今年1月に亡くなった映画監督・大島渚。代表作「戦場のメリークリスマス」をはじめ、日本映画界に新風を吹き込んできた。その一方で、出演したテレビ番組で共演者を「バカ野郎!」と遠慮なく怒鳴りつける大島監督の姿は人気を博した。そもそも大島監督が作品に込めてきたのは、貧困や差別などの「不条理」に対する強烈な“怒り”だ。今回初めて公開された、書斎にうず高く積まれた大量の創作ノートや数十年以上続けていた若者たちとの往復書簡の数々。そこには、「大のオトナがあえて“怒り”を隠さないことこそが社会を良くすることに繋がる」という大島の思いが込められていた。大島と手紙のやりとりを続けていた当時の若者たちの証言や活動を中心に、大島監督の“怒り”が現代社会に何を投げかけているのかを見つめる。
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