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茂木健一郎さん × 湯浅 誠さん ⑤生活保護受給者の"心の問題"

2012年07月09日(月)

ハートネットTV・シリーズ貧困拡大社会では4月と5月に、
生活保護について考えました。
放送には出なかった、脳科学者の茂木健一郎さんと
反貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠さんとの
スタジオ収録でのやりとりを再構成し、ブログで紹介していきます。

第5回は、生活保護の受給者の“心の問題”がテーマです。

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 <左から、山田キャスター・茂木健一郎さん、湯浅誠さん>
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茂木: もともと憲法には
    「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」があると書かれていて、
    それを実現したものが生活保護なんですけども、
    お金があって物質的には生きていけても
    何かが足りないから自ら死を選ぶ方までいる。
    これは、ものすごく大事な問題があるんだと思うんですね。


湯浅: 日本は14年で、年間3万人の方が亡くなり続けていて、
    昨年厚生労働省が推計を出したんですが、
    年間3万人という、その経済的な損失は2.7兆円なんですね。
    その人たちがずっと生きて活動し続けていたら生まれた利益が、
    それだけ失われてしまっている。
    生活保護受給者の自殺率は全国的にも2倍で、とても多いんですね。
    いろいろ精神的に追い込まれていく中で、生きていても仕方がない、
    あるいは生きてく方が大変だという状態になっていくと、
    “緩慢な自殺”と言われたようなことがいろんなところで起きていく。
    それは単純にもったいないことだと思いますね。


茂木: 誰でも辛いことがあるじゃないですか。
    でもその時にもし自分が死んでしまったら、
    例えば自分の家族だとか友人だとかの顔が浮かぶと思うんですよ。
    でも社会的に孤立してしまっていると、
    自分がここで死んでも誰も悲しまないんじゃないかと思ってしまうと、
    そこで何か大切なものが失われてしまう気がするんですよね。
    だから、やっぱり人とつながっていることがいかに大事なことか。
    もし自分が死んだら悲しむ人がこれだけいるって思うことが
    いかに我々の支えになっているかということですよね。


湯浅:  人はやっぱり誰かのお世話になるよりは、
    誰かをお世話したほうが元気になる。
    誰かに支えられるよりは誰かを支えられた方が元気になる。
    これは、人間ってそういうもんだ
    という風にしか言いようがないですけど、
    そういうものなんだと思うんですね。
    大事なのは今、支えられているという現状が、
    今度は自分が支え手に回るという回路が見えることだと思うんですね。
    つまりそういう例が身近にいっぱいあるとか、
    そういう場が社会に当たり前のようにあるとか。
    だから今、自分は支えられているけど、
    すぐ支える側に回るんだというふうに思えると、
    その支えられることに対する負い目が軽くなるんだと思うんですよね。
    だけどそれがいつになったらできるか分からない。
    いろいろやってみたけどダメとしか言われなかった。
    就職も失敗ばっかりというふうになると
    段々段々支えられる状態から脱出する目処が見えなくなってしまって、
    それでこんな状態で自分は生きていて意味があるんだろうか
    というような思考に入っていってしまう。


(敬称略)

コメント

>人はやっぱり誰かのお世話になるよりは、
    誰かをお世話したほうが元気になる。
    誰かに支えられるよりは誰かを支えられた方が元気になる。
    これは、人間ってそういうもんだ

ホントにそう思います。
うちは母子家庭で現在は生活保護受給の世帯になってしまいましたが、
人様を支える側になりたいです。

なりたくてなった生活ではありませんし、それまでは納税もしていました。
まさか自分がこのような生活に至るとは想像もしていませんでした。

世の中には生活保護に関しての偏見あや誤解が溢れていますが、現実は甘い物ではなく、
健康で文化的な生活等到底無理です。
特にうちもですが受験生を持っている家庭は親は三度の食事はまず無理です。
自分の食べる物を削らなければ塾や模試、又そこまでの交通費等々捻出する事は出来ません。
という事はいつまで経っても体調は良くなりませんし、健康な方も病気になります。
なにせご飯が食べられないのですから。
しかし、貧困の連鎖を食い止める為には我が子にはしっかりと教育を付けてやり、好きな道で食べて行けるように育てる事だと思うのです。

私が思うのは段階的に自立していける制度あれば良いと思います。
通院しながらも生活費を稼げるまでに回復したら、次は生活扶助は打ち切りますが医療費についてはもう少し援助するので頑張って行きましょう。
というようなものとか、預貯金財産全くない訳ですから少し残す事が(例え3000円でも)出来たなら、役所もしくは国、或はそれ専用の機関を設け、そこで管理しある程度貯まったら自立する。
などです。
でないと先ほど申しました様に、財産が全くないのですからいきなり自立は危険過ぎます。

国民に考えて頂きたいのは、人事ではない。
明日目が覚めたら突然身体が動かなくなっている。
歩行中事故に遭い不自由な身体になる。
その時あなたは生活保護を受給せずに何年生きられますか。
みんな最後の最後まで頑張った末なのです。
沢山のリスクは自分にもあるのだと言う事です。

投稿:0211まあさ 2012年07月23日(月曜日) 20時46分

地縁.血縁.社縁もなくなりかけ゜うすら寒い世の中になつてきているようです゜いくら自由だとしても――なければそれに代わるような物作りださないといけません゜人類の知恵で゜゜ここでひとつideaがあります゜昔愛人バンクがあつたでしょ゜それみたいに゜人間[人材]バンクがあればいいとおもう゜友達100人でもつくれるようなーーたすけあえる゜システムで゜それがありゃどんな波があってもどんな時代がきても゜だいじょうぶ

投稿:erikasamansa 2012年07月16日(月曜日) 21時27分