今や風力発電を抜き、太陽光に次ぐ再生可能エネルギーの旗手とされる「バイオマス発電」。電力会社の固定価格買い取り制度が施行されたのを機に、木材を燃料とする大規模な発電施設の建設が相次いでいる。今年だけでも30か所が一気に稼働、さらに30カ所の建設が予定される。しかし課題とされているのが、燃料となる木材の確保だ。本来は国内森林資源の有効活用が大前提であるが、発電所同士の間で奪い合いになり、しわ寄せが製紙業など他産業にも波及し、乱伐による森林の荒廃も懸念されている。過去に同様の課題にぶつかったドイツでは、教訓をもとに政策を転換、発電施設の小規模化を進めて状況を改善した。効率的で身の丈に合ったエネルギーの地産地消という原点に戻ることで、森林保全と発電事業を両立させる模索を始めた地域などを通し、持続性ある取り組みについて考えていく。
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