1000㎡を超えるオフィスビルやショッピングセンター、5階建て集合住宅…。日本で半世紀以上、建設されていなかった都市部の大型木造建築物が、今年、相次いで完成する。かつて戦争や自然災害で多くの木造家屋が焼失した経験から、国は1950年代に都市部の大型木造の建築を禁止。それが近年、耐火・耐震性能等が急速に高まったため、建築が進んでいるのだ。背景には木材がCO2を固定する環境先端素材として見直され、2010年に公共建築物の木造化を推進する法律が制定されるなどの林業振興政策の転換がある。歴史の空白が生んだ人材やノウハウの不足を乗り越え、地域資源を活かして新たな木の文化を復活させようとする現場の模索を伝える。
みんなのコメント