本文へジャンプ

Road to Rio vol.30「リオの地に立つために ~ブラインドサッカー リオパラアジア最終予選へ~」

2015年06月30日(火)

ハートネットTVキャスターの山田賢治です。
 

いよいよ9月2日から7日まで、リオパラリンピックアジア最終予選となる、IBSA ブラインドサッカーアジア選手権2015が東京で開かれます。前回4年前のロンドンパラ最終予選では、イランを相手に残り10分で失点。あと一歩でキップを逃しました。悔しい思いを胸に今度こそ、という思いで、4年間経験と自信を積み重ねてきたブラサカ日本代表。ホームという地の利を活かして、初出場を勝ち取れ!

 

20150630yamakenvoice1.JPG

 

大会の記者発表は、6月29日、日本サッカー協会(JFA)のサッカーミュージアムで行われた。JFAの施設でブラサカの記者発表が行われたのは初めて。“サッカー”という共通点で、障害者のサッカーとさらに連携を広げてほしい。

 

20150630yamakenvoice2.JPG

25のメディア関係者が集まった。関心の高さがうかがえる。

 

大会に参加するのは、日本を含めて6か国。このうち、上位2チームがリオ出場権を獲得します。
世界ランキング9位の日本にとっての一番の強敵は、5位の中国。何と、初日に対戦します。
去年の世界選手権ではベスト8で対戦し、0-0で終わり、PKで敗れました。今年5月の世界大会では、グループリーグ2-2で引き分けに終わりました。
大会2日目は、中国に続くライバルのイラン(世界ランキング12位)。体格で劣る日本は、冷静に相手を交わして攻めることができるか。この他、韓国、インド、マレーシアと連日試合が続きます。

 

魚住監督「特別な思いを持って、パラリンピックの出場権は総力戦で勝ち取らなくてはならないもの。初日の中国戦に勝って、弾みをつけたい」。
黒田選手「4年前、悔しい思いをしてから再びサッカーに向き合うまで時間がかかった。しかしそこから、魚住新監督のコンセプトの中で、国際経験も積み、試合に臨むときに自分たちの強さを感じられるようになった。」

 

20150630yamakenvoice3.JPG

 

左から、日本代表の魚住 稿監督、エースの黒田智成選手、大会アンバサダーの北澤豪さん。これまでの記者発表では、「見えないのにどうやってプレーするの!?」など「見える」「見えない」に関する質問が多かったという。「アスリートとしてメディアにも評価・定着してきた証拠」と、北澤豪さん。

 

20150630yamakenvoice4.JPG

 

北澤さんと黒田選手との、パスのデモンストレーション。北澤さんが強く蹴ったボールは、大きく左に…

 

20150630yamakenvoice5.JPG

 

会場となる、国立代々木競技場フットサルコート。去年の世界選手権の舞台となった。奥に見える高い建物が、NHK。ここで私も仕事している。


大一番に向けての準備。チームとしても個人としても、課題を持って取り組んでいました。
6月中旬、東京八王子で、日本代表強化合宿を取材しました。
日本代表は、世界に誇れるディフェンス力の一方で、圧倒的な攻撃力がある訳ではありません。その中で、攻撃のラインを上げて、相手に圧力をかけようというフォーメーションを意識していました。

 

20150630yamakenvoice6.JPG

 

相手陣内をジグザグ横切るような動きで交わすドリブルを繰り返す。アジアの強豪を意識した攻めの形。

 

20150630yamakenvoice7.jpg

 

PKの精度と速度を高める練習。ネット裏では、スピードを測定。しっかりボールにミートし、方向付けできているか。一般的にブラサカではPKの成功率は高くない。だからこそ、PKのチャンスをものにすると、試合を有利に運ぶことができる。

 

記者発表会で、黒田選手は最後に、「戦っているのは自分たちだけではない。チーム全体、さらに観客も一緒に最後に喜び合いたい、というイメージを持って、大会までの2か月間、準備したい。」と強い決意を話してくれました。ドリブルが得意な中国を想定して、7月下旬にはスペイン遠征も予定されています。

 

もう悔しい思いはしたくない。チーム一丸となって、そして応援する私たちも一つになって、リオ行きのキップを勝ち取りましょう!!

 

20150630yamakenvoice8.JPG

 

アジア選手権のポスター。「同じ夢を見よう。見えない人も、見える人も。」

 

【過去ブログ】
Road to Rio vol.13「“信頼力”がチームを変える ~ブラインドサッカー日本代表~」
Road to Rio vol.14「音をうまく“利用”せよ ~ブラインドサッカー世界選手権~」


リオ・ピョンチャン・そして東京へ。

すべてのパラリンピックを盛り上げるために、ハートネットTVは取材を続けていきます。 選手への応援メッセージや「この競技をしりたい!」「これをやれば関心が高まる」などたくさんのアイデア、応援メッセージや感想、お待ちしております!

コメント

※コメントはありません