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「精神科病院の身体拘束」カキコミ板ウオッチ 第1回 身体拘束の法的根拠

2017年09月06日(水)

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神科病院の身体拘束」カキコミ板ウオッチ
第1回 身体拘束の法的根拠

反響が大きい精神科病院の身体拘束
本人の治療と保護のために行われる行為
第1回 第2回 第3回

 


Webライターの木下です。


反響が大きい精神科病院の身体拘束


20170907_01_002_nhklogo.png9月7日放送の『ハートネットTV』“チエノバ”では、「精神科病院の身体拘束」をテーマとして取り上げることになりました。そこで放送に先立って、精神科病院に入院、身体拘束をされた経験のある当事者やその周囲の方々の声をカキコミ板で募集いたしました。

8月の1か月間で寄せられたご意見は127件。大変大きな反響がありました。精神科病院の閉鎖病棟での医療行為は、当事者でなければ知りえないことであり、貴重な体験の記録として受け止めさせていただきます。事実確認こそはできませんが、多くの体験談に共通する「精神科病院の身体拘束」の課題が見えてきました。その傾向について、主なご意見をご紹介しながら、皆様とともに考えていければと思います。



本人の治療と保護のために行われる行為

 

そもそも精神科病院で身体拘束を行う法的根拠はどこにあるのでしょうか。
日本国憲法では第31条で「何人も法律の定める手続きによらなければその生命若しくは自由を奪われない」と規定されています。身体拘束は人の自由を奪うという意味では、憲法違反にも思えますが、医療行為として認められているもので、それを定める法律があります。それは「精神保健福祉法」であり、第36条に「精神科病院の管理者は、入院中の者につき、その医療又は保護に欠くことのできない限度において、その行動について必要な制限を行うことができる」とあります。

身体拘束は病院内で医療や保護のために必要不可欠な場合のみに行われるものだと解釈できますが、この条文だけでは、病院管理者の裁量にかなりの幅が認められます。

そこで、厚生労働省では、患者の人権擁護のために、さらに詳しく「厚生労働大臣が定める身体拘束の基準」を告示しています。この基準では、身体拘束は行うとしても、本人の生命の危機を避けるためや本人の社会復帰のためとされ、他に代替行為がない場合のみに認められるとなっています。また、できるだけ短期間で終わらせ、解消されるべきものであるとされ、さらに患者への理由の説明も行い、きちんと診療録も取り、漫然と身体拘束が行われないように定められています。

   厚生労働大臣が定める身体拘束の基準  


第四 身体的拘束について
1 基本的な考え方

(1)身体的拘束は、制限の程度が強く、また、二次的な身体的障害を生ぜしめる可能性もあるため、代替方法が見出されるまでの間のやむを得ない処置として行われる行動の制限であり、できる限り早期に他の方法に切り替えるよう努めなければならないものとする。
(2)身体的拘束は、当該患者の生命を保護すること及び重大な身体損傷を防ぐことに重点を置いた行動の制限であり、制裁や懲罰あるいは見せしめのために行われるようなことは厳にあってはならないものとする。
(3)身体的拘束を行う場合は、身体的拘束を行う目的のために特別に配慮して作られた衣類又は綿入り帯等を使用するものとし、手錠等の刑具類や他の目的に使用される紐、縄その他の物は使用してはならないものとする。


2 対象となる患者に関する事項
身体的拘束の対象となる患者は、主として次のような場合に該当すると認められる患者であり、身体的拘束以外によい代替方法がない場合において行われるものとする。

.自殺企図又は自傷行為が著しく切迫している場合
.多動又は不穏が顕著である場合
ウ.ア又はイのほか精神障害のために、そのまま放置すれば患者の生命にまで危険が及ぶおそれがある場合


3 遵守事項

(1)身体的拘束に当たっては、当該患者に対して身体的拘束を行う理由を知らせるよう努めるとともに、身体的拘束を行った旨及びその理由並びに身体的拘束を開始した日時及び解除した日時を診療録に記載するものとする。
(2)身体的拘束を行っている間においては、原則として常時の臨床的観察を行い、適切な医療及び保護を確保しなければならないものとする。
(3)身体的拘束が漫然と行われることがないように、医師は頻回に診察を行うものとする。



この基準によれば、必要とされる治療を施すための手段であり、人権への配慮も行われているかのように思えます。しかし、カキコミを読む限りでは、本人の尊厳が守られる形で身体的拘束が行われるケースばかりとは言えないようです。身体拘束がいかに屈辱的なものであるのかを訴えるカキコミが多く見られます。一定の理解を示す意見であっても、後々まで心に傷が残る悔しさが書き綴られています。法律や厚生労働省の基準が遵守されていないのならば問題ですし、基準が現場の実態からずれているなら改善が求められます。私たちは何を見落としているのか、当事者の声に謙虚に耳を傾けたいと思います。



木下 真

▼関連ブログ記事
 「精神科病院の身体拘束」カキコミ板ウオッチ(全3回)
  第1回 身体拘束の法的根拠

  第2回 「医療側と患者側との認識のずれ
  第3回 患者ではなく人間として
 
▼関連番組
 2017年9月7日放送 WEB連動企画"チエノバ"「精神科病院の“身体拘束”を考える」(Eテレ)

▼みなさまから寄せられたカキコミはこちらから
 
精神科病院での「身体拘束」について、みなさんのお考えや体験談などお寄せ下さい

コメント

「対象となる患者に関する事項」からイの「多動又は不穏が顕著である場合」を削除するだけでも、かなり状況は改善できる気がします。
多動がなぜ拘束の必要があり、どのような場合に拘束すべきなのか、もっと明確にすべきだと感じています。

投稿:よしお 2017年09月08日(金曜日) 05時41分

知り合いのお子さんが突然言葉が出なく動く事も困難になり、精神病院を受診したところ入院するよう告げられ、その日夜に点滴はづしたら危険だから拘束します!と連絡あり3週間も拘束され、この病院では見れないから他にお願い!と言われたそうです。
硬く拘束され涙を流しているお子さんは、明らかに悪く弱っていたそうです、そのご総合病院では、拘束もなく薬で快復したそうですが、あの時の事は死んでも忘れない、お子さんもかなり苦しんだそうです。病院がらくだから拘束するのはまちがってます!テレビで言っていた様にどうしても危険な場合、4時間以内でそれ以外拘束は禁止する法律を作るべきです。皆んな苦しんでます助けてあげてください。

投稿:レモン 2017年09月07日(木曜日) 20時45分

精神科歴10年以上になりました。
身体拘束を行う時は、いまだに、心が苦しくなります。
ただ、医療者は大なり小なり日々必ずと言っていいほど何かしらの暴力を受けています。
身体的な暴力だけではありません。言葉の暴力、性的暴力などさまざまな形の暴力を受けています。
ケアする側が心を病んでしまうこともたくさんあります。
拘束を受ける側もする側も苦しい。
医療者側からの視点ももう少しピックアップしてほしい。

投稿:なす 2017年09月07日(木曜日) 20時30分

6年前、入院しました。私は拘束は受けていませんが、同じ時期に入院した方が、両手縛られたと話されました。リスカの可能性があるかららしかった。入院したものとしては
、しょうがないのかなと。ご飯も喉に詰まらせて目の前で亡くなった人もいるし、手首から血をにじませる人いるし。当人にとってはそれほどでもなうようです。周りが人権だとか言うけど、そんなの考える意思もないので。

投稿:りか 2017年09月06日(水曜日) 23時33分

子供ふたりが障害を持っています。仕事も、お昼休みはとれず、トイレでおにぎりを食べる忙しさでした。疲れ果て、眠剤依存になりました。突然何も聞かれず、精神科受診をさせられました。何があったのかなど誰も聞いてくれずに、入院と言われ、子どもが心配で拒否したら手足を4人で捕まれ、注射を打たれ医療保護入院 ゴールデンウィークの間、着替えもなし、出して!と叫べば注射で眠らされました。先生も1度きただけでした。看護師からは、「飯は?」「糞は?」だけでした。いくら呼んでも来てはくれずに、私は家畜じゃありません!と言いました。
1週間後、突然保護室から出されました。今でもあの時の屈辱は忘れていません。

投稿:かすみ 2017年09月06日(水曜日) 23時33分

懲罰的身体抑制、ありました。看護師に逆らうとそのまま身体抑制される。
ナースステーションは看守の部屋を思わせる看室と呼ばれていました。
病棟婦長は「ここは学校みたいなモノよ。皆いうことをききなさい。」と何度も繰り返し言っていた。
何年前からか?「患者様」って言い方が病院スタッフから聞くようになり、患者は「飯の種」と考えるようです。

投稿:ややフト 2017年09月06日(水曜日) 22時31分