先月、メイドカフェの客や店員6人が死傷した広島・雑居ビル火災。広島市には、建物の建築状態を確認できる書類は出されていなかった。実は、行政が建物の状態を把握出来ていない建物が、防火対策にリスクを抱えたまま火災に見舞われるケースが、日本ではたびたび起きている。平成24年に、福山市で起きたホテル火災もその一つ。行政に申請されていない違法なリフォームが行われていた事が後になって判った。背景には、建築時に適法に建てられた建物は、その後、法令の改正によって現行法を満たさなくても「既存不適格」として許されるというルールがある。いずれ増改築の際に申請を受ける事で、行政がチェック出来るという考え方に基づいているものだ。今回の火災を受け、全国の自治体は緊急実態調査を実施、既存不適格の建物の安全性をどう確保するかの対応を迫られている。広島での火災から見えてくる課題を明らかにし、各地で始まった新たな取り組みを見ていく。
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