過激派組織IS・イスラミックステートによる日本人殺害事件。長年、紛争地での人道支援や報道に携わってきた人々は「いま自分たちに何が出来るのか」自問自答を続けている。戦火のイラクを見つめ続け、去年、ある家族の10年間の軌跡を描いたドキュメンタリー映画を発表した綿井健陽さん。「現地の人々の悲劇に思いを致し伝えていくことが大切」と考えている。10年以上にわたって紛争地の子どもたちへの支援活動を続けてきた佐藤真紀さん。「危険地域から離れた難民キャンプなどで日本人が担うことは多い」と今月末、イラク北部を訪問する予定だ。イラクでの取材中に襲撃され殺害された橋田伸介さん。妻の幸子さんはイラクでの病院建設などに尽力してきた。夫の死の意味を考える中で「報復よりも人々に寄り添う」ことが重要だと感じている。日本から遠く離れた地域で、多くの市民たちが“痛み”を強いられている現実を前に、わたしたちには何が出来るのか。それぞれ眼差しの先にあるものを見つめ、考察していく。
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