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【出演者インタビュー】結城康博さん「将来だけでなく"今"もサポートしてほしい」

2014年05月07日(水)

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5月8日放送(5月15日再放送)
シリーズ どうなる?私の介護保険
第3回 “地域包括ケアシステム”って何?
ご出演の結城康博さんにメッセージをいただきました。

 

《結城康博さんプロフィール》

淑徳大学・教授。厚生労働省・社会保障審議会介護保険部会の委員も務め、独自の視点で政策の提言を行っている。

 

 

 

――第三回は住み慣れた自宅や地域で暮らし続けられるように、
「医療・介護・介護予防・生活支援・住まい」の5
つのサービスを
一体的に受けられる地域包括ケアシステムについて見ていきました。
収録の感想を教えて下さい。

私が感じたのは、国が進めている《地域包括ケアシステム》は「将来へ向けた政策」なので、
高齢者が「いま望んでいるサービス」との間に乖離があるということですね。
政府は2025年に向けた制度をつくることに重きを置いていますが、
現場の高齢者や介護従事者たちは“今”もサポートしてもらいたいということなんです。
今回、政府でその中心となっていた中村先生(地域包括ケアシステムの提唱者)と
議論させていただきましたが、「“今”に対しての対応策」はあまり聞けませんでした。
やはり現場と政府の考え方に溝があるのかなというのが私の率直な意見です。

 

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――地域包括ケアシステムという制度についてはいかがですか。

《将来の方向性》としては非常に賛同できますけども、
心配なのはその《方法論》ですね。
例えば「在宅サービスをもっと増やすためにどうするのか」ということや、
「ヘルパーの時間数や人数をちゃんと保証できる政策」はあまり打ち出されていないし、
どこか「“ボランティア”に依存」してしまっているフシがある。
“ボランティア”は地域によって差がでますから、いい人に出会えるかどうかは運ですよね。
そういう不安はやはり拭えなかったなという。
そして、いま特別養護老人ホームの入居に約10万人が待っていますが、
それについては「将来的に作っていきますと」いうことでした。
やはり“スピード感”があまり感じないんですよね。
現場としては《地域包括ケアシステム》と言われても、
結局は「机上の空論」で、「一部の地域しかできないのじゃないのかな」と思う人が
多いのではないかと思います。

 

――「シリーズ どうなる?私の介護保険」として三回にわたり放送してきましたが、
改めて視聴者の方にはどのようなことを伝えたいですか。

『介護保険制度』の改正というのはもう1年以上前からずっと議論してきましたが、
ちょっと国民の意識が低いのかなと感じます。
国民がもっと介護に関心があれば議論もより活発になったかもしれません。
「制度が改正されて、困った時にそれに気づく」ということになると、
結局“一番困るのは弱い人たち”です。
これだけ高齢者率が高くなっていくわけですから、
やはり国民のみなさんには、「介護は自分の身近なことだ」と気に留めて頂きたいですし、
このシリーズがそのきっかけになればいいなと思います。

 

 

◆5月特集<どうなる?わたしの介護保険>放送予定
本放送:夜8時00分~8時29分
再放送:午後1時5分~1時34分

第1回 サービスが使えない!? ―制度改正の波紋―
2014年5月 6日(火) 再放送5月13日(火)

第2回 引き出せるか?“地域の力”
2014年5月 7日(水) 再放送5月14日(水)

第3回 “地域包括ケアシステム”って何? 
2014年5月 8日(木) 再放送5月15日(木)

第4回 反響編
2014年5月28日(水) 再放送6月 4日(水)

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