子どものてんかん
2013年07月08日(月)
先日、小児期のてんかん
(中学生までに発症した18歳までのてんかん。
小児人口のおよそ1%で見られる)の勉強会に行ってきました。
治るのが難しい種類のてんかんが一部あるものの、
治癒しやすいのは子どもだといいます。
適切なタイミングで、薬による適正な治療を施せば、
発作の抑制や治癒の可能性が高くなる。
そのためには、家族や学校、医師が連携して早期に気づき、
対応することが大事だということでした。
そのトライアングルのパイプを太くできれば。
北里大学医学部講師の岩﨑俊之さんによる講演。
臨床で接している子どもの例を挙げながら、熱のこもったお話。
一つ、14歳の中学生の例を挙げます。
▼運動部の練習中に突然意識を消失し、
ランニングを途中でやめてしまうが、
十数秒すると思い出したかのように走り始める。
脳波検査をしたところ異常所見がみられ、
内服による治療を始めた。
家族も、呼びかけに対する反応が遅いことに気づいてはいた。
→発作というと全身けいれんをイメージしがちですが、
すべてのてんかんがそうではない。
検査をするまで半年以上が経過し、
意識消失が病気とは認識されずに見逃される可能性もある。
▼その後、薬によって発作はなくなったが、
授業中に眠ってしまうようになった。
→授業中眠いのは薬の副作用のためだが、
日常生活が乱れている、もしくは不真面目だと
学校の先生が誤解することもある。
先生に、本人の状況、そしててんかんへの理解があれば、
その誤解は無くなるでしょう。
その誤解が子どもの将来の妨げにならないように、
医師と学校、保護者が
十分なコミュニケーションを取ることが必要だと思います。
「てんかん」に対する無知で、
▼プールに入れない、
▼修学旅行に行けない、など
制限を受ける子どもがいると聞きます。
それは避けたい。
てんかんがあっても充実した生活を送ることができることを、
子どものときから実感してほしい。
それには、私たち一人一人が一歩でも
「てんかんを知る」という志が必要だ。
そして知った人が周りに発信していくことも。
勉強会で配られた「てんかん発作日誌アプリ」のパンフレット。
記録が大事、ということ、去年のハートネットTVでも少しふれました。
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