事実上のクーデターから2ヶ月になるエジプトでは、軍を後ろ盾とする暫定政府が強硬姿勢を強めている。14日、クーデターに抗議するデモ隊を強制排除したことをきっかけに、治安部隊とムスリム同胞団の衝突は全土に広がり、死者は850人を超えた。さらに、アラブの春で退陣に追い込まれた“独裁者”ムバラク元大統領が保釈され、「強権政治の復活」として受け止められている。エジプト国民の多くは、社会の安定を求めて、軍のリーダーシップに賛同。一方で、かつて独裁政権の打倒を呼びかけた若者グループは身動きがとれず、「民主化の挫折」を嘆いている。こうしたなか、欧米各国は軍の強硬姿勢を非難するものの、様々な思惑から有効な対策が打てていない。エジプト、そして「アラブの春」はどこへ向かうのか。現地からの最新報告をもとに読み解いていく。
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