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居場所はどこに

2013年08月22日(木)

入国管理法に違反した外国人を収容している、法務省の入国管理センター。
全国に3か所ある。
そこに長期収容されている人を支援している団体のメンバーに、
先日話を聞く機会があった。
外国人たちは、強制送還を前提に収容されているという。


「収容されている人たちは、
 いつ強制退去させられるかわからないストレス、
 国内にいる家族との離別、
 施設内での抑圧的な対応、
 薬の投与が中心の不十分な医療などで、
 健康を害してしまう人が多い。
 精神的に不安定になって個人間のトラブルも。
 どうしようもないというあきらめから、
 疲弊しているように見える」。


30代前半のアジア人男性は、父親の政治活動を手伝っていたが、
政情不安で身の危険を感じ、日本に来たという。
当初は、ある職業の就労ビザでやってきたが、
実際は、ある事情でその職業に就いていなかった。
それが発覚し、収容所に入れられたという。

彼は、「法律は法律。それはわかっている」
と認めているそうだが、

「自分より後から収容所に入ってきた人が、
 先に仮放免(収容が長期化したり、体調が悪化したりすると、
 保証金を払った上で、一時的に収容を解かれることがある)で出ていった。
 これまで何回も、仮放免の申請をしたが、受理されていない」

「ここに来て2年近く。なぜ、自分は出られないのか」と、
自問自答を繰り返し、
眠れず、めまいや動悸がして、
精神的にかなり追い詰められているそうだ。


ここ(施設)にはHuman Rights(人権)がない」と
繰り返し訴えているともいう。


そして彼はため息を何度もつきながら、
人生の時間がもったいない。
 家族を作る時間、お金を作る時間・・・。もっとやりたいこといっぱいある」
「日本はいい国だと思って来た。でも違った。
 こちらの事情など聞いてもくれない」と話しているという。

収容所にいるのはつらい。
でも、身の安全を考えると、祖国に帰るのも難しい。板挟みだ。


自らの先々に光を見出せない中で、彼らは今日も生きている。
 

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