向けて盛り上げを図る東京オリパラ団や、東京大会を夢見て奮闘する世界のアスリートたちを描く「世界はTokyoを目指す」など多彩な番組を放送します。編集のポイントの2つ目は、「スポーツにおける新演出、新技術の開発を促進」です。日曜夜9時台の「スポーツイノベーション」では、最先端の映像技術やデータ分析テクノロジーなどを連動させた演出でスポーツの新しい楽しみ方を提供します。
 続いて、9ページ、BSプレミアムです。本物志向の知的エンターテイメントチャンネルとしての存在感をより高めるため、特集番組の一層の充実と強化を図り、土曜夜のスーパープレミアムを継続し、斬新な演出によるドラマや音楽番組、ほかでは見られないスケール感あふれる自然・紀行・歴史番組、オリジナリティ豊かでインパクトのある大型番組を月1回放送します。また、水曜日夜間に特集枠「水曜インパクト」を新設し、新たなジャンルの番組を開拓するとともに、スーパープレミアムに関連した番組も積極的に編成します。
 11ページからはスーパーハイビジョン試験放送です。4K・8K番組の制作を加速し、実用放送に向けてスーパーハイビジョンならではのコンテンツの開発と技術研修に注力します。来年度は、多彩なジャンルで他波の定時番組との一体制作を推進し、コンテンツの拡充を図ります。今年度放送時間は、午前10時から午後5時まででしたが、来年度は1時間延ばして6時までとし、1日8時間を基本とします。
 13ページからはラジオ第1放送です。安全・安心ラジオとしてさらなる機能強化に努め、災害時に備えて地域の生活情報番組を拡大します。具体的には、地域放送局が夕方5時台を中心に放送している地域応援ゾーンの拡大と充実を図ります。
 15ページ、ラジオ第2放送です。テレビ、ラジオ、アプリを連動させて英単語の習得を目指す番組「ボキャブライダー」を新設するなど新しい学びの形を提供します。
 16ページはFM放送です。来年度は、新たな演出で親しみやすい伝統芸能・文化番組へ刷新し、若い接触者を増やす番組を編成します。
 18ページから30ページまでは、新設番組の概要を波ごとに記載していますので、こちらは後ほどご覧ください。31ページに、波別に部門ごとの定時放送時間および比率が記載されています。平成28年度と比べて大きな変動はありません。
 35ページ、地域放送時間です。総合テレビ、ラジオ第1放送は1日平均2時間30分程度、FM放送が1日平均1時間20分程度です。これも平成28年度とほとんど変わりません。ページの下のほうに、全国に向けて地域情報を発信している番組を記載しております。
 36ページから47ページまでは、補完放送等の放送計画です。37ページ、データ放送をご覧ください。データ放送では、引き続き安全・安心情報の内容を充実させ、視聴者の利便性を高めます。
 48ページからはインターネットサービスです。災害、気象に関するホームページを集約し、強化します。「ニュース・防災アプリ」については、関連するニュースへの誘導促進やほかのサイトとの連携を強めます。またスポーツに関しては、東京オリンピック・パラリンピックに関する情報を発信することで視聴者の機運を盛り上げていきます。
 49ページからは、字幕放送・解説放送等です。行政指針を踏まえて作成した長期計画に基づき拡充しています。総合テレビの字幕放送については、来年度は10か年の長期計画の最終年度に当たります。7時から24時までの時間帯で字幕付与が可能な番組については、すべて字幕が付与されます。
 平成29年度国内放送番組編成計画についての説明は以上です。

 

 (4) 平成29年度国際放送番組編成計画について(資料1)(資料2)

 (荒木理事)

 平成29年度国際放送番組編成計画についてご報告いたします。国際放送番組編成計画は、前回の経営委員会で議決していただきました国際放送番組編集の基本計画に基づき、時刻表や編成計画の要点等をまとめたものです。今後のスケジュールおよび改定の実施期日などについては、先ほど説明ありました国内放送に準じます。
 それでは、お配りしております資料、平成29年度国際放送番組編成計画の1ページ目をお開きください。編成計画の要点について説明させていただきます。後ろについておりますもう一つの資料、別表、国際放送番組時刻表と合わせてご確認いただきたいと思います。
 まず、外国人向け英語放送の「NHKワールドTV」につきましては、1つは、「ニュースの一層の充実と強化」、それから、「地方から世界へ発信する番組の大幅増」、そして「国内と連携し、幅広いコンテンツを開発」、そして最後に「2020年に向け訪日外国人に有用な情報を発信」の4点について重点的に取り組んでまいります。29年度は7本の新番組をスタートさせます。ページの下のほうですが、まず、「GRAND SUMO Preview」は、大相撲の各本場所の前に見どころなどを紹介する番組であります。本場所中毎日放送しておりますダイジェスト番組に視聴者をいざないたいと思っております。2ページに移りまして「Cycle Around Japan」は、外国人レポーターが自転車で日本各地をめぐる旅番組であります。そして次、「Train Cruise」は、日本各地の個性的な鉄道に乗って、新たな鉄道旅のスタイルを提案しております。そして次、「♯TOKYO」はインバウンド情報サイトやSNSなどのビッグデータを駆使しまして、東京の最新情報を届けてまいります。次、「Anime Supernova」は、日本の若手クリエイターたちのアニメーション作品を紹介いたします。次、札幌局の「Wild Hokkaido!」は、ワールドTV初の地方局による定時番組であります。「さわやか自然百景」のリメイクとしてお伝えします。次は、「Darwin’s Amazing Animals」は、「ダーウィンが来た!」を英語化しまして、世界にこれを発信してまいります。
 3ページをご覧ください。在外邦人向け日本語放送の「NHKワールド・プレミアム」では、主要ニュースや情報 番組を国内と同時に放送するほか、自然災害などの際に迅速な情報提供に努めまして、海外で暮らす日本人や旅行者の安全・安心を守ります。
 続いて、「NHKワールド・ラジオ日本」です。
 多言語の外国人向けサービスでは、日本のニュースや話題を17の言語で世界に発信します。新番組は2本です。「プラグイン・ニッポン」は、現行の「ラジオジャパンフォーカス」をリニューアルしたもので、最新の話題や日本各地の魅力を幅広く発信します。そして、「リスナーズフォーラム」は、現行の「リスナーとともに」を刷新したもので、世界中のリスナーからの手紙や音楽のリクエストなどに応えます。4ページに移りまして、ラジオ日本の日本語の在外邦人向けサービスでは、海外情報の更新頻度を高めまして、安全・安心を支えるライフラインとしての役割を強化してまいります。
 インターネットのNHKワールドオンラインにつきましては、「訪日外国人に実用的な情報を提供」、それから「モバイル端末向けのアプリの補充」、そして「ソーシャルメディアを活用した情報発信のさらなる強化」の3点につきまして重点的に取り組んでまいります。
 5ページ以降は、各波の放送時間や部門別比率等の表となっておりますが、おおむね今年度並みとなっております。
 国際放送番組編成計画についての説明は以上です。

 (佐藤委員)

 国際放送番組編成についてですが、自然系が多いように思います。もう少し産業や技術、職人の技、そういうものもアピールしていただいてもよいと思います。日本の売り物というのは、観光とか自然とかお祭りとかそういうものだけではありません。その辺も工夫していただいたほうがいいのではないかと思います。編成を見て、いかにもそういうのが多いと思いましたので、また今後考えていただけたらと思います。

 (荒木理事)

 確かにこの新番組では、自然系が多いのですが、すでに日本の技術を世界に発信する番組などはかなりありまして、特にアメリカでは日本の技術、それから東南アジアでも、日本の最新の医療技術などに非常に関心が高いので、そうした情報についてもお伝えしております。日本に関心を持つ人がどういうところに、どういう分野に関心を一番持たれているのかというのをよく精査をして、魅力のあるものを出していきたいと思っています。

 

 (5) 平成29年度インターネットサービス実施計画について(資料1)(資料2)(資料3)

 (今井専務理事)
 それでは、平成29年度のインターネットサービスの実施計画についてご説明いたします。NHKのインターネット活用業務につきましては、インターネット実施基準に基づきまして、各事業年度の開始前に実施計画を策定して公表することとなっております。策定内容は、経営委員会にもご報告することとしております。基本的には、国内放送・国際放送と連動して、その理解を深めるためのインターネットサービスでございますので、本日、編成計画に合わせましてご報告したいと思います。お手元に、実施計画の冊子とその内容をまとめました実施計画のポイントという資料をご用意しております。それぞれご参照いただきながらご覧いただければと思います。
 平成29年度は3か年経営計画の最終年度に当たります。信頼される「情報の社会的基盤」として、技術の発展に寄与しながら、健全な民主主義の発達や文化水準の向上に寄与してまいりたいと思っております。また、インターネットならではの特性を生かして、よりわかりやすく、利便性の高いサービスを目指してまいります。最終年度ということもございまして、それぞれのサービスやコンテンツにつきましては、定着や内容を深めることを目指していくのが主題になると考えています。
 それぞれのサービスについてです。本文をご覧いただきますと、例えば、5ページですが、受信料を財源としたサービスにつきましては、例えばニュースにはこういうのを取り組みますと書いた後に、上段のほうでございますが、括弧して主なコンテンツ・サービスとございます。そのような内容を、具体的な例として記述しております。これも参考にしていただければと思います。ニュースにつきましては、「ニュース・防災アプリ」や災害時等のネット同時提供の取り組みを記載しています。また、その下、スポーツにつきましては、ピョンチャンオリンピック・パラリンピックでの取り組みなどを盛り込んでいます。オリンピックをはじめ様々なスポーツイベントにおいて、スーパーハイビジョンとインターネットをつなぐような実験的な取り組みを推進するとともに、6ページの上のほうに書いていますが、マルチカメラ映像など東京オリンピック・パラリンピックに向けた最先端の技術を積極的に導入することでスポーツの魅力を多角的に伝えたいと思っております。それから、その中ほどに書いていますけれども、リアルタイムで放送しない競技や試合の映像、音声等もインターネットでリアルタイム提供するなど、いつでも、どこでもご覧いただけるような取り組みをしてまいりたいと思っております。
 このほか、ポイントのほうをご覧いただきますと、青少年・教育に関しては7ページから8ページ、教養・福祉につきましては9ページから10ページ、手話ニュースの動画提供や、在日外国人にもわかりやすい日本語での提供に取り組みます。
 娯楽につきましては10ページから11ページにかけて記載しています。
 大型企画につきましては11ページに記載がございます。「NHKスペシャル」等と連動して多彩なコンテンツを展開します。
 それから、ラジオのインターネットサービスにつきましては12ページから13ページにかけて記述がございます。「らじる★らじる」の放送との同時提供のサービスを実施しておりますけれども、これにつきましては、聞き逃しサービスについても充実をさせていきます。
 通信連携サービスとして、ハイブリッドキャストでは早戻しサービスやハイライト動画の提供、あるいは双方向番組などを展開する予定にしております。
 国際放送につきましては16ページをご覧いただければと思います。
 NHKワールドTVを放送と同時に提供することは、国際放送についてはすでに提供しておりますが、放送済みの30番組程度を見逃しサービスとしてビデオ・オン・デマンドでも提供していくこととしています。
 続きまして18ページ、試験的な提供について記載しております。
 実施基準では、試験的提供は実施をする前に細目を決めて、試験計画という形で公表することとなっています。今回の実施計画では、年度当初ということで実施基準に則して実施する旨のみ記載しておりますけれども、検討を進めた上で、試験計画がまとまり次第速やかに公表したいと思います。
 現在は、先月行った今年度の試験的提供Bについての結果の取りまとめ作業に当たっているところです。この取りまとめの内容を十分に踏まえて、来年度の内容を検討していくこととしております。
 続いて、費用について申し上げます。2号受信料財源業務の費用は140億円です。コンテンツの充実などで、28年度よりも10億円の増加となっています。これは受信料収入の2%に当たり、実施基準の上限値2.5%を下回る水準となっております。
 内訳は、物件費が99億円、人件費が37億円、減価償却費が3億円です。物件費のうち国内放送関係が78億円、国際放送関係は21億円となっております。試験的な提供の費用は2.9億円で、国内放送関係の費用に含まれています。
 受信料を財源として事業者等へ提供する3号受信料財源業務というものがございます。この費用は約0.1億円規模となる予定で、実施基準の年額1億円の上限を超えない予定です。
 有料で行うサービスは、2号有料業務のNHKオンデマンドと3号有料業務のVOD事業者等への番組提供について記載をしています。
 いずれも区分経理の対象で、事業収入は22億円、事業支出は22億円、事業収支差金は0.1億円を予定しております。
 実施計画に記載した業務の実施状況につきましては、年度終了後に収支を含めた実施結果を作成し公表します。
 インターネット活用業務の遂行状況につきましては、外部事業者などからの意見、苦情等が寄せられたときには、外部委員からなるインターネット活用業務審査・評価委員会の意見を尊重して必要な措置を講ずることとなっております。
 29年度のこの実施計画策定にあたり、この審査・評価委員会のご意見を頂戴しておりますけれども、委員会からは、「インターネットサービスの公共性を明確にするよう求める」という意見が出されました。計画では、領域ごとにサービスの目的と内容を明示して公共性を示した上で、委員会からは「おおむね妥当」との見解を頂戴しております。
 また、実施基準上は、市場競争への影響を考慮することとなっていまして、審査・評価委員会からは、この点につきましても、引き続き注視しつつインターネットサービスの実施に当たるようにという指摘を受けています。この点も十分に踏まえて、平成29年度はこの実施計画にのっとって引き続き適切にインターネット活用業務を実施していきたいと考えております。
 なお、実施計画の外部公表は、放送番組の編成計画と同じ時期を考えており、2月15日の放送総局長会見後に公表する予定となっています。

 (長谷川委員)

 14ページの地域放送局のインターネットサービスについてお伺いします。インターネットサービスというのはいろんな目的があり得て、一つは簡単にスマホやパソコンで見られるということと、それから第二は、見逃した番組をもう一度パソコンに入れて見られること。それともう一つ、絶対に全国ネットのテレビでは見られないものが、ネットならば見られること。これら3種類のメリットがあると言えるでしょう。地方局の番組のネット配信というのは第三の種類に当たると思うのですね。ですから、そういう意味では積極的に試験的な試みをしていただきたいと思っているのですが、今一番最後に言ってらっしゃった民業を圧迫にしないようにという点では、これが一番地方民放の怖がっているところと伺っています。しかし、実際には本当に圧迫するようなことになるのか、インターネットを都会で見る人と地方でテレビ受信機の画面で見ている人と、実はすみ分けが成り立っていて圧迫しないのではないかと、私自身は個人的に思っているのですが。そういうところをよく調査した上で、十分に計画を練り上げて、そしてこういう格好でやれば、地方の民放局ともそれからNHKの地方局ともお互いに、ウイン・ウインの関係が成り立ちうるよ、とアピールすることも可能ではないでしょうか。たぶん時間がかかると思うのですが、そういう意図をしっかり持って計画、試験配信をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

 (今井専務理事)

 大変きれいにおまとめいただきまして、そのようにきっちりと取り組んでまいりたいと存じますが、まさにその点がインターネットのいわゆる市場競争への配慮の問題と、いろんな側面があろうかと思います。重要な課題になっていくところだと承知しておりますので、よくよく考えたいと思います。

 (長谷川委員)

 よろしくお願いします。

 

 (6) 平成28年度子会社の決算見通しについて(資料)

 (黄木理事)
 今年度の子会社の決算見通しでございます。1ページをご覧ください。子会社13社の決算見通しをまとめた表です。2ページにポイントを記載しております。
 まず13社全体では減収減益の見通しとなっております。13社の売上高は左下の黒で囲んである部分、2,415億円です。27年度決算が2,471億円でしたので、56億円の減収見通しとなっております。その次の丸で囲んであるところ、このうちNHK取引については1,568億円の見通し、昨年度の決算は1,591億円ということで、23億円の減収見通しとなっております。
 この減収の要因ですけれども、事業別に申し上げますと送出・送信・受信技術事業、これは主にNHKアイテックです。これは指名停止措置の影響で12.4億円の減収、それからデジタル関連業務が終了したということで7億円の減収等で、アイテックだけでNHK取引について33億円の減収の見通しということになっています。
 それからもう一つはコンテンツ展開関連事業という分野で、映画とかアニメなどの権利販売番組の規模が編成の関係で縮小したということです。これはNHKエンタープライズ、3.8億円ほどの減収となっております。
 一方で番組制作関連事業は、「精霊の守り人」など新規番組の受託が増えたことで、子会社全体では13億円の増収という形になっております。
 次に、グループ外取引の部分です。13社全体で663億円、27年度決算は691億円でしたので、この部分も28億円の減収の見通しです。この要因はイベント関連事業、これは今年度「若冲展」など好評を博すものがありましたが、昨年の大型イベントに比べますと全体の規模が小さくなるなど、17億円程度の減収の見通しとなっております。
 そのほかコンテンツ展開関連事業では、モバイル事業の減等により5億円程度の減収、それから日本国際放送事業は「ワールド・プレミアム」の円高の影響等によって2億円程度の減収となっています。
 個別の会社について申し上げますと、NHK出版が増収増益になっています。テキストなどの販売が好調でした。
 一方、減収減益は薄い網かけ、上からNHKグローバルメディアサービス、日本国際放送、NHKプラネット、NHKビジネスクリエイト、NHKアイテック、NHK営業サービス、この6社が、減収減益となっています。
 13社全体の当期純利益は1ページの表の右下で45億円です。27年度決算は54億円でしたので、現段階では8億円の減益見通しとなっております。
 減益の要因は売上高の減収が一番になりますが、そのほかとして退職給付費用の対応があったこと、スーパーハイビジョン等への先行投資が行われたこと、それから今年度全社で取り組んでおりますガバナンス強化、これに向けての投資も一因となっています。
 ただし、この見通しは12月6日時点の各社報告を取りまとめたもので、その後各社順調に売り上げを伸ばしており、最終的な決算では売上高、当期純利益とも、何とか昨年度並みに改善できるのではないかと期待しております。
 3ページに子会社の年度ごとの売上高と利益の推移を棒グラフであらわしております。この棒グラフの一番右側が現在の見通しで、売上高が2,415億円、当期純利益が45億円となっていますが、最終的な決算では売上高がこれにさらにプラスの48億円程度、当期純利益も最終的に10億円程度プラスになる見込みで、最終的には27年度の決算レベルに改善ができるのではないかと期待しております。
 なお、NHK取引部分の13社全体の営業利益率の平均ですが、今年度の見通しはこの上振れを入れて2.5%程度に落ちつくものと考えております。昨年度決算でのNHK取引部分の営業利益率は3.2%、一昨年度は4.2%となっています。

 (井伊委員)

 2ページ目の最初のところですが、コンテンツ展開関連事業は、映画やアニメなどの権利販売番組の規模縮小により4億円減収というところで、編成の関係とご説明があったのですが、これは番組編成の関係ですか。

 (黄木理事)

 さようでございます。その年度の新しいアニメだとか映画のようなものの、放送のボリュームにある程度見合って売り上げが上がっていくという形で、それが今年度は、前の年度に比べて若干少なかったというところが影響していると分析しております。

 (石原委員長)

 NHK出版が大変に利益を出しています。これはどういう努力をしているのですか。

 (黄木理事)

 1つはテキストの販売で、語学だけではなくて生活情報系のテキストがよく売れているということと、もう一つは、最近いわゆる電子図書という分野で、NTTドコモとかアマゾン、楽天とかそういったところが、いわゆる見放題パックという形で、幾つもの電子書籍を同じ値段で見せる。そこにNHKのテキストもラインナップされるというビジネスが今年度幾つか始まっております。例えば「きょうの料理」というようなデジタルの図書です。クッキングをするときにご覧になるというような形で、いわゆる書籍というものと別のデジタル書籍というものでの需要が高まりつつあるという部分も貢献していると考えております。

 (石原委員長)

 なかなかすばらしいですね。ありがとうございました。

 (森下委員)

 アイテックですが、経営改革等やっていただいていると思うのですが、そういう中でこれを見ますと、NHKの取引は減っていますが、グループ外の取引が増えています。いろいろな経営改革の中で、これだけ努力してもらって一応黒字を確保できているということで、いいと思うのです。今回いろんな改革をしましたので、実業への影響が出ているのではないかと心配していたのですが、これを見る限りはそれほど余り出てないというか、努力した結果なのでしょうが、そのあたりはいかがでしょうか。

 (黄木理事)

 全体として自主事業のほうが増えている部分は、総務省からの指名停止の影響等もございましたけれども、一方で、防災行政無線のデジタル化の工事を引き受けております。この部分がかなりまとまって受注できたということもあり、自主事業のほうは昨年度並みの進捗という形になっております。ただ、アイテックについては、去年の夏にNHKのグループ会社として適切な事業目的とミッションを再定義して、そのミッションに合ったものに事業を集中していくということに取り組んでおります。逆に、ミッションにそぐわない業務については、順次撤退をしていく予定です。そういった部分の影響は、29年度以降に出てくると考えております。いずれにしても、きちんとグループ経営改革をするということで、アイテックは新しい体制にしてコンプライアンスの部分、ガバナンスの部分にもかなりの投資をしており、会社としては大変な努力をしながら今年度を乗り切りつつあるというふうに考えています。

 

 (7) 契約・収納活動の状況(平成28年12月末)(資料)

 (石原委員長)
 報告事項(7)契約・収納活動の状況については、特段の質問等がなければ、資料配付のみで報告に代えさせていただきたいと思います。

 

 

6 その他事項

 (1) 営業関係データ(都道府県別12月末)について

 (石原委員長)
 営業関係データについて、松原理事から報告をお願いします。この報告は、平成23年10月の経営委員会の意思決定に基づき、少なくとも四半期ごとに営業関係データを報告いただくものです。

 (松原理事)
 営業関係データの都道府県別についてです。委員長からもありましたが、営業データはこれまでも四半期ごとに報告をしてきました。12月末での契約現在数と衛星契約の割合の状況についてご報告いたします。
 全国の契約現在数は、約4,027万件、衛星契約数は約2,006万件で、契約数全体に占める衛星契約割合は49.8%となり、27年度末に対して全国で0.8ポイント上昇しています。結果として1年前倒しで経営計画の50%が達成できる見込みとなっています。
 営業も28年度はあともう残り2か月になりました。全営業現場では訪問要員体制の整備に努めつつ、全営業目標達成に向けて着実に実績を積み上げていきたいと思います。
報告は以上です。

 (宮原委員)

 何か地域的な特性というのはあるのでしょうか。

 (松原理事)

 これまでも都道府県別の推計世帯支払率はずっと向上してまいりました。世帯でもいろんな差があるのですが、特に衛星契約の場合は、それぞれの地域の受信形態別のシェアが大きく違うところがあります。ケーブルテレビのエリアのシェアが高いところは少し衛星契約割合が低くなっています。それともう一つは、日本海側の地域については民放が少ないということもあって、モアチャンネルという位置づけで衛星放送がよく普及していると考えられ、全般的に衛星契約割合が高くなっています。

 (宮原委員)

 受信料の徴収率と契約数との相関というのは。

 (松原理事)

 支払率の高い日本海側は衛星契約割合も高い傾向にあります。

 (石原委員長)

 CATVで見ていてもお金はいただいているのですか。

 (松原理事)

 いただいています。

 (石原委員長)

 山の奥のほうは。

 (松原理事)

 今、全国でCATVを見ている世帯は半分以上になっています。ケーブルテレビ事業者に団体一括支払のお願いと衛星契約の取り次ぎをお願いして、ケーブルテレビ事業者が、自分のエリアで衛星放送を受信できる方から契約をいただくと同時に、ケーブルテレビの料金と一緒に受信料を徴収していただき、一括でNHKに払い込んでもらうことも行い、年間20万件弱、全国のケーブルテレビ事業者に衛星契約を取り次いでいただいています。

 (石原委員長)

 衛星契約率が低いところは、実際には見てはいるがお金は払ってないと考えてよろしいのですか。

 (松原理事)

 そうです。だからまだまだ余地があるのではないかと思います。

 

 

 

 以上で付議事項を終了した。

 

 

 上記のとおり確認する。

 

 平成29年2月14日    

石 原  進

 

 

本 田 勝 彦