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【取材記】LGBTを取り巻く現状について、みなさんの声をお寄せください

2015年03月27日(金)

東京・渋谷区は、同性のカップルに「結婚に相当する関係」と認める証明書を発行する新たな条例案を区議会に提出し、今月末、議決されます。可決されれば、行政が同性同士をパートナーとして証明する全国初の制度が生まれることになります。

また今月3日、文部科学省が、幅広い性的少数者への対応の必要性を明記した文書を学校・教育委員会向けにまとめたという報道がありました。これまで性同一性障害に限られていた国の対応が、同性愛者まで広げられることになります。また、性的マイノリティーについて検討する国会議員連盟発足のニュースもありました。


LGBT(性的マイノリティーの総称)への理解が徐々に広がり始めたことがうかがえるこれらの動き。しかし取材をすすめる中で、当事者にとっては、まだまだ様々な問題があることを痛感しています。


若者を中心に、性的マイノリティー支援を行っているNPO法人SHIPの代表にお話をうかがったところ…
SHIPが活動している神奈川県では、県教育委員会が管理職の人権研修を実施したり、リーフレットを作成し全教職員に配布したこともあり、少しずつ理解は高まってきているようですが、全国的には対応が進んでいないとか。

【取材レポート】LGBTもありのままでオトナになれる社会へ―大学生たちによる映画上映会&シンポジウム―

2015年03月26日(木)

日本の人口の5.2%と推計されているLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーなど性的少数者の総称)。東京・渋谷区では、同性カップルを「結婚に相当する関係」と認め、証明書を発行する条例案が区議会に提出されるという画期的な動きがあり、LGBTをめぐる環境も新たな段階を迎えています。
その一方で、差別や偏見を恐れてカミングアウトしていない人も多いことから、日常の場ではまだまだ可視化されておらず、理解が進んでいないのが現状です。

LGBTの若者たちが、ありのままでオトナになれる社会には何が必要なのか?
先日、明治学院大学のLGBTサークル「カラフル」の学生たちが中心になって、LGBTの現在と未来を考えるための映画上映会&シンポジウムが行われました。


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シンポジウムには、「カラフル」代表の倉光ちひろさんの他、「ハートネットTV」にも出演した性同一性障害の当事者・杉山文野さんなど7人のパネリストが参加。会場には学生を中心におよそ150人が集まりました。

【制作後記】「新しい住まいのカタチ」 & 盛岡発、LGBTリポート

2013年12月18日(水)

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こんにちは、番組ディレクターのTです。
シリーズ「多様な“性”と生きている」、第3回、いかがでしたか?
東京都内にある、セクシュアルマイノリティーが
暮らしやすいことを掲げたシェアハウス。
放送後、新たな入居者を迎え、みんなで食事や遊びに出かけたりと、
一つ屋根の下での暮らしを楽しんでいるそうです。

【LGBT応援メッセージ】(4) 社会学者・新雅史さん(アンコール放送に寄せて)

2013年12月16日(月)

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12月16日から始まる
「シリーズ 多様な性と生きている」
アンコール放送に寄せて
様々なジャンルの方々から、
日本のLGBTの皆さんへ向けた
メッセージを頂いています。
今回ご紹介させていただくのは、
社会学者・新雅史さん
からのメッセージです。


新雅史(あらた まさふみ)  
社会学者。1973年福岡県生まれ。
東京大学人文社会系研究科博士課程(社会学)単位取得退学。
専攻は産業社会学・スポーツ社会学。
現在、学習院大学大学院政治学研究科などで非常勤講師を務める。
著書に『商店街はなぜ滅びるのか―社会・政治・経済史から探る再生の道』。
共著に『大震災後の社会学』(遠藤薫編著)など。




LGBTについて書くことは、私にとって大変に難しいことです。
そのテーマについて書こうとすると、
自分が何者であるかを表明しないといけないように感じます。
それは半ば居心地のわるい感覚です。
わたしは、生物学的に男で、性的アイデンティティも男で、
そして性的対象が女性で、そして…。
このように自分が誰であるかを考えざるを得なくなり、苦しくなります。

しかし、それは自分の性について真剣に考えてこなかった代償なのでしょう。
LGBTというムーブメントに応答することは、
自分が「普通である」ことの特権性が奪われることだと思います。

 

【LGBT応援メッセージ】(2)同性婚ペア・室井舞花さん(アンコール放送に寄せて)

2013年12月10日(火)

16日から始まる「シリーズ 多様な”性”と生きている」
アンコール放送に寄せて、様々なジャンルの方々から
日本のLGBTのみなさんへ向けた
メッセージを頂いています。

今回ご紹介するのは、今年6月にパートナーと同性婚をした
室井舞花さん(26歳)から、当事者としてのメッセージです。


「ハートネットTV」の前身番組「ハートをつなごう」の放送が
始まった2006年は、当時19歳だった私の”LGBT元年”とも
いえる年です。

私が初めて女の子に恋をしたのは13歳の時。
しかし、淡い恋心を 抱いた同級生の彼女との
関係性の発展への期待は、友人たちにからかわれ、
疑いの目を向けられたことで打ち破られました。
「私は間違ってるんだ」と愕然とし、
「女の子に惹かれるということは、とにかく隠し通そう」と
決意した中学時代でした。
高校に進学しても、男の子に惹かれることはほとんど
ありませんでした。
「みんなと同じように男の子を好きになれない、やっぱり何か違う」
という気付きは、恐怖であり、誰にもいえない悩みとなって、
私の中に居座り続けました。

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室井舞花さん(左)と
恩田夏絵さん(右)


photo by Ueno Yoshinori

【LGBT応援メッセージ】(1)映画監督・森達也さん(アンコール放送に寄せて)

2013年12月06日(金)

12月16日から始まる「シリーズ 多様な性と生きている」

アンコール放送に寄せて
様々なジャンルの方々から、日本のLGBTの皆さんへ向けた
メッセージを頂いています。
今回ご紹介させていただくのは、映画監督の森達也さん
からのメッセージです。

mori-photo.JPGのサムネイル画像広島県呉市生まれ。テレビ番組制作会社に入社。
デビュー作は小人プロレスのテレビドキュメント作品。
以降、報道系、ドキュメンタリー系の番組を中心に、数々の作品を手がける。オウム真理教の荒木浩を主人公とするドキュメンタリー映画『A』を公開。
続編『A2』が、山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞・市民賞を受賞。
現在は執筆が中心。近著に、『A3』(集英社インターナショナル)、『僕のお父さんは東電社員です』(現代書館)、『311を撮る』(岩波書店/共著)などがある。





1、日本国内のセクシュアル・マイノリティ(LGBT)についておもうこと
 

 空気や普通を重んじるこの国は、昔から
少数派に対しては冷酷な一面がある。
特に明治以降は富国強兵の重要な要素として
「産めよ増やせよ」式のロジックが重要視されたから、
生殖に貢献しない恋愛は激しく忌避されたとの説もある。

 いずれにせよ意識としては、カトリック的倫理が息づいているはずの
欧米にすら、まだまだ追いついていない。とても残念だ。そして悔しい。

多くの個性があり多くの人がいる。幸せの形にも様々な組み合わせと
バリエーションがある。
当たり前のこと。
多数派が口を出せる領域ではない。
そんな自由で解放的な社会が、一日でも早く実現することを願う。



2、セクシュアル・マイノリティ(LGBT)の当事者へ

経済用語にクリティカルマスという言葉がある。
強引に訳せば「少数派が市場を変える」現象だ。
経済においては実は珍しいことではない。
ならば実社会にも応用できる。
もしも少しでも引け目をあなたが感じているのなら、
胸を張ってほしい。
顔を上げてほしい。闘うあなたたちを闘わないやつらが陰で笑う。
放っておけばいい。
あなたたちは少数派。
だから世界を変えられる力を多く持つ。

 

12月にアンコールを行うシリーズ
「多様な”性”と生きている」の関連情報はこちらになります。

 

 

【最終回 制作後記】ありがとうございました!

2013年07月04日(木)

こんにちは。担当ディレクターKです。
シリーズ「多様な“性”と生きている」最終回再放送を含め
全ての放送が終わりました。

放送をご覧になってくださったみなさん、
それからご意見・体験談などをお寄せくださったみなさん、
ありがとうございました!

私は、第1回・第2回と最終回で、
主に子どもたちをとりまく環境について番組を制作してきたのですが、
実は、多様な“性”というテーマについて取材をしたのは
今回のシリーズが初めてでした・・・

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取材の序盤は、まだ桜が咲いていました。(首都圏のある学校で撮影。)
お会いする中で、たくさんのことをお話しくださったみなさん、
本当にありがとうございました。

【みなさんのカキコミから③】未来に向けて~多様な"性"、多様な"生き方"

2013年07月02日(火)

一か月にわたって放送してきたシリーズ「多様な“性”と生きている」も、
7月4日(木)の第5回再放送を残すのみとなりました。
これまでにいただいたカキコミ&メールは、合わせて約430通。
悩みや体験談を綴ってくださったみなさん、
感想やご意見を寄せてくださったみなさん、
番組を応援してくださったみなさん、
本当にありがとうございました!

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撮影 山口美紀
レインボーフラッグ(虹をモチーフにした旗)は、
セクシュアリティーの多様性を象徴するものとして、世界各地のパレードなどで使われています。
さまざまな色が「共存」しているからこそ美しい。
私たちの社会も同じではないでしょうか…



カキコミの一部を2度にわたってご紹介してきましたが、
最終回は、セクシュアルマイノリティーの人たちから寄せられた
「当事者へのエール」や、「未来に向けてのメッセージ」をお届けします。

【出演者感想】「シリーズ 多様な"性"と生きている」小島慶子さん「『性』は『生』でもあると思う」

2013年06月27日(木)

6月27日放送(7月4日再放送)
シリーズ 多様な“性”と生きている「第5回 WEBの声にこたえて
にご出演の小島慶子さんに感想を聞きました。



20130627_kojima.jpgのサムネイル画像――今回は特に“子どもたちのセクシュアルマイノリティー”を中心に、Twitterやカキコミを紹介しました。どのような印象を受けましたか。

ただでさえ多感な思春期の子どもたちが、「体と気持ちがずれている」とか、
「同性が好きなんだけど、それって何かおかしいんだろうか」と悩んで、どんどん追いつめられて、自分なんていなくなってしまえばいいっていうところまで思いつめてしまうことがある。


それは、性同一性障害や同性愛など、
多様な性があるってことに先生たちも詳しくなかったり、
実際そういう生徒がいた時にどう対応すればいいのかが
あいまいだったりするからなんですよね。
本当に、全国どこに行っても同じ知識を持った人が
しっかり対応できる仕組みをつくっていかなきゃいけないと思います。
対応の遅れにびっくりしました。
 

【「シリーズ・多様な"性"と生きている」を彩るアーティスト】とんちピクルスさん(番組ブログ・イラスト制作)

2013年06月24日(月)

番組ディレクターTです。
27日の放送で最終回を迎える「シリーズ・多様な“性”と生きている」。
今日は、番組ブログのイラストを描いてくれた、
ミュージシャンの「とんちピクルス」さんをご紹介します。

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とんちピクルス:
福岡在住の松浦浩司さんのソロユニット。
ウクレレの弾き語り、ラップなど多様な表現スタイルで楽曲を発表。
セクシュアリティーはゲイですが、そのことを前面に出すことも、
ことさら隠すこともなく活動を続けています。