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【出演者インタビュー】服部万里子さん「今回の制度改正は、多くの人に不安を与えているのでは」

2014年05月01日(木)

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5月6日放送(5月13日再放送)
シリーズ どうなる?私の介護保険
第1回 サービスが使えない!?
―制度改正の波紋―
ご出演の服部万里子さんにメッセージをいただきました。

 

《服部万里子さんプロフィール》

NPO渋谷介護サポートセンター・事務局長。ケアマネージャーとして現場で働きながら、介護保険制度に様々な提言を行っている。

 

 

――国は今年6月に介護保険制度の大幅な見直しを盛り込んだ法案
地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための
関係法律の整備等に関する法律案』
)を成立させる予定です。
今回はそれが“現場”に与える影響などを見ていきましたが、
どのような感想を持ちましたか。

介護保険制度の改正はいま国会で論議になっていますが、
多くの人は「具体的な内容がわからない」と思うので、
今回特集を組んでいただいて非常によかったと思います。
実際に利用されている方の声や、ご家族の声を聞いていただけたので、
マスメディアとしての役割も果たせたんじゃないかと思いますね。

 

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――今回は《要支援》の方に対する影響を見ていきましたが、
特にどのようなことを伝えたいですか。

支援が必要な方は「一人暮らし」のケースが非常に多いので、
声を挙げられない場合もあります。
家に引きこもってしまうとか、諦めてしまうとか、
そういうことがないように、できるだけ声を拾ってもらいたい。
そういう役割を担うのが《行政》だと思いますので、
「声を出せないでいる人の話を聞く」ということが必要だと思います。

 

――《課題》はどのようなところだと感じていますか。

特別養護老人ホームへの入居を待っている方がこの数年間で10万人増えた、
そして待っている間に亡くなってしまうという状況があるなかで、
さらに新規入所者の入所基準を「要介護度3以上」にした場合、
独居で認知症の方や多くの家族は絶望するんじゃないか、
虐待も増えるんじゃないかということを非常に気にしています。
施設に入れなかったらじゃあどうするのか。
在宅で受けられるサービスがあるのかと言えば、
ヘルパーさんの数はいま本当に足りていないし、
事業所もどんどん閉鎖しているわけです。
なんのために『介護保険制度』があるのかという話になりますよね。
今回の制度改正は、これから高齢になる方に対しても、
いま介護している家族の方に対しても、大きな不安を与えていると思います。
日本は世界で最も高齢化が進んでいるわけですから、
そのモデルになるような介護保険にしていかなければいけません。
そのためにも多くの人が国会に注目して、
少しでも現場の声が反映されるようひとり一人の行動が必要だと思いますね。

 

※介護保険の見直しを盛り込んだ法案は、6月中には成立する見込み。国は7月には全国の自治体に向けてガイドラインを発表する予定です。新しい制度の施行は、来年2015年4月から。なお、要支援者のためのサービスを市町村の『地域支援事業』へと移行する時期は、来年度から「3年の試行期間」が設けられています。

 

◆5月特集<どうなる?わたしの介護保険>放送予定
本放送:夜8時00分~8時29分
再放送:午後1時5分~1時34分

第1回 サービスが使えない!? ―制度改正の波紋―
2014年5月 6日(火) 再放送5月13日(火)

第2回 引き出せるか?“地域の力”
2014年5月 7日(水) 再放送5月14日(水)

第3回 “地域包括ケアシステム”って何? 
2014年5月 8日(木) 再放送5月15日(木)

第4回 反響編
2014年5月28日(水) 再放送6月 4日(水)

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