松井秀喜選手が引退表明をした去年12月以降、「自分は松井ほど人生を懸命に戦っただろうか」というメッセージがネット上にあふれた。書き込んだのは松井と同世代の3~40代。共感を寄せたのは、スーパースターとしてより怪我やスランプに苦しみながらも野球選手としての職務を全うしようとする松井の姿だった。背景にあるのは“失われた20年”と松井選手の現役生活が重なっている点だ。バブル崩壊からリーマンショックまで常に苦難の時代に直面した松井世代。困難を乗り越えようと闘う松井選手の姿は彼らの生きる支えになってきた。時代に翻弄されながら人生という打席に立ち続けた松井世代。松井選手の歩みをたどりながら、彼らの生きた時代を読み解く。
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