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障害者虐待、なぜ繰り返されてしまうのでしょうか?

2013年12月16日(月)

番組ディレクターWです。
今月、国会で承認された国連の「障害者権利条約」
一体どんな条約なの?という声を受けて、
このブログでも解説を始めています。

ごくごく簡単にその“こころ”をお伝えすると、
「障害があっても、その人らしく暮らせる、
 あたりまえの権利と自由を認めよう!」

ということです。

もう一つ大事なポイントは、
「私たち(=障害者)ぬきに私たちのことを決めないで!」
ということ。
障害者のみなさんと共に考え、
これから具体的にどんなことに取り組んでいくのか、
日本に暮らす私たち一人一人の行動に、
すでに条約を批准している世界各国が注目しています。

ところが…
先月26日、とても悲しい事件が起きていたことが明らかになりました。
千葉県袖ヶ浦市の福祉施設に入所していた重い知的障害のある19歳の少年が、
職員から腹を蹴られるなどの暴行を受けた翌日に呼吸困難となり、
搬送先の病院で死亡していたことがわかったのです。
 


千葉県が立ち入り検査を行ったところ、
5人の男の職員が、亡くなった少年に対して日常的に腹を殴ったり、
首を絞めたりする暴行を加えていたことを認めました。
このうち1人は、県に対して
「支援がうまくいかず手を出してしまった」
などと話しているということです。

「障害者権利条約」批准に向け、様々な動きが始まっていく一方で、
今回のような現場で起きている現実とのギャップ…
私たちは、この落差を改めて重く受け止めなければならない
と考えています。


ハートネットTVでは、今年、障害者虐待をテーマに、
なぜ虐待が起きてしまうのかを2回にわたって取り上げました。
▼6月20日放送
 障害者からのSOS
 ―「障害者虐待防止法」施行から8か月―
▼7月22日放送
 ハートnet Beyond
 「そもそも虐待があったとしても声を上げられないのでは?」


そこで、虐待を受けた障害者や、
かつて施設で虐待をしてしまったという職員の方への取材を通じ、
重い知的障害のある方への支援の難しさや、
現場で職員の皆さんが直面している課題について考えてきました。

しかし、放送から半年、先月国がまとめた調査では、
全国で1500人を超える障害者が虐待を受けていたことが明らかとなり、
さらに今回の事件では、日常的に虐待が行われていたにもかかわらず、
結果として利用者が命を落とす事態に至ってしまいました。


なぜ、こうした虐待が繰り返されてしまうのでしょうか?
今後、障害のある人もない人も同じように、
社会の一員として尊厳をもって生活していくためには、
今回の事件をどのように受け止め、
どんな取り組みを始めていくべきでしょうか。

コメント

虐待についてはいつも、許せない部分もありますが、スタッフの低賃金で、いつも残業で、トラブル時は帰れないなどの大きなストレスを抱えています。もちろん、虐待やネグレクトはいけないことです。
しかし、仕事で余裕がないスタッフのそして低賃金のスタッフにそこまで要求してもむりがあるといつも感じます。
頑張っても報われず、スキル次第で報酬額が上がれば違いますよね。

投稿:文聞 2014年04月30日(水曜日) 22時11分