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IPC国際パラリンピック委員会フィリップ・クレイバン会長に聞く

2014年03月07日(金)

ソチパラリンピックの開幕を控えて
IPC=国際パラリンピック委員会のフィリップ・クレイバン会長が、
NHKのインタビューに答え、
「パラリンピックが世界を変化させることを
 ロンドン大会に続いてソチ大会が明確にする」
と述べ、
大会が社会に与える影響を強調しました。

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Q.クレイバン会長は車いすバスケットボールのパラリンアンであり、
2001年から現職にあります。
パラリンピックはどのように変化していますか?

2001年末に会長に就任してからをふり返ると、
私にとってのキーワードは、常に「スポーツ」でした。
私の頭の中には「障害」という言葉は一度も存在したことがなく、
その言葉を使う必要はありませんでした。

パラリンピックとはスポーツであり、皆アスリートなのです。
それこそ、この12~13年間、私達がやってきたことです。
このパラリンピックの位置づけは、
ロンドン大会が収めた大成功と今回のソチで 明確になっています。



Q.パラリンピックが社会に与える影響とは?

社会は劇的に変化したと思います。
それまで、個々の「機能しない」部分に注目していた人たちが、
一度パラリンピック競技に触れれば、
「機能する」部分に気づかせることができます。

パラリンピック選手にはその力があるのです。
「ネガティブ」な見方から「ポジティブ」な見方へ、
変化が一瞬にして起こる
のです。



Q.ソチの何が変わったか、何が変わってほしいでしょうか?
ロシアの人たちはパラリンピックの競技レベルの高さに驚くでしょう。
オリンピックと違いがなく、
オリンピック選手もパラリンピック選手も、
同じアスリートであることが分かると思います。

さらに、そのスポーツから得る喜びが見る人に伝わり、
人々の考えが変わり、
ついには国の考えまでが変わるのです。
ネガティブからポジティブな方向に変化するのです。

組織委員会とロシア政府は、
バリアフリーの環境を作り出すことに力を入れています。
その結果、社会に属する全ての人々が隔たりなく移動できるようになります。
競技会場やソチの街を訪れると、誰もが感じることですが、
ここではバリアフリー化がすでに達成されています。
大会後はそうした動きが、ロシア全土に広がるでしょう。
ロシアは世界のなかで圧倒的に国土が広い国です。
そのような国の政府が法律を整備して、
バリアフリー化を確約したことは非常に画期的なことです。



Q.2020年の東京大会まで6年です。

すでに日本では、考え方の面で劇的な変化が表れています。
パラリンピックがこれまでの福祉を司る省庁ではなく、
スポーツを司る省庁の管轄下になることも変化の一つです。
もちろん、過去に福祉政策のもと、
パラリンピックスポーツが発展したきたことも忘れてはいけません。

こうしたことから、東京で開かれるパラリンピックは、
最高のものになると確信しています。
ソチと同じように、
日本という国に大々的な変化をもたらすことは間違いありません。

東京が2020年大会の開催都市に決まる前に、
日本パラリンピック委員会は、
2030年に向けてのビジョンを打ち出していますが、
2020年の東京大会がその変化を一気に加速させる、
素晴らしい手段になることを願います。

   

◆シリーズ ソチパラリンピック
ソチパラリンピック ~開会式~
2014年3月8日(土) [総合] 午前1時00分~ ※7日(金)深夜
冬のパラリンピックでは初めて、
開会式すべてを地上波で生中継します。

ダイジェスト番組
大会期間中、競技の結果を毎日、30分のダイジェスト番組でお伝えします。


過去放送
(1)目指せ!“ぶっちぎりの速さ” ―アルペンスキー 狩野亮―
(2)攻めてつかめ!まだ見ぬ“金” ―アルペンスキー 鈴木猛史―
(3)究極の走りへ!最強ロシアに挑む ―ノルディックスキー 久保恒造―
(4)ただひたむきに 前へ ―ノルディックスキー 出来島桃子―

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