人と同じように考え、行動する人型ロボット「ヒューマノイド」。ロボットの究極の形と言われながら、長らく実用化は非現実的だと見られてきた。しかしその流れが、大きく変わろうとしている。中心となっているのは、アメリカの軍事研究所「DARPA」だ。インターネットやGPSといった世界を変えるような技術開発行ってきたDARPAは、各国の企業や大学に参加を呼びかけ、ヒューマノイドの技術を競い合う世界大会を開催した。巨額の開発費を提供し、軍の調達に引き上げるなどして実用化を後押しし、“産業化”を狙っているとされる。3年がかりの世界大会は先月ついに決勝戦を迎え、世界の23チームがしのぎを削った。日本からは4チームが参加。要素技術は強いものを持ちながら、“産業化”への道筋をつけきれない日本勢は本番での弱さを露呈し、前評判の高さにも拘わらず、思わぬ苦戦を強いられる。最先端のロボットが相まみえるコンテストの決勝を通して、技術開発の最前線に迫るとともに、日本のロボット産業の未来を考える。
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