急激な原油安が世界経済の不安定要素になる懸念が高まっている。去年末には、影響がエネルギー大国ロシアを直撃、通貨ルーブルが半年前と比べ対ドルで50%下落するなど、ロシア経済に深刻な影を落としている。さらに、影響はヨーロッパにも飛び火、ロシア向けの輸出の落ち込みや株式市場への波及など懸念が広がっている。今月5日には、ついに原油の先物価格が1バレル=50ドルを割り込み、世界的な株安となった。背景には、急速に生産量を拡大してきたアメリカのシェール業界に対するOPEC・石油輸出国機構のけん制があると見られている。OPECは、供給過剰にもかかわらず減産を見送り、まだ産出コストが高いシェール業界に打撃を与えようとしているというのだ。アメリカでは、価格競争に持ち込まれたことで新たなシェール開発が滞ったり、そこに多額の投資をしてきたファンドが危機に陥るなど、影響が深刻化している。番組では、急激な原油安の背後で繰り広げられる世界のエネルギー覇権争いの実態と、それが世界経済全体にどんな影響を与えていくのかを読み解く。
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