「長生きは したくないねと ジム通い」「延命の 治療はするなと 書いて消し」。今、60代以上の人々の間で、老いや病、孤独などをユーモアあふれる表現で笑い飛ばす「還暦川柳」が人気を集めている。先月開かれた還暦川柳のコンテストでは5千通近い応募で過去最高数となった。シルバー川柳の関連書籍は累計60万部を超えるベストセラーとなっている。病や介護、年金、孤独といった中高年をとりまく不安や課題を、辛いとか苦しいと嘆くのではなく、敢えて笑いに転化するのだ。最近は派遣社員や女性、被災者たちも川柳を詠み始めた。不安、苦しみは消えないかもしれないが、ユーモアは自分の苦境を相対化する。そうした川柳は多くの共感を呼び、互いを励ましたり、ネットで交流したりという動きも生まれている。今回、様々な文化人や研究者たちに、川柳の「笑い」の分析を依頼。現代の日本人と笑いの関わりについて考える。
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