クローズアップ現代

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2018年11月28日(水)
なぜ広がる?「退職代行」サービス

なぜ広がる?「退職代行」サービス

会社を辞める際に「退職代行」という新たなサービスを利用する人が急増している。空前の人手不足のなか、「ここまで育てたのに何だ」「損が出たら賠償請求する」などと会社側に執拗に引き留められ、悩んでいるケースが多いという。全国の労働局に寄せられる相談でも、「退職」に関するものが増え、これまで多かった「解雇」の相談を上回った。取材を進めると、会社側と若い世代との意識のギャップが、離職に拍車をかけていることも分かってきた。理想の職場を若者に尋ねる調査では、「活気がある」「皆が1つの目標を共有している」職場という回答が急減する一方、「互いに個性を尊重する」職場が過去最高を記録した。退職代行ビジネスを入り口に、従業員が置かれている状況を探り、会社と働き手、双方にとって円満な働き方を模索する。

出演者

  • 青野慶久さん (IT企業社長)
  • 武田真一・田中泉 (キャスター)

なぜ広がる? 退職代行サービス

サラリーマンの皆さ〜ん。会社を辞めたいけど言いづらいなあ…なんて思ったことありませんか?

退職を考えたことがある人
「わかります、めっちゃ。」

「やっぱり言いにくい。後ろめたい気持ちがあった。」

「育ててくれた先輩に申し訳ない気持ち。」

実は今、本人に代わって「辞めます」を会社に伝えてくれるサービスが広がっているんです。

「ご依頼を受けまして、退職のご連絡をさせていただいております。」

「御社を退職したい意向があるということですね。」

その名も「退職代行サービス」。この業者では、月に300人ほどの申し込みがあるといいます。
何で自分で言えないの?って思ったあなた。そこには、人手不足による企業の強引ともいえる引き止めがあるそうです。

(再現VTR)

「辞める時期はこっちで決めさせてもらうよ。」

中には、会社を辞めさせてもらえず、精神的に追い詰められたという人も出ています。

退職代行 利用者
「思うように体も動かなくて、体調を崩してしまって、仕事がうまくできなくなってしまった。」

今、全国の労働局には、退職に関する相談が殺到。かつて最も多かった解雇をめぐる相談を上回っています。その数、10年で2倍以上に。

広がる退職代行サービス。その背景には、一体何があるのでしょうか。

都内にある法律事務所です。今年(2018年)8月から、新たに退職代行のサービスを始めました。

退職代行サービスを提供 小澤亜季子弁護士
「いつごろの退職をお考えですか。」

仕事を辞めたいと言えない、辞められずに悩んでいる人に代わって、会社に退職の意思を伝えます。相談件数は月に30件ほど。20代から30代の利用者が多いといいます。
退職代行の仕組みです。退職したい人が弁護士や業者に代行を依頼。依頼人の勤めている会社に、本人に代わって退職の意向を伝えます。依頼人は、会社側と話すことなく退職ができるといいます。

退職代行サービスを提供 小澤亜季子弁護士
「仕事を辞めたくても辞められずに苦しんでいる。精神的、肉体的にギリギリの状態にある人の助けになるサービス。広がっていると感じます。」

そもそも、退職に会社側の承認は不要です。期間の定めのない雇用契約の場合、退職の申し入れから2週間で自由に会社を辞められると民法で定められています。それでも、なぜ多くの人が代行サービスを利用するのでしょうか。都内に住む、高橋大輝さん(仮名)です。今年8月、6年勤めた不動産関係の会社を、退職代行サービスを利用して辞めました。その半年前、高橋さんは幅広い経験を積みたいと、自ら社長に退職の意向を伝えましたが、受け入れてもらえなかったといいます。

高橋大輝さん
「“とりあえず考えておくよ”とか“もうちょっと待てよ”とか、結構、向こうも営業出身なので、うまいようにっていうですかね、あしらわれる形であんまり相手にされなかったですね。」

会社を休ませてほしいと連絡したところ、社長の態度が急変。激しく罵倒する言葉がSNSで届き、驚いたといいます。

高橋大輝さん
「まさかこういう対応されるとは思っていなかった。すごい慕っていた方だったので。」

意を決して退職届を直接手渡しましたが、受け取ってもらえませんでした。

高橋大輝さん
「もう気持ちは固いんでって言ってみたところ、ペットボトルを思いっきり投げつけられたり、ふざけたこと言ってんじゃねえよみたいな形で。そういう対応されたので、自分の力で辞めるのは難しいのかな。」

今、日本は深刻な人手不足に見舞われています。とりわけ厳しいのが中小企業です。大学生などを対象にした求人倍率は過去最高の9.91倍。1人の労働者を10の会社が奪い合っている状態です。

深刻な人手不足の中、企業の強い引き止めにあい、精神的に追い詰められたという人もいます。飲食店の店長を任されていた、加藤啓介さん(仮名)。職場の人手が足りず、毎月の残業時間は100時間を超えていました。激務で体調を崩した加藤さんは退職を決意。上司に伝えましたが、取り合ってもらえませんでした。

加藤啓介さん
「『辞めたいという意向はくみ取ってあげるけど、辞める時期はこっちが決めさせてもらう』みたいなふうに言われて、一瞬、思考止まりましたね。どういうことだろうなって。」

自分が辞めれば他の従業員に迷惑がかかることを申し訳なく思いながら、加藤さんは最後の手段として代行サービス業者にすがりました。

加藤啓介さん
「罪悪感はもちろん、もうすごいありましたね。(従業員は)大事な仲間だったけど、それを大事にするあまり、自分が壊れてしまうのでは、それは本末転倒なのかな。退職代行を使って良かったとは思っています。」

一方、代行サービスから突然従業員の退職を告げられた会社には戸惑いが広がっています。退職の理由が思い当たらず、不信感だけが残ったと訴えるケースを取材しました。東京や千葉で保育施設を運営している、田中久美子さん(仮名)です。今年10月、女性保育士から代行業者を通じ、退職を告げられました。

田中久美子さん
「ムードメーカーでニコニコ笑って、子どもから慕われる、いい保育士でした。」

新卒で採用した保育士のために寮を用意し、通勤は車で送迎するなど、手厚い待遇を心がけていたといいます。保育士は仕事に前向きに取り組んでいて、辞めたいというそぶりは一切見せなかったといいます。

田中久美子さん
「『今度は私がリーダーでやりたいです』みたいなことを、連休に入る金曜日におっしゃっていたそうなんですね。それで連休明けの朝に代行業者から電話が来たので、もう私たちは誰のことを言っているのか分からずに、とても困惑しました。」

退職の意思を直接伝えてもらえず、突然関係を断たれたことをいまだに納得できないといいます。

田中久美子さん
「私たちは信用性の上にたった関係だと思っていたんですけど、非常に私としてはショックでした。そこまでして辞めたいと思った理由はなんですかとお聞きしたいです。」

ゲスト 青野慶久さん(IT企業社長)

武田:退職代行を使う社員の側の苦しい状況を切実だと思いましたし、急に代行業者から退職を伝えられた企業側の戸惑いも分かります。

田中:今回、私たちが番組ホームページやSNSで退職代行について意見を募集したところ、さまざまな声が寄せられました。
「パワハラが堂々と横行している職場です。無事に辞められるなら代行サービスを利用したい」。一方でこのサービス数万円かかるんですが、「そんな高いサービス料を払って退職させてもらうなんて理解できません」という意見もありました。
また、退職代行サービスを利用せざるをえない切実な声も寄せられています。「残業が月に100時間を超える福祉関係の職場で働いています。“あなたが辞めたら残された人たちはどうなるのか、残された人たちのことを考えているのか”と情に訴えられて辞められないまま半年以上たっています」。
また、会社側からの意見も来ています。「突然退職代行なる会社から連絡があり、将来を期待していた3年目の若手社員が退社しました。クライアントにも多大な迷惑をかけました。彼の将来よりも、今後の日本社会に退職代行が与える影響を心配します」。

武田:IT企業の社長で、社員の多様な働き方の追求を続けている、青野慶久さん。
10年以上前、社長に就任された当初は28%もの離職率があったそうですけれど、今は4%まで改善しているという経験をお持ちだと伺ったんですが、こういった退職代行が広まっている現状をどう捉えていらっしゃいます?

青野さん:いやあ、ちょっとビデオを見るのがつらかったですね。私自身が、じゃあ利用するかというと、お金払ってまで頼むものではないかなと思うんですけれど、実際、今、日本は人手不足ですから、相当現場では引き止めも起こっているでしょうし、また、日本人って真面目なところがありますから、上司に育ててもらったとか、こういう感謝の気持ちがありますと、もう自分自身は辞めたいんだけれども、なかなかそれを思うと言いだせない。こういうようなこともあるんじゃないかなと推測します。

武田:逆に転職も一般的になっていますし、会社に勤めるという意識も変わってきていると感じますか?

青野さん:はい。やっぱりこの辺りは多様なところがありますね。1社に長く勤めたいという人もまだまだたくさんいらっしゃいますし、転職が当たり前だって思う人もいますし、この辺りが一様でなくなってきているというのが、この背景にあるんじゃないかなと思います。

武田:それにしても、何でこんなことになるのかという気がします。どうして自分で退職しますと言えないのかなとか、会社側にしてみれば、なぜそこまで辞めたいと思っている人を引き止めるのか。これをどう捉えたらいいんでしょうか?

青野さん:やっぱりなかなか言いだせない人っていうのは、精神的にも追い込まれていたりしますと、なかなか落ち着いて判断もできないですから。じゃあどうすればいいんだろうと悩んで悩んで、こういうメンタルで追い込まれているところもあると思うんですよね。また、この会社側が引き止めるというところでいきますと、実は引き止めているのは、よく見てみると上司であったり、経営者であったり、そこも人間だと思うんです。

武田:会社という存在じゃなくて人間?

青野さん:その上司からしますと、部下が抜けられますと気分的にも嫌な気持ちはしますし、また次の日からの仕事のことを考えると、自分がまた追い込まれるようなところもあって、ある意味、上司も自己都合で部下を引き止めているところもあるんですよね。

武田:辞める方も自己都合だけれども、上司も自己都合?

青野さん:そうしますと、ある意味、人間同士の対等な関係で話せると考えると、もうちょっと落ち着いて見られるんじゃないかなと思います。

武田:会社という漠然としたものに迷惑をかけると思っているけれど、そうじゃないということですか?

青野さん:実際には、会社も蓋を開けてみると、そこの中にいるのは一人一人で、会社のためにとか、会社に迷惑がかかるとか言いますけれども、実際に迷惑がかかるのは上司自身だったりして。上司はある意味、マネージメントの権限を持っていますから、突発的に人が辞めるのも前提でやっぱり仕組みを作らないといけないと。そう考えると、あんまり会社を背負い込んでいく必要もないのかなと思います。

田中:今回、番組に寄せられた声の中には、弁護士からの意見も数多くありました。弁護士法では、弁護士以外が法律的な交渉を行うことを“非弁行為”として禁じています。退職代行サービスの中には、弁護士法に抵触する業者もあるのではないかという指摘です。

退職代行サービス 広がる一方で課題も

退職代行が注目されるきっかけを作ったベンチャー企業です。

建設業や飲食、介護など、人手不足の業界で働く人から、月におよそ300件の依頼を受けるといいます。特徴は、気軽に利用できること。依頼はLINEなどのSNSからでも受け付け、直接会話する必要もないといいます。社員の中に弁護士はいません。会社の代表は、利用者の代わりに退職の意向を伝えているだけで違法ではないと主張します。

退職代行サービス『EXIT』 新野俊幸共同代表
「あくまで我々がやっているのは、退職に関する連絡の仲介なんですね。我々はお電話をして『退職届をご本人が送っているのでご確認ください』と。こういうやり方であれば非弁(行為)にあたらないという判断をして今、業務を行っている。」

弁護士法に詳しい、青山学院大学の塚原英治教授は、業者が会社側と交渉を行っているかどうかが違法性を見るポイントだと指摘します。

青山学院大学 教授 塚原英治弁護士
「弁護士の多くは弁護士法違反だろうという受け止めが多かった。トラブルになりそうだから頼むのであれば、これは間違いなく弁護士法違反。問題は“ただ辞めますというだけ”なのか、“交渉ごとをしなければいけないのか”にかかっていると思いますね。」

田中:塚原教授によりますと、退職の際には未払いの給料の請求など交渉になることが多く、こうした交渉は弁護士しかできないといいます。一方で、ベンチャー企業がこうしたニーズを掘り起こしてきたということも事実であり、“非弁行為”かどうかだけを議論していては課題は解決しないと話しています。

武田:退職代行が投げかける課題。それは今の日本の職場の在り方です。取材を進めると、特に会社側と若い従業員の間にある仕事に対する価値観の違いが見えてきました。

なぜ 広がる?退職代行 若者と上司のギャップ

上司
「本当に3年間お疲れさまでした。」

部下
「ありがとうございました。」

これは、上司と部下の仕事への価値観の違いを描いていると話題になった動画です。退職する部下との思い出を上司が回想します。頼りない若者をしった激励し苦楽を共にした日々。

上司
「私はいい上司だっただろうか。」

ところが、ここで動画のトーンは一変します。部下たちの受け止めは全く逆でした。

部下
「勝手にいい話にすんな!うちの会社、次から次に若手が辞めて…。」

若手の不満が爆発。上司は当然と思っていた残業やつきあい。しかし、若者からは理不尽な職場だと見られていたのです。

(ネットに寄せられたコメント)

“うちの会社がまさにこれ。”

“…いたいほどわかる…”

怒りをあらわにする部下の行動に賛同のコメントが相次ぎました。動画を制作したのは、中小企業への支援を行っている独立行政法人。IT技術を使った合理化を訴えるのが目的でしたが、注目されたのは、若い社員の不満を描いた部分でした。

中小機構 広報課 林隆行課長
「社長なり経営陣が『今までのやり方が一番いいんだ』と。そこに固執してやり方を変えようとしないと。それじゃあそのまま、もう会社はだめになっちゃいますよと。動画自体かなり誇張したものですけど、若い人たちを中心にこういう思いを持っている方がたくさんいるんだなと感じています。」

実際に、会社との仕事に対する価値観の違いから、退職代行を利用して会社を辞めた人もいます。毛利大輔さん(仮名)、27歳。社員30人ほどの専門商社で、営業や機械のメンテナンス業務に携わっていました。残業はほとんどなく、待遇にも不満はなかったといいます。

毛利大輔さん
「休日出勤に手当がつくというのと、残業代の支払いもしっかりしている。相当ホワイトな部類かと思うんですけど。」

毛利さんが不満を感じたのは、ある上司の行動でした。その上司の営業成績は毎月トップクラス。精力的に仕事をこなし、休んでいる姿をほとんど見なかったといいます。上司は他人にも厳しく、営業成績が上がらない毛利さんの先輩社員に対し、叱責を繰り返していたといいます。

毛利大輔さん
「怒られている先輩社員もすごい真面目に仕事に取り組む人で、僕はその人のことを尊敬していたんですけど。」

今後もこの上司と長い時間を共に過ごすことを苦痛に感じ、退職を選択したといいます。

毛利大輔さん
「この上司の下でやっていくことは、この人の価値観に合わせることなんだと思って、それはどうなのかなという。それは気持ちのいい働き方じゃないなと思いました。」

毛利さんが退職した理由について、本人の承諾を得て会社側の見解を聞いてみました。会社では、ふだんから社員教育に力を入れ、業務には全力であたること、コミュニケーションを活発にとることなどを徹底してきたといいます。

その上で、毛利さんが耐えられなかったという上司の指導については、「確かに厳しい指導をしていたのは把握しているが、叱責だけでなく、その後はフォローも行っていた。部下に成長して欲しい一心だった」と説明しています。

広がる退職代行サービス 意識の溝を埋めるには

田中:この会社は、退職の理由を本人の口から説明してほしかったと話しています。一方、毛利さんは自分の気持ちを理解してもらえないと思い、あえて会社側に説明しなかったといいます。この食い違いを理解するためにヒントとなるデータがあります。若い世代が理想とする職場環境を示した意識調査の結果です。

9年前と比べ、個性を尊重してくれる職場の人気が高くなっているのに対して、活気がある、目標を共有する、お互いに鍛えあうなど、一丸となって成長させようとする職場は支持されにくい傾向があります。

武田:個性を尊重してほしいということですけれども、働き方のニーズというか、その思いもさまざまということが想像できるわけですよね。青野さんはそうした中で、この離職率の問題をどうやって改善していったんですか?

青野さん:私たちも若者たちのニーズが多様化しているということに直面しまして、一人一人個別に対応していくと、こういう方針を決めました。

武田:どんなふうに多様化しているんですか?

青野さん:例えば時間の柔軟さにこだわりがある人もいますし、働く場所を選ばせてほしいという人もいますし、もちろんお金にこだわりがある人もいるし、さまざまあるので、じゃあこの一人一人に対して選択肢をいっぱい出そうと。時間を選べるようにしたり、場所を選べるようにしたり、給与に関しても自分の欲しい金額を言ってもらって、それを支援できるようにしたり、一人一人のニーズに対応していくと。ある意味、こちらの持っている価値観を絶対押しつけない。それぞれの価値観を尊重する。これが私たちのやってきたことですね。

武田:それは相当、経営的には大変なんじゃないですか?コストもかかると思いますし。

青野さん:大変です。一人一人、全部話を聞いてデータベース化して、それぞれの対応をしますから、もちろんコストはかかるんですけれども、ある意味、それをすれば一人一人のモチベーションが上がって定着率も上がりますし、経営的に見るとリターンの大きい投資だと思っています。

武田:一人一人の働き方に対する思いを尊重するというのは分かるんですけれども、逆に会社として共通して持つべき価値観もあると思うんですよね。それはどういうふうに保つんですか?

青野さん:まさに価値観が多様化する中で、柱となります、会社の存在目的というか、どうして僕たちはここに毎日集まっているんだろう。まさにこの企業理念のようなものが、また見直される時代に入ったと思うんですね。逆にこの柱がしっかりしていないと、この多様化とともに本当にバラバラになっちゃう。こういう時代だからこそ、なぜ集まるのか、これをしっかり持つべきだと思うんですよね。それを思いますと、今の日本の企業は、創業者も亡くなっちゃって、会社の器だけ大きくなって何となく残っている会社が多いような気もいたします。

武田:その会社の幹となる理念がありつつ、一人一人の社員は自分の思いというか、自立して働く。

青野さん:まさに目的をみんなでしっかり持っておけば、バラバラでも助け合えると、こんなイメージですかね。

武田:青野さんの会社でも、それでも4%の方は辞めていくわけですよね。どういうふうに見送っているんですか?

青野さん:これも実は4%って率のところはあんまり見てなくて、一人一人辞めていく中で、これはいい退職なのかな、悪い退職なのかな。例えば次に希望を持って辞めていく、これはいい退職だ。でも、とにかく私たちの会社にこれ以上いたくないから辞めようでは、これは悪い退職だと。

武田:そういう人もいるわけですね。

青野さん:なので、これは多分、改善の余地があるだろうと。そうやってバージョンアップしていっていますね。

武田:社員の退職っていうことも機に、会社の在り方を常に見直していくと。

青野さん:やっぱり一人一人の価値観を大事に、それを把握しながら対応するということだと思います。

武田:そして会社もどんどん変えていくということなんですね。
この退職代行のニーズの高まりは、転職が珍しくなくなってきたにもかかわらず、会社も社員もその変化に戸惑っていることの証しのように感じます。双方が対等な立場に立ってこの変化を受け止めて働き方を考えていく必要があると思いました。