アメリカの景気回復への期待と今後の利上げ観測から、世界の投資マネーが「強いドル」に集まり、円相場はこの1か月あまりで7円近く値下がりした。1ドル109円台は約6年ぶりの円安ドル高水準だ。これを受けて株価は上昇、その一方で急速に進む円安に懸念の声も出始めている。消費の現場では、牛肉や豚肉など輸入物が1か月前に比べて2割ほど値上がりしたり、原材料費の高騰に頭を痛めたりする中小企業が出ている。また、為替の影響を受けないように海外移転を進めてきた企業は、大きな利益を上げる一方で、製造業全体の輸出は伸びていない。急速に進む円安で今、日本経済に何が起きているのか、現場ルポとデータから読み解く。
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