いま全国各地でサルやシカなどの野生動物が急速に増殖して分布域を拡大、被害が深刻化している。近年の農作物被害は年間220億円以上。さらに本来人間を恐れるはずの野生動物が凶暴化して住民を襲い、指名手配にされる事態も起きている。最新の調査から生息数激増の背景には、狩猟者の減少だけでなく、人工的に作られた栄養価の高い農作物や冬の道路に散布される凍結防止剤の影響が指摘されている。これらが野生動物の栄養状態や出産のペースに変化をもたらし、人間側集落の衰亡とあいまって鳥獣被害の急拡大をもたらしているのだ。人間社会に押し寄せる野生動物の実態に迫る。
みんなのコメント