今月末、地球温暖化対策の新たな枠組みの合意を目指すCOP21が、パリで開かれる。京都議定書の締結から18年、先進国と途上国の利害対立もあり、地球温暖化対策は、足並みが乱れた状態が続いてきた。世界で異常気象が頻発するなど温暖化の影響が深刻化する中、今回のCOP21で新たな国際協調体制を構築できるのか、そして日本はどのような役割を果たすことができるのか、2回シリーズで伝える。1回目は、温暖化を食い止めるための「歴史的な合意」の実現可能性を検証する。京都議定書ではCO2の削減義務を負わなかった中国とインド。世界最大のCO2排出国である中国は、対策に後ろ向きと批判された従来の姿勢を改め、石炭火力発電所の閉鎖を進めながら、風力などの再生可能エネルギーにシフトしたり、CO2を地下に貯留する新技術で温暖化対策に積極的に取り組み始めたりしている。一方で世界3位の排出国インドは、対策の必要性に理解は示しつつも温暖化対策の費用は先進国が負担すべきとの姿勢を崩していない。世界の気温上昇を2℃未満に抑えるという世界共通の目標に向け、途上国を巻き込んだ枠組みを構築することはできるのか、瀬戸際に立つ温暖化対策の最前線を追う。
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