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【みなさんのカキコミから②】"住まい"と"老後"~セクシュアルマイノリティーが抱える将来への不安

2013年06月19日(水)

シリーズ「多様な“性”と生きている」、
第4回までの放送を終え、いよいよ制作も大詰めを迎えました。
番組には続々とカキコミやメールが届いています。
ご意見を寄せてくださったみなさん、本当にありがとうございます!


20130619_LGBT.jpg
最終回の放送に向け、VTR編集中のディレクターK。


先日みなさんからいただいたカキコミの一部をご紹介しましたが、
引き続き、第2弾をお届けします。
今回は、6月5日の放送でも取り上げた、
セクシュアルマイノリティーの「住まい」と「老後」についての
カキコミに注目してみました。


まずは、番組でご紹介した「シェアハウス」について。
多様なセクシュアリティーを持つ人たちが、
ひとつ屋根の下で共同生活を送るという日本初の取り組みに、
「羨ましい」という声もあった一方、
複雑な感情を抱いた人も少なくなかったようです。

ぶちぶちさん
番組を見ました。おしゃれな家にセクシャルマイノリティーの人たちが共同生活。
同性の人が共に住む物件を探すのが難しい、この問題が解消された。
同じ悩みを持つ人たちが楽しく過ごす。
それは勿論結構なことです。いつも一人部屋にこもる私は、少し羨ましかった。
だけど…少し疑問も湧いた。
こうしてセクシャルマイノリティー同士でいるしかないのか…
最終の目的は、一般の社会で、偏見なく、普通にそこに居場所を持つことではないのか…


ミチルさん/20代
私は異性愛のストレートです。
多様な性の方が住むシェアハウス、放送見ました。
私には「追い出し」「隔離」のように映りました。
早く「シェアハウス」なしでもカミングアウトしやすく、
受け入れられる世の中になればいいと思います。


シェアハウスの背景には、
セクシュアルマイノリティーの人たちが地域で生活していくとき、
「住まい」の問題にぶつかりやすいという現実があります。
例えば、
「同性カップルで部屋を借りようとしてもなかなか見つからない」
「同居しているパートナーとの関係をどう説明していいのか分からない」
など・・・
こうした現状の中、
「多様なセクシュアリティーを持つ人たちが暮らしやすい場を創り出そう」
というのが、シェアハウスを立ち上げたNPOのメンバーたちの思いでした。

しかし、本来はカキコミにもあるように、こうした限定された場ではなく、
多様な“性”の人がいるということが
社会の中で当たり前に受け入れられる世の中を、
私たち一人一人が作り出していくことが
必要とされているのではないかと思います。

みなさんはこうした
セクシュアルマイノリティーの「住まい」の問題を、どのように考えますか?
ぜひ体験談・ご意見・メッセージをお寄せください。


また、「住まい」の問題を乗り越え、
同居しているというカップルの方々からも、
さらなる悩みが寄せられています。
それは「将来」や「老後」への不安の声です。

popoさん/30代
四国の田舎で同性パートナーとふたり暮らし中です。
ぼくの実家の敷地内にある別棟で、互いの両親公認のうえで同棲しております。
当人同士は『結婚』している感覚なんですが、
日本には同性結婚という法律がないので、
土地やお家の財産分与をどうしておくかとか、
これからちゃんと決めておかなければなりません。
公正証書とか、遺言とか、いくつかやり方はあるでしょうが、
希望を言うなればパートナーシップ法が早くできないかと思っております。


渚さん/20代
私は28歳、FtXです。
パートナーとは今年で交際6年を迎え、同棲して2年が経ちました。パートナーもFtXです。
一番、心配なのは【老後】のことです。
現在の日本では一般的な夫婦間ではある程度、社会的保障があり、絶対的な【夫】と【妻】という権利があります。それが同性愛では養子縁組をしない限り【友人】になってしまいます。もし、パートナーが突然の事故に巻き込まれ、意識がなく集中治療室へ入ることになった時、ほとんどの病院は【配偶者】【親族】しか入れないのです。そんな時こそ愛している人の傍に居たいのに同性愛者というだけで、傍にいることが出来ないなんて考えただけでも苦痛と屈辱で押しつぶされそうになります。


ライフプランを描いていく際に、
自分やパートナーを社会的に守るものがないことへの不安を訴える声が、
多くの方から届いています。
パートナーシップ法を制定したり、
同性同士のパートナーでも「配偶者」と同等の位置づけであることを
証明するものを作ってほしい…といった意見が目立ちました。

さらに、渚さんは「老後の不安」についても綴っています。

同性愛者の【介護】についても不安でしかありません。
現在のお年寄りの中にも同性愛者の方がいて、
苦痛な中、日々を送っておられる方もいらっしゃると思います。
もし自分が介護をされる立場になったらと想像するだけで苦しくなります。



また、こうしたセクシュアルマイノリティーの人たちの現状を、
今回の番組で初めて知ったという福祉関係者の方から、こんな声も届いています。

へなちょこケアマネさん/30代/ストレート
私は居宅のケアマネジャーをしています。
今まで仕事上、介護を必要としている人の
それまでの生きてきた過程がどのようなものであれ、
ありのまま受け止める「受容」をしていると思っていました。
でも、セクシュリアティーの面についてはまったく考えたことがなくて、
そこに気付いたときにはっとさせられました。
もしかしたら、今まで出会った人の中にも
言いたくても言えない・打ち明けられない辛さを抱えていた人が、
いたかもしれない。
同年代のゲイの男性はかなりの割合で、長生きしたくないと
自暴自棄になってしまうとのお話にはショックでした。
どうやったら力になれるのか、今は全く分からないのですが
少なくともこれから出会う、介護を必要とする人の中には
セクシュアルマイノリティーが居る。
居るかもしれないではなくて、居る。と思うことから始めてみようと
思います。


セクシュアルマイノリティーの人たちが、
「いるかもしれない」ではなくて、「いる」。
そのことを当たり前のこととして多くの人が認識できるかどうかが、
住まいにしても、老後の問題にしても、
問題解決の「鍵」となるのではないでしょうか。

あらゆるセクシュアリティーの人たちが、地域の中で自分らしく生活し、
すてきに年を重ねていける社会を作るためにできることは何か。
最終回に向けて、みなさんのご意見・体験談・メッセージをぜひお待ちしています!




◎番組スケジュールは(本放送=夜8時、再放送=午後1時5分)
本放送:6月3日(月)、再放送:6月10日(月)
→第1回「セクシュアルマイノリティーの子どもたち~現状~」
 

本放送:6月4日(火)、再放送:6月11日(火)
→第2回「セクシュアルマイノリティーの子どもたち~成長を支える~」
 

本放送:6月5日(水)、再放送:6月12日(水)
→第3回「自分らしく暮らす~新しい住まいのカタチ~」
 

本放送:6月17日(月)、再放送:6月24日(月)
→第4回「マツコ・デラックス “生きる”を語る」
 

本放送:6月27日(木)、再放送:7月4日(木)
→第5回「WEBの“声”に応えて」

 

コメント

初めまして。
私は15年目のパートナーが居ました。
約二年前に、私が刑務所に服役中に心筋梗塞で亡くなりました。
服役中は親族で無い為面会が出来ませんでした。
手紙でもやり取りしかなく、連絡が来なくなった為両親に頼み家に行ってもらった所私の自宅で息を引き取っていました。
彼は、HIVのキャリアと精神障害者であったため生活保護を受けていました。また、身内が居ないため無縁仏となりました。
生前【死んだら大好きな海に散骨をお願いします】 とお願いされていましたが、生活保護者であったので役所の管轄になったらしく、遺骨を私が引き取る事を告げても血縁関係のあったお母さんなどの連絡が出来れば一緒に来てもらって引き渡すことが出来ると伝えられました。
検死は警察がしているので、管轄の警察署に尋ねても個人情報の為にお答え出来ないとの返事がありました。
携帯電話やサイフなども警察に持っていかれたので身内に連絡さえもつけれません。
パートナーが亡くなっても何も出来ないもどかしさにショックでなりません。
早く、日本も理解のある国になって欲しいです。

投稿:こうじ 2016年01月29日(金曜日) 00時14分