本文へジャンプ

【出演者感想】ダンカンさん「残念ながら日本の認知症を取り巻く環境は良いとは言えない」

2013年07月01日(月)

7月1日放送(7月8日再放送)
シリーズ認知症 “わたし”から始まる
第1回 462万人 ―自宅で暮らしたいけれど―
にご出演のダンカンさんに収録の感想を聞きました。

 

20130701_dankan.jpg

――第1回では、認知症を取り巻く日本の現状を見ていきましたが、どんな感想を持ちましたか。

認知症の方々を取り巻く現状がね、残念ながら我が国にはまだいい方向が見えてないという現実を見せられましたよね。認知症の方がいい方向にいくことはもちろんですが、このままだとその周りの、介護をなさっている方とか、家族が共倒れになってしまうんじゃないかっていう方が心配ですよね。認知症の方のことを思うがあまり、もしかすると自分の人生さえもなくしてしまっていいのだろうかという。本当にそういう状況に日本は近づいてきているんだなってことを目の当たりにしましたね。

 

――これからは、“団塊の世代”の認知症の方が増えていきます。

上の世代の方たちというのは、どこか共通の精神ってあったと思うんですよ。
戦争を経験して、厳格な時代に生きてきて。
しかし団塊の世代の人たちっていうのは、
私が思うにそれぞれが自由で、
自分の人生というものを持っている。
だから、そういう人たちが認知症になったときに、
その尊厳をきちんと守ってあげながら見守るっていうことは
これまでの何倍ものパワーが必要になってくると思うんですよね。
その辺どうなってしまうんだろうという。
気持ちの準備だけはしておかなくちゃいけないでしょうね。

 

《ダンカンさんプロフィール》
タレント。去年認知症をテーマにした小説「パブロフの人」を発表。
その取材で介護実習を行い、ヘルパーの資格を取得。

コメント

私は介護支援専門員(ケアマネージャー)をしています。在宅で可能な限り生活を送りたい…といった認知症の利用者も数多く担当させていただきました。出来るだけ自宅で生活を送りたい、それに援助したいと思いますが、地方の介護サービスはもとより、インフォーマルなサービスも整っていません。ご夫婦で認知症、また一人暮らしの方もかなり多いですが、ガスコンロの不始末や、水の出しっぱなしなどなんて日常的です。近所の人は「ぼけているんだから、施設に入ってもらったほうが安全!!」と言う方がが圧倒的に多く、利用者本人の思いとは裏腹に、厳しい現実がそこにはあります。介護保険で軽度者は保険適用外の動きもありますが、特に地方などは、介護保険以外のサービスをきちんと整備していかないとやはり困難なことがたくさんあると思います。自宅で過ごせなくなったときは、やはり施設を頼ることが最終になってしまいます。でも施設に入る際は、自分が行える最大限の事をして、その利用者が困らない様にしていきたいと思っています。
私も祖母(2人)・舅が認知症と診断受けています。でも、出来ることはたくさんあり、祖母達は気をつけていれば家事も出来ます。舅は最近物忘れする事に関しての強い不安感・焦燥感を感じているようです。そのたびに何度もくりかえし質問受けます。まだその程度です。だた、直接生活を送っている母・姑などはかなりの不安を感じ、毎日を送っています。そこに私はどれだけ理解と援助が出来るか?常に悩んでしまいます。やはり家族は気が抜けないし、またその気持ちを敏感に感じる認知症の家族もいるわけです。ただ、出来る範囲では援助したいと気持ちだけはあるのですが、やはり先が見えない分、直接介護する家族は不安も強いです。適度に介護サービスなども利用して、共倒れにならないことも必要だと思います。
仕事上と家庭で、利用者も家族も、少しでもほっとできる時間や物事が多く生み出される様に、微力ながら援助したいと思います。

投稿:ミッツ 2013年07月02日(火曜日) 17時06分