看護師71万人、歯科衛生士14万人、理学療法士3万人。専門職として資格を持ちながら就労していない、いわゆる「休眠」資格者の数だ。今この「眠れる宝」の活用が、在宅の医療・介護の現場を変えると期待されている。例えば歯科衛生士。最近、在宅での口腔ケアが疾病予防に大きな効果を発揮し、医療費などの削減に貢献すると言われるようになり、ニーズが急増。新潟県上越市では、休眠していた歯科衛生士を積極活用した訪問口腔ケアの仕組みが立ち上がった。さらに慢性的に不足しているのが看護師だ。介護保険適用の訪問入浴などでは、サービスを休止する事業者なども出ていたが、複数人数で責任をカバーし合う仕組みや、復帰支援の研修を充実させる取り組みによって、休眠人材の活用が進み始めた。平日の日中が中心の訪問ケアは、施設での就労より働きやすい面があり、子育てなど家庭の事情からフルタイムで働けない休眠人材にも、就労のチャンスを広げている。在宅ケアの現場で広がる人材活用の最前線を伝える。
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