シリーズ第2回は、CO2削減のカギを握る「石炭」をめぐる各国の動きを検証する。京都議定書を離脱し、温暖化対策に後ろ向きと見られてきたアメリカ。オバマ政権は今年8月、「クリーンパワープラン」を発表。火力発電所にさまざまな規制を加えることで、CO2排出量が比較的多い石炭火力発電から再生エネルギーなどへの転換を促し、大規模なCO2削減を打ち出している。一方日本では、逆に石炭火力発電所を建設する動きが強まっている。国内にある古い石炭火力発電所を効率の良い最新型に置き換えれば、より確実にCO2を減らせるとの考えだ。電力自由化による価格競争を見据え、電力事業者や新規参入業者が、発電コストが安い石炭火力発電所の新規建設を次々と申請している。さらに国は、日本の優れた石炭火力発電設備を途上国などに輸出すれば、世界全体のCO2削減にも貢献できると考えている。各国の取り組みを追いながら、石炭との向き合い方を考える。
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