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【大会8日目】NHKソチパラリンピックスノーボードクロス解説者・二星謙一さんに聞く。

2014年03月16日(日)

大会8日目の放送を終え、
スノーボードクロス解説者・二星謙一さんお話を伺いました。

二星謙一さん
障害者スノーボード協会 代表理事
スノーボードクロスのコーチも歴任されています。

20140316_niboshi001.JPG障害者のスノーボードを普及されている立場からご覧になられて、どの辺が1番魅力だという風に思われますか?
見るのも面白いですし、実際やってモトクロス的なウェーブやらジャンプやらバンクというセクションをクリアするっていう・・・コースを攻略する楽しみが1番ですね。


例えば義足の人だと乗れないかもしれない、でもモトクロスみたいなことができる、そういうある種1回あきらめてしまわなきゃいけない事が出来るようになるのがいいな、と。しかもジャンプとかスリル満点な事が出来るのは魅力ですね。日本ではまだまだ、ということですけれどどうやって今後広げようとされていらっしゃいますか?
自分自身は協会を立ち上げて啓蒙活動ということで、まずはスノーボードをやっていらっしゃる障害がある方がどれぐらいいらっしゃるのかをいろんなところに発信して、そして集まってもらって。そこから一緒に滑ろうよっていうような機会を作っています。、そこから技術的なものを教えるという講習をしたりとか、講習を支えるサポーターの方々を協力を仰いだりとかしています。草の根には近いんですけれど、一歩一歩進めているというところです。


初心者でも連絡すれば参加できる感じですか?
本当にブーツをはくところから、初心者も教えています。

普通の義足で大丈夫なんですか?
普通の義足です。本当にスノーボードを初心者じゃなくてやりこんだ人は、やっぱりそれ用の義足は用意しています。

そんな義足があるんですか!
若干セッティングを変えたものをまず用意して。例えば足首の方をもう少し前傾が曲がるようにして、体重移動がしやすくなるとか。スノーボード用の義足っていうのも数は少ないのですが、継ぎ手の部分がパーツで出ているところもあります。需要がどのぐらいあるのかはわからないのですが・・。ただ、講習の参加者の方はわりとマイ義足と、もう1つサブ(義足)をもってきて、ボードの時はそれを使う感じです。普段ばきの義足があるという事で。

普通にとりあえず体験する時はいつも使っている義足でもいいのですか?
OKです。まずそれでやってみて、もしそれで本当におもしろいなと思ったらそれ用のを考えるということです。

今、義足をはいている人はどれぐらいらっしゃいますか?
本当に地域も限られて、まだ講習を始めて日が浅いので、10人15人単位なんですけれど。もっと掘り起こせば何十倍もいると思います。

さすがにグラス では出来ないですか?
ちょっとリスクが高いです。やっぱり義足のスノーボードと一緒で道具の1つだと考えていただいたほうが。それをいかに使いこなすかっていう部分ではやっぱりそれ用に特化したものをはいてやると初めての方でもスムーズに行く部分はあると思います。

スキーとスノーボードを多分両方やられているような方もいらっしゃると思うのですが、スノーボードの1番の魅力っていうのは義足をはいっていらっしゃる側からだと、どのあたりだと思われますか?
まずまず義足でもできるということが今回の大会で伝わったと思います。本来は片足だけで滑る、というのはなかなか皆さん始めに怖がられるんですね。義足があることによってちゃんと健常者と同じような滑り方も出来るし、トップの選手の滑りを見ていただくと、多分普通に生活していればこの人は義足かどうかっていうのは分からないかもしれません。だからそういう部分では全然スノーボードはスキーよりもやりやすい部分が多いのでは無いかと。馴染みやすい部分が多い、とっかかりやすいという部分では魅力かなと思います。


20140316_niboshi002.jpg

今までやっぱり両足義足になってしまうとチェアスキーしかないという選択肢、まあ立位で滑っている人も中にはいますけれど。それが、今回、エイミー・バーディーが見せてくれたように、スノーボードもっていう、可能性を広げてくれたのかもしれないですね。
チェアボードもあるんですよね。

そうなんですか!
こういう風に選択肢が広がるってすごくいいことだと思います。

やっぱりスポーツをもう1回楽しむっていうことが社会と繋がる接点にもなるかもしれないですね。
そうですね。今の状態では本当に義足さえあれば例えばチェアも用意する事もなく、そのままの道具でそのまま始められるっていうのはいいですね。

ボードさえあれば。
特別なものはいらないと。

手軽に始められるますね。
そういうところはあると思います。

スノーボードの競技は終わってしまいましたけれど。二星さんは健常者のコーチもされていましたが、オリンピックとパラリンピック、違うところや見てほしいところはありますか?
障害者ののスノーボードでは、上達すると本当に健常者と見間違えるばかりの事が出来るようになるので。ちょっと逆説的ですけれど、そういう部分はおもしろいなと。

一緒に楽しく滑ることができる?
 はい。ボードをはくことでハンデは克服出来るというか。そこが面白いと思います。

 

◆シリーズ ソチパラリンピック
3/20(木)夜8時、熱戦の舞台裏を生放送!


 

過去放送
(1)目指せ!“ぶっちぎりの速さ” ―アルペンスキー 狩野亮―
(2)攻めてつかめ!まだ見ぬ“金” ―アルペンスキー 鈴木猛史―
(3)究極の走りへ!最強ロシアに挑む ―ノルディックスキー 久保恒造―
(4)ただひたむきに 前へ ―ノルディックスキー 出来島桃子―

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