これからも、被災地を忘れない ~1年を終えて~
2013年12月27日(金)
師走。お正月の足音も聞こえるようになってきました。
今年もハートネットTVをご覧いただき、ありがとうございました。
番組2年目に入り、「見ていますよ」という声を聞くことが増え、
本当にうれしく思います。
一方で、番組で取り上げているような問題への関心の広がりは、
十分でないと感じています。
来年も、少しずつでも、生きづらさを抱えている人が前を向いていけるように、
多くの人の心に届く番組を作っていきたいと決意を強くしています。
「前を向いて歩いていく」
もうすぐ震災から3年を迎える被災地では、
少しずつ変化が見られています。
今年最後のブログは、東日本大震災の被災地の現状についてです。
今月、宮城県東松島市と福島県南相馬市に向かいました。
東松島では、地区をまとめている人、仮設住宅に入っている人など、
みなさんの“今の”声を2か所で聞きました。
去年、番組取材でお会いした人もいらっしゃいました。
仮設住宅の集会所の壁に貼られていました。「あおいくま」が皆さんの合言葉。
家を新たに建てたり、
復興公営住宅に入れることになったりして仮設住宅から出る人が増え、
“離れる”人と“残る”人の気持ちがぶつかることが出てきたそうです。
実際に、「仮設を出る」と仲間に伝えたところ、
「逃げたな」と言われた人もいました。
“1日でも早く仮設から出たい”
これは、仮設住宅に入っている大部分の人が思っている心情。
様々な事情で出られない人にとっては、
焦りや妬みにつながるのかも知れません。
一方で、お年寄りが多い地域であるがゆえ、
自治体が用意する復興公営住宅に入ることになっても、
本当にその場所が終の棲家になっていいのか、
迷われている人も多いそうです。
また一から地域を作っていくことに不安を感じている人もいました。
今回の訪問で、地道に活動しているみなさんと出会いました。
以前訪れた、障害のある人が通う、南相馬の自立研修所です。
▼支援に"終わり"はない~南相馬取材報告~ ③"継続"は"力"なり
私のことを覚えていてくれて、うれしかった~。黙々と、丁寧に作業していました
福島のことを忘れてほしくない、という気持ちを込め、
主にインターネットで缶バッジを販売しています。
その袋に、ひまわりの種が入っています。
「ひまわりを植えてもらい、開いた花を見て福島のことを思い出してほしい」。
その取り組みが、山形、長野、長崎、東京など
全国各地で花を咲かせ始めています。
学校で、企業で、地域で。写真や手紙も送られてくるそうです。
中には、ひまわりから獲れた種で油を回収し、
エコな事業に発展させた地域もありました。
まさに、“関心の種まき”です。
これが、作業所のみなさんにとってどんなに心強いことか。
「本当にありがたいです。勇気づけられます」と、
所長の佐藤定広さんが話していました。
“関心の種まき”。ハートネットTVも同じです。
私たち一人一人が未来へのビジョンをしっかり描けるように、
社会全体で考えるべき様々なテーマを伝え続けていきます。
来年もどうぞよろしくお願いします。
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