被爆から70年の間、自らの過酷な体験を語ることで、核兵器の愚かさや平和の尊さを伝える大きな役割を果たしてきた広島・長崎の被爆者たち。平均年齢が80歳に迫り、この1年で1万人近い人が亡くなっている。NHKは、全国各地の被爆者1000人を対象にアンケートを実施。見えてきたのは、被爆者が「語り継ぎたいのに語りにくい」状況が生まれているという実態だ。これまで被爆体験を語ってきた人たちの4割が「語る場が減っている」と回答し、その理由として「証言が求められなくなった」と指摘する人が40%に上っている。学校などの教育現場では、教師たちがカリキュラムに追われ、平和を教える経験を失うと同時に、子どもたちに平和を語ることそのものに萎縮してしまっているのだ。そうした中、被爆者が自らの悲惨な体験を伝えるだけでなく、教師たちといっしょに被爆地などをまわり、原爆投下による具体的な被害状況・実態を伝え、平和の尊さをより深く感じてもらおうという取り組みも始まっている。被爆70年のヒロシマから平和を伝える事の意味を考える。
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