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【ディレクターレポート】ソチ取材:3月8日~10日

2014年03月11日(火)

ソチ・パラリンピック担当ディレクターKです。
大会が始まりました。
こちらでは取材の裏側をお伝えできればと思います。


◆3月8日(大会2日目)
バイアスロン会場で取材をしていました。
久保選手が銅メダルを獲得した瞬間を、観客席で、
日本の企業チームや選手のご家族で構成される応援団とともに迎えました。

20140311_kawahara000.jpgのサムネイル画像
この日は注目競技ラッシュ、メダルラッシュでばたばたしていて・・・
2日目の放送からの写真です。

観客席はおそらく9割近くがロシア人。
ロシアの選手が射撃を一発撃つごとに割れんばかりの歓声があがり、
ロシア以外の選手が外すと、また大きな歓声があがる。
この中で試合をするロシア以外の選手は大変だろうな・・・と感じました。
まさに、超アウェーの中で、選手たちは戦っています!



◆3月9日(大会3日目)その1
20140311_kawahara001.JPGのサムネイル画像メダルセレモニーの後取材を受ける
狩野選手(手前)と森井選手(奥)


アルペン会場の観客席で男子スーパー大回転を取材。
座位の森井選手・狩野選手のご両親にお話を聞きながら観戦しました。

アルペンチームといえば選手たちの仲の良さ、チームワークが特徴ですが、
選手のご家族どうしも結束が強い!




前日の滑降で転倒し体を強く打っていた森井選手が
トップのタイムで滑り降りると
「体が痛い中よくやった!」狩野選手のご両親がたたえ
その後狩野選手がこの日トップのタイムで滑り降りると
「やっぱり亮くんは強いね。“神”だね!」森井選手のご両親がたたえる・・・
二人のメダル獲得が決まったあとには、
お母さんどうしがかたい握手を交わす姿も見られました。
狩野選手のお母さんの
「大輝くんがいなければ、亮はここまで強くなれなかった」
という感謝の言葉が印象的でした。


レースを終え会場から帰る途中、
ハートネットTVでお世話になっている
ジャーナリストの宮崎恵理さんにお会いしました。
手には、選手がフラワーセレモニーで受け取る花が・・・?!

「どうしたんですか?」ときくと、
森井選手からプレゼントされた、とのこと!

20140311_kawahara002.JPG
現地で取材をしている宮崎恵理さん。アルペン男子スーパー大回転の競技会場にて。


宮崎さんは、
森井選手が競技を始めて、初めて取材をした人」なのだそう。
長野パラリンピックを病室で見たのをきっかけに、
チェアスキーを始めたという森井選手。
最初に出たソルトレイクパラリンピックの前から、
宮崎さんは10年以上取材を続けているそうです。

花を受け取った宮崎さん、
「最初はチームで下っ端の若造として競技していた選手が、
 今はみんなをひっぱるチームのリーダーとして戦っている。
 
森井選手の歴史を見続けてきた自分に花をくれたことは、とてもうれしい。
 取材者冥利につきる。」

と話してくださいました。

選手本人だけでなく、
周囲のたくさんの人の思いが詰まった一戦一戦なのだと感じた取材でした。



◆3月9日(大会3日目)その2
私がアルペン会場に行っている間に、
ノルディック会場では、久保選手が出場する
クロスカントリー男子(座位)15kmが開催されていました。
この日は、“最強”ロシアチームが表彰台を独占。

20140311_kawahara003.JPG
クロスカントリー15km(座位)で表彰台を独占した3人。
中央が初日のハ゛イアスロンから2日連続で金メダルをとったロマン選手。
左のザリポフ選手は初日メダルを逃していたため、この日銀メダルを手にして終始笑顔でした。



中でも連日金メダルを獲得したロマン選手は、本当に強い!
11日のバイアスロン・ミドルのレースで久保選手は勝つことができるか?!
会場で見守りたいと思います。


20140311_kawahara004.JPG
1日の取材を終えて帰るときに、ローザフートル(山側)の町中で見かけた
ノルディック・ロシアチームの車。
大所帯のロシアチームはこうした車を数台所持しているようで、
ここにワックスやスキー板を積み込んで大会を転戦しているそうです。




◆3月10日(大会4日目)
20140311_kawahara007.JPGのサムネイル画像高校生・アルペン女子村岡桃佳選手の
パラリンピックデビュー戦・アルペン女子スーパー大回転を取材しました。
月曜というのに会場は満席。
村岡選手、惜しくも旗門不通過で失格でしたが、転倒者が続出するコースを転ばずに滑りきりフィニッシュエリアで話したときには笑顔も見られました。

 



 

 

先輩の森井選手、狩野選手、鈴木選手が応援する横で取材していました。
若い村岡選手のレースに、日本人だけでなく、
観客席にいた外国人たちも大きな歓声を送っていました。

取材中、森井選手から興味深い話を聞きました。
ちょうどとなりにいたのが、
オランダからきたアルペンスキーのジュニア選手たち。
4年後のピョンチャン大会を見据え、
大会を見に連れてきてもらったのだそうです。
(こうした取り組みの中心にいるのは、森井選手たちともとても仲がいい
 アルペンスキー(座位)オランダ代表の
 ファン・デル・クロースター選手だそう。)

20140311_kawahara006.JPG
3月10日のアルペン女子スーパー大回転の会場に来ていたオランダのジュニア選手たち。
真ん中の選手は14歳で、まさに将来のパラリンピック代表を担う選手です。
先輩たちの戦いを見た彼らは、帰ったあと、
きっと大きな目標と高い意識をもってトレーニングに励む。
4年後、日本のチェアスキー選手を脅かす存在になるかもしれない。



今は“最強”ではないけど、
海外勢は将来に向けて着々と選手を育て、勝つための準備をしている。
日本は、果たしてここまで将来を見据えた取り組みができているのか。
その場しのぎの短期的な取り組みだけでなく、もっと先を見据えて、
選手の発掘や、育成、強化をしていかなければならないのではないか。

村岡選手の力強い滑りとキラキラした笑顔を見て、
そしてノルディック会場から入ってきた
阿部友里香選手の8位入賞のニュースを聞いて、
日本のパラリンピック選手の将来を楽しみに思いながら、
「これからも海外に勝ち続け、日本選手が強くいられるようにするためには
もっと危機感をもって変えていかなければならないところもある」
と考えさせられた1日でした。

 

20140311_kawahara005.JPG
村岡選手が戦ったアルペン会場の観客席の外で、入り口のようなところ。
奥には、観客を乗せたバスが到着するバス亭や屋台があります。
この日は快晴で汗ばむ陽気で、帰りは長袖のTシャツ一枚で帰ることができました。


 

◆シリーズ ソチパラリンピック
ダイジェスト番組
大会期間中、競技の結果を毎日、30分のダイジェスト番組でお伝えします。


過去放送
(1)目指せ!“ぶっちぎりの速さ” ―アルペンスキー 狩野亮―
(2)攻めてつかめ!まだ見ぬ“金” ―アルペンスキー 鈴木猛史―
(3)究極の走りへ!最強ロシアに挑む ―ノルディックスキー 久保恒造―
(4)ただひたむきに 前へ ―ノルディックスキー 出来島桃子―

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