沖縄県の平和祈念公園にある「平和の礎(いしじ)」。沖縄戦で亡くなった24万人余りの名前が刻まれている。激しい地上戦のため遺骨すら見つからない人も多い沖縄では、お墓のような大切な存在である。しかし、この礎に名前さえ刻まれていない戦没者がいる。「○○の妻、長男、次男」としか分からない人たち。礎を建設した際に、名前を確認できる人がいなかったため、死の詳細も不明な人たちだ。その数は、327人にのぼる。番組では、名前なき戦没者を取材。そこから浮かび上がってきたのは、「地上戦による一家全滅」や「名前をつけられる前に亡くなった乳児」など、住民を巻き込んだ激しい地上戦が繰り広げられた、沖縄戦の悲劇だった。戦後70年、名前なき戦没者から沖縄戦の実相に迫っていく。
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