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【収録記】2016 リオパラリンピック ~ひたむきに強さを求める"哲学"~

2016年05月02日(月)

ハートネットTV、WEBライターIです。

リオパラリンピックシリーズ第7・8回にご紹介するのは、「競泳・木村敬一選手」「卓球・別所キミヱ選手」。一足先に見どころをお伝えします!

 

◆第7回「競泳 木村敬一」4月26日(火)(再放送5月3日(火)

明るくウィットにとんだ会話の中にも、木村選手の「パラリンピアンとして、人間としての可能性を伝える」という強い覚悟を感じました。

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木村敬一選手は、S11・SB11・SM11クラス、全盲の選手です。見えない中で、クロール、バタフライ、平泳ぎ、背泳ぎを行います。練習は、コーチとのたくさんの“言葉”の中から想像し、水の中での動きを覚え、綿密なコミュニケーションから泳法を調整していきます。目が見えている人であれば「ここまで腕を動かして」と視覚で伝えられることが、すべて言葉やコミュニケーションでの伝達。この状況に木村選手は「自分にとっては当たり前の世界。より良いフォームの追及は永遠に続く課題」と言います。


木村選手がよりストイックに水泳を追求するようになったひとつは、北京パラリンピックでのバタフライのレースで、学校の先輩である河合純一さんに「まったく追いつけなかった」ことです。番組VTR内での木村選手と河合さんの表情の対比が、とても印象的でした。番組中、その一瞬をぜひお見逃しなく!

 

4年後のロンドンパラリンピックではメダルを期待されていましたが、最初の自由形のレースではプレッシャーに負けてしまいます。ですが、気持ちを入れ替えて銀メダルと銅メダルを獲得。そこから木村選手は真の強さについて考え始めます。

番組では、世界で一番尊敬しているアスリート、スタミナ不足でレース後半に息切れしないための“3つの工夫”、リオパラリンピック・金メダルへの強いこだわり、そして東京パラリンピックへの思いなどを伺います。そこから“見える”のは、木村選手の芯の強さ。たくさんの人とかかわりあいながらストイックに自分の目的に向かっていきます。

004_002_DSCN0598.JPG収録前は緊張していた木村選手でしたが、

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広瀬アリスさんと山田キャスターとの会話の中でだんだん表情も和らぎ、明るくも芯の強さを感じさせる表情へと変化していきました。緊張の中でも自分と向き合うことで確信をつかんでいくことができるのは、日々の鍛錬とご自身の前向きな性格があるのだと思います。

明るく豊かな木村選手の言葉や人間性を番組で感じていただき、リオパラリンピックでの活躍を“全力応援”していただければと思います!

006_DSCN1280.JPG放送後、ディレクターのインタビューに答えている木村選手。ほっとした表情にも見えますね!

007_DSCN1005.JPG広瀬アリスさんはタッピングにも挑戦!木村選手、心なしか嬉しそうな表情!笑


◆第8回「卓球 別所キミヱ」5月10日(火)

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別所キミヱ選手・68歳。

魅力あり過ぎるこの選手を、たくさんの“真っ直ぐな”言葉でかき乱された私の気持ちは、どう説明したらいいのでしょう…と戸惑うほどに心揺さぶられた収録でした。

 

別所選手は、両足がマヒしており、両手で体を支えなければ立つことができません。ですが、一目でそのパワフルさが伝わるかと思います。

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たくさんの“シャイニー”な蝶々を髪や車いすにほどこし、明るく楽しく良く笑い、収録を見守るモニター室でも何度も爆笑が巻き起こりました。

そのうえ、ジャパンオープンで見せた表情はさすが、恰好良い!圧倒的な強さで優勝するも「日本で通用しても、世界では通用しない」と、表情を引き締めます。

 

収録中何度も口にした「そうしないと勝てない」という言葉。世界ランク7位を誇るパラリンピアンですが、自信に満ちているというより、本当に一生懸命勝とうとしています。

番組では、68歳の別所さんならではの“知恵と工夫”を取り込んだ練習の数々をご紹介します。知るたびに“真っ直ぐな”別所さんの気持ちに胸を打たれてしまいました。


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別所選手の逸話の数々は、放送には入りきらないほどの密度の濃い収録となりました…番組でご紹介できないシーンを少し。こちらは試合で使うクッション。「BESSHIO」の隣に書かれた文字が「勝つ」ではなく「負けない」なのは、こだわりの一面ですね。

 

 

自宅の壁には、世界のライバルたちの性格や戦い方の特徴などを、きれいな文字でびっしりと書きあげられた自作の分析表も。パワフルなだけでなく、とても真面目で繊細なのですね。

 

「(腰を支える金属板が)折れてしまったら、折れた時のこと」

「勝つためには、体はどうなってもいい」

と言うほど“真っ直ぐに”、強くなりたい一心の別所選手の表情は、生きている輝きを放って眩しく、ご自身の装いを「シャイニー」と仰っていましたが、内面からも本当に輝いているなあと思いました。


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「不可能なことなんてない、と信じてやっている」

「失敗を怖がらず、苦労もして。いっぱいいいことあるから」

など、別所選手はなぜそのように思えることができるようになったのか?さまざまいきさつが折り重なっています。別所選手の“魂の半生”をぜひ、番組でご覧ください。


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後半、別所選手の“哲学”に、広瀬さんの目が潤む瞬間が何度もありました。

 

収録を見ながらふと、「私も、『癌が再発しても全然悔いはない』と言い切る生き方をしてみたい」と思いました。

是非、多くの皆さんに別所選手の“哲学”を聞いてもらいたいです。きっと勇気づけられることでしょう。“シャイニー”な笑顔がリオの試合であふれるよう、心から応援しています!


◆2016 リオパラリンピック放送予定 [Eテレ]本放送:夜8時、再放送:午後1時5分。

第7回 競泳 木村敬一
[本放送]2016年4月26日(火)、[再放送]2016年5月3日(火)

第8回 卓球 別所キミヱ
[本放送]2016年5月10日(火)、[再放送]2016年5月17日(火)




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