【出演者インタビュー】藤田征樹さん「1000分の1秒を争うスピード感や迫力がパラサイクリングの魅力ですね」
2016年03月18日(金)
- 投稿者:番組ディレクター
- カテゴリ:2016リオパラリンピック
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3月22日放送(3月29日再放送)
2016 リオパラリンピック
第6回 自転車 藤田征樹
にご出演された藤田征樹さんにメッセージをいただきました。
《藤田征樹さんプロフィール》
藤田征樹(31)C3クラス
19歳の時に交通事故で両脚膝下を切断
パラリンピック2大会連続メダリスト
(北京銀2銅1/ロンドン銅1)
2015UCIロード世界選手権ロードレース優勝
――パラサイクリングのおもしろさや魅力というのはどういうところですか。
自転車が風を切って走るスピード感とか、1000分の1秒を争う迫力というのは魅力だと思います。あとは、パッと見て純粋にかっこいいスポーツだと思うんですよね。鮮やかなウェアだったり、カスタムされた自転車だったり、私も初めはかっこいいなと思ってこのスポーツに入っていったところもあるので、そこも魅力のひとつじゃないかなと思います。それはパラサイクリングであろうと健常者の自転車競技であろうと変わらないので、いろんな人に見ていただけたらうれしいですね。
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――自転車競技のスピード感や迫力は生で見るとより伝わりそうですね。
そう思います。特に1月にアジア選手権が行われた伊豆ベロドローム(2020年東京オリンピックの会場でもある)は、最前列で見ればさわれるくらいの距離で時速60キロの選手たちが走っていきますから、その臨場感はほかの種目にはないと思います。ロードレースも猛スピードで街なかを走り抜けていく選手をマラソンと同じくらいの距離から見ることができるので、とても迫力がありますね。
――藤田選手は北京パラリンピックの代表監督だった班目秀雄さんに自転車競技の基礎を叩き込まれました。「吐いてもついてくる。厳しい練習でも音を上げなかった」と語っていましたが、なぜチャレンジし続けようと思ったのですか。
私は脚を失う前もトライアスロンをしていて、自転車には乗っていたので、トレーニングの厳しさはわかっているつもりだったんですけど、実際は想像していたより更に厳しいものでした。でも、やっぱり負けず嫌いで、変に生真面目な部分もあるので、練習がこなせなくて「帰れ!」と言われて、そのまま帰るのはどうしても悔しかったんです。先輩たちはそれをこなして強い選手になっていったわけですし、自分がもっと強くなるためには諦めてなんかいられないという気持ちは当時からありましたね。
――健常の時と比べて、義足で自転車をこぐ難しさはありますか。
ペダルをこぐときはあまり足首を使わないほうがいいというのが自転車競技のセオリーなんですが、それでもやっぱり関節がひとつあるかないかというのは大きな差だと思うんです。動きの滑らかさとか、動きのうまさとか、そういったところにつながってくるので、それがパラサイクリングのハンディキャップのひとつですね。
――そのためにも競技用の義足の開発には多くの時間をかけているわけですね。義足のどういうところにこだわっているのですか。
ペダルをこぐときに義足はどうあったらいいかという機能の部分です。うまくペダルを踏むためには?ということを突き詰めて、突き詰めて、更に煮詰めて細かく見ていく。そうして新しい義足を作っているので、ペダルを踏むということには何よりもこだわっています。
――現在も新しい義足を開発中と伺いましたが。
そうなんです。でも、それは番組でもここでも詳しく話すことはできないので、ぜひ完成を楽しみにしていてください。
――リオパラリンピックまであと約6か月。代表に選ばれるためにも、どのような準備をしていきますか。
代表に選ばれるための準備をしていたら当然本番で勝負なんかできないので、自分がリオへ行くんだという気持ちを持って、トレーニングをしていきます。自分の強みを活かせるように、身体づくりだったり、自転車の準備だったり、フォームだったりを改良して、今できる最高の状態に近づけていこうと思います。いい準備ができればいい戦いを見せることもできるので、しっかりトレーニングしていきたいですね。
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