子どもたちを夢中にし続けてきたヒーロー「アンパンマン」の作者、やなせたかしさんが94歳で亡くなった。絵本の累計出版部数は6800万部、88年からアニメ化され2千ものキャラクターを生み出したアンパンマンは、まさに「国民的ヒーロー」だ。困っている人に自分の顔を食べさせるという特異なヒーローが生まれた背景には、やなせさん自身の戦争体験に裏打ちされた「正義」への信念があった。長い下積みを経て、57歳で花開いた苦労人でもあったやなせさんが、最後の瞬間までこだわり続けた「正義」と「生きる希望」。詩人としての側面にも光をあてながら、未発表資料と証言で知られざる最晩年の姿に迫る。
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