「亀山モデル」量産化を指揮した元シャープの工場リーダー。サムスンの製品化を牽引した元ソニーの技術者。巨大技術集団を率いた元日立の製造部長。リストラ、事業縮小が続く大手メーカーの中核エンジニアたちが古巣を離れ、新たな活躍の場を求めて連帯を始めた。彼らに機会と資本の提供を申し出たのは、台湾の巨大メーカー。世界を席巻してきたアジアの受託製造(EMS)ビジネスも転機を迎え、開発力のある人材を新たに求めているのだ。手始めに取り組むのは、有機ELを使った次世代ディスプレイ開発。国境や企業の枠を越え、最適な人材や技術をプロデュースしようというアジア大手資本の動きに対して、日本企業の対応はいまも後手に回っている。自力で活躍の舞台を切り開こうとする技術者たちの挑戦が、今後の日本そしてアジアのものづくりに与える影響を見ていく。
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