日本の近代文学を代表する作家・谷崎潤一郎(1886~1965)が亡くなって今年で半世紀。その知られざる素顔を語る大量の資料が見つかった。「細雪」のモデルで「創作の源泉・女神」と崇められた妻・松子らとの間で交わされた288通の手紙だ。谷崎研究の専門家は「超一級の資料。谷崎の伝記も書き直す必要がある」と語る。谷崎が40歳の時に出会った二人。互いに家庭があったが8年越しで恋愛を成就させ、谷崎が79歳で亡くなるまで添い遂げた。手紙からは、その間約40年に刻々と変化していった夫婦の関係性や心の機微、そして、太平洋戦争の最中も谷崎が「細雪」を書き続けた背景などが浮かび上がってくる。著名人に手紙を読み解いてもらいながら、現代にも通ずる夫婦の愛について考える。
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