51年ぶりの連続7カード勝ち越しなど、開幕からスタートダッシュに成功した「横浜DeNAベイスターズ」。交流戦では負け越したものの、セ・リーグで首位争いを続けている。毎年のようにBクラスに低迷し、12球団で唯一クライマックスシリーズに出場したこともない弱小球団の変貌の陰には、IT業界を席巻する親会社「DeNA」のビジネス手法を取り入れた抜本的な組織改革があった。以前は、チームの運営や選手起用を“野球経験者の勘”に頼っていたのに対し、個々の選手の能力を数値化しクラウドシステムで一元管理する“ミナト・システム”を独自に開発。戦略決定や選手起用に活用したところ、埋もれていた無名の選手が活躍するなど、チームの勝利につながっている。さらに球団の事業系の部長を全て30代にし、これまでにない発想のファンサービスを行うことで、観客動員はこの3年で42%増え、ファンクラブ会員数も8倍と急増した。球団の社長自身が「まるで倒産企業の再建のようだった」と語る大改革。その舞台裏に密着し、普通の会社の組織運営にも役立つ処方箋を探る。
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